みずほ証券 公式チャンネル 今月のマーケット動向は?
Home / マーケットを知る / 図でわかる8つの売買法則「グランビルの法則」とは

図でわかる8つの売買法則「グランビルの法則」とは

【★基礎からわかる「テクニカル分析」入門5-2】

前回は「移動平均線」の描きかたや種類など基本的な考え方について解説しました。今回は移動平均線と株価の関係を使った、ある法則についてご紹介します。

株価チャートのある法則を発見

1960年代に、ジョセフ・グランビルという米国の証券アナリストがいました。

グランビルは統計学の「移動平均法」を、株価動向の分析にも利用しようと試み、あらゆるバックテストを行った結果、200日移動平均線が最も信頼できると紹介したことが、「グランビルの法則」の始まりといわれています。

グランビルは株価チャートに、長期投資家の損益分岐点ともいえる200日移動平均線を併記すれば、その200日移動平均線の傾きにより、株価が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、その株価の長期トレンドを知ることができるのでは?と考えました。

そして、買いどき・売りどきを見極める“8つの基本法則”を唱えました。

グランビルの法則 基本の考えかた

まず、200日線に対して株価がどの位置にいるのかを考えます。

株価は移動平均線から大きくかい離すれば、その後移動平均線へ収れんします。
また、移動平均線に対してしばらく収れんが続くと、ふたたび移動平均線からかい離します。この習性を8つの法則に当てはめたものが「グランビルの法則」の基本概念です。

8つのパターンを判定するときに注目するポイントは2つです。
(1)【トレンド】…200日線の方向で、上向きか、横ばいか、下向きか、長期トレンドをみる
(2)【相場の行き過ぎ】…200日線からの上方かい離を買われ過ぎ、下方かい離を売られすぎとして、相場の行き過ぎを推し量る

このポイントに注目してどのパターンかを判定します。

グランビルの法則 8つの基本法則

まずは4つの「買い」パターンです。

①「重要な買い信号」…移動平均線が横ばいかもしくは上昇しているときに、株価がその移動平均線を上抜けた場合。
②「押し目買い」…上昇中の移動平均線を株価が一時的に下回っても、移動平均線の上昇に変化がないとき。
③「買い増し」…株価が、上昇する移動平均線の上方に位置したあと、移動平均線に向かって下降し、移動平均線を割らずに再び上昇した場合。
④「短期の買い場」…移動平均線が下降中でも、株価が移動平均線から大きくかけ離れて下降した場合(いったん自律反発する公算)。

こちらは4つの「売り」パターンです。

⑤「重要な売り信号」…移動平均線が横ばいか下降しているときに、株価がその移動平均線を下抜けた場合。
⑥「戻り売り」…下降中の移動平均線を株価が一時的に上回っても、移動平均線の下降に変化がないとき。
⑦「売り乗せ」…株価が下降する移動平均線の下にあって、移動平均線に向かって上昇し、移動平均線を抜けずに再び下落した場合。
⑧「短期の売り場」…移動平均線が上昇中でも、株価が移動平均線から大きくかけ離れて上昇した場合(いったん自律反落の公算)。

8つのパターンの出現イメージをまとめると下のようになります。

実際のチャートでグランビルの法則を使う

買い局面の①~④の実例です。

実際のマーケットでは、①や④の局面で買いのタイミングを図ることは難しく、
いったん200日線が上昇に転じてトレンドが明確になり、200日線が下値支持線になったことを確認してから、買いをいれると良いでしょう。

よって、上昇している200日線を一時的に割り込む②押し目買いや、上昇している200日線の手前までいったん調整する局面での③買い増しが、より有効的な買いのタイミングとなります。

ちなみに、⑧は短期の売りの局面です。

次に売り局面の⑤~⑧の実例です。

さきほどの買い局面と同じく、実際のマーケットでは、⑤や⑧の局面で売りのタイミングを図ることは難しいといわれています。

そのため、200日線が下降に転じてトレンドが明確になり、200日線が上値抵抗線になったことを確認してから、売りをいれると良いでしょう。

よって、下降している200日線を一時的に上回る⑥戻り売りや、下降している200日線の手前まで一時的に上昇する局面での⑦売り乗せが、より有効的な売りのタイミングとなります。

ちなみに、④は短期の買いの局面です。

さて、今回は移動平均線を使った売買の法則「グランビルの法則」の基本を学びました。この法則さえ使えば絶対勝てる!という法則は存在しないのですが、いろいろなテクニカル指標を知っておくことで、チャートの動きを多角的に分析することができるようになります。引き続き頑張っていきましょう。次回は大人気(?)、ゴールデンクロス・デッドクロスをとりあげます。

 

>>次のレッスン「ゴールデンクロス・デッドクロスとは」

>>【連載】これからの相場をテクニカル視点で読む! 中村克彦のテクニカルコラム
毎月更新!直近の相場を、テクニカル分析を使ってわかりやすく解説!

>> 基礎からわかる「テクニカル分析」入門 レッスン一覧へ
本シリーズのバックナンバーはこちら

【動く中村さんはこちら!】
相場のポイントを動画でもくわしく解説しています。みずほマンスリーVIEWは毎月・ストックボイスは毎週火曜日に更新されるので、投資の参考にぜひ活用してみてくださいね。

 

※みずほ証券のサイトに遷移します。

メール送付にあたってのご注意
本企画にかかる質問メールは、お金のキャンパスのスポンサーであるみずほ証券株式会社(以下、みずほ証券)に送信されます。みずほ証券は、本企画で得たお客さまからの質問内容を今後の配信記事に反映するほか、登録された個人情報を、ダイレクトメールの発送等、金融商品やサービス等に関する各種ご提案やご案内のために利用することがあります。詳細は、みずほ証券「お客さまの個人情報の取り扱いに係る利用目的」にてご確認ください。

 

【おすすめ記事】
知らない人が多い!?「ボリンジャーバンド」の本当の使いかた
日経平均株価とTOPIXの違い
株価下落はいつまで? 底値を見極めるには「騰落レシオ」に注目
投資の腕を上げるための心得 ―兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話
移動平均線かい離率で考える買いどき・売りどき