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日本は貿易から投資へ【外国為替の基礎知識】

(元画像=vladwel/stock.adobe.com、 編集=お金のキャンパス編集部)

この記事は、みずほ証券YouTube公式チャンネルとのコラボ企画です。みずほ証券の鈴木さんが外国為替の基礎知識を解説する「みずほ為替塾」から、ポイントを要約してお届けします。(記事一覧はこちら)

今回のテーマ 日本は貿易から投資へ

前回の記事で、国際収支の内訳にある「第一次所得収支」とは、海外投資からの配当や利息などのリターンであることを解説しました。

今回は、「貿易収支」と「第一次所得収支」の推移を見ながら、日本が貿易立国から投資立国へ移行しているという鈴木さんの解説を見ていきましょう。

減少する貿易収支

(注)1995年までは異なる基準に準拠しているため、必ずしも連続性がないことに留意。2019年は速報値。
出所:財務省のデータよりみずほ証券作成

 

上のグラフは貿易収支と第一次所得収支の1985年以降の推移です。貿易収支は2008年以降に減少し、特に2012年~2014年のマイナスが特徴的です。この動向については、こちらの記事で鈴木さんが、アジアへの工場移転等が主要因となり日本の貿易収支に計上されなくなったことが要因であることを解説しています。

増加する第一次所得収支

(注)1995年までは異なる基準に準拠しているため、必ずしも連続性がないことに留意。2019年は速報値。
出所:財務省のデータよりみずほ証券作成

 

その一方で貿易収支と入れ替わるように、第一次所得収支が増加していることがわかります。第一次所得収支とは海外投資からの利金や配当金などのリターンからなる収入で、これが貿易収支の減少を埋め合わせています。

合計の収支(グラフの高さ)は2000年~2010年と比べても横ばいとなっていますが、鈴木さんは、2つの収支の入れ替わりから、ドル/円相場への影響を読み取ることができるといいます。いったいどいうことでしょうか?

鈴木さんの解説まとめ

 
 ✔︎ 貿易収支の増加は、通貨交換が発生するため円高圧力となります
 ✔︎ 第一次所得収支は、利金や配当金が再投資されることがあるため、
   通貨交換が発生するとは限らず、円高圧力も限定的です
 ✔︎ これは、かつてのように日本の経済成長が円高につながらなくなっ
   ていることを意味します

鈴木さんは、日本が構造的に貿易立国から投資立国へと変化していると指摘しています。そして、貿易収支の減少と第一次所得収支の増加は円高圧力の減少を示唆し、長期的にドル高円安方向となることを解説しています。

 

鈴木さんの解説動画はこちら
「収支構造の変化とドル/円動向」の説明から再生が始まります。

 


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