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「貯める力」トップの都道府県は?

貯める力トップの都道府県の写真

「貯める力」が貯蓄残高を増やす

一方、「お金持ち度」を表すデータの一つとして、同調査での「貯蓄現在高」上位をみてみましょう。今度は、預貯金に加え、株式や債券、投資信託などの有価証券や生命保険などもカウントされます。

2人以上の勤労者世帯での「貯蓄現在高」上位の都道府県

1位:福井県(約1,601万円)
2位:香川県(約1,438万円)
3位:愛知県(約1,420万円)
4位:東京都(約1,413万円)
5位:富山県(約1,413万円)

※公表資料の数字を万円単位に四捨五入しています。

こちらでは、東京都や愛知県といった大都市圏も上位に入ってきています。

興味深いのは、福井県が「平均貯蓄率」ばかりでなく「貯蓄現在高」でもトップであることです。同様に、富山県も両データで上位にあります。

お金を貯める力が強い要因としてはどのようなことが考えられるでしょうか。

総務省の「平成24年就業構造基本調査」によると、夫婦共働き世帯の割合(共働き率)の全国平均は45.4%ですが、前出の「平均貯蓄率」上位の都道府県のうち秋田県を除く4県は「共稼ぎ率」でも高い方から10位までに入っています。また、福井県が共働き率58.8%でこちらでも1位となっています。「貯める力」が強いところでは、共働きで稼いだ分をしっかりと貯蓄に回していることがうかがえます。

世帯の構成も考慮する必要がありそうです。共働きだと家事や育児と仕事を両立させる負担も重くなりがちですが、2010年(平成22年)の国勢調査によりますと、3世代が同居している世帯の割合が最も高いのは山形県で21.5%、2位以降は福井県(17.6%)、秋田県(16.4%)、新潟県(16.4%)、富山県(16.1%)と続いており、貯蓄率上位の福井県、富山県、秋田県が再び登場します。日本列島は気候・風土もさまざまで地方によって文化や生活習慣が異なるため一概に結論づけることはできませんが、祖父母と孫が同居して家事や育児を分担しながら共働きを支えることが貯蓄率の高さに反映されているとみることもできそうです。

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