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税金は難しくない?! 初心者でもわかる確定申告 (前編)

(写真=istock)

所得控除のなかには年末調整では控除されないものがあります。これらの控除を受けるためにはサラリーマンでも確定申告をしなければいけません。では、確定申告とはいったい何なのか? 確定申告のイロハから、税金が戻ってくる手続き、見落としがちな注意点まで、初心者にもわかりやすく、税理士の本間会津子さんが解説します。

確定申告のキホン

そもそも確定申告とは?
個人の1月1日から12月31日の1年間の所得にかかる税金(所得税・復興特別所得税=以下「所得税等」)を計算することをいいます。例えば個人事業主であれば、収入から経費を差し引いて計算した所得とそれに対する税額を計算し、翌年2月16日から3月15日までの間に税務署に確定申告書を提出する必要があります。
しかし、一般的なサラリーマンであれば確定申告をする必要はありません。毎月のお給料から源泉所得税が引かれ、会社で1年間の正しい税額を計算して、源泉所得税をとり過ぎている人には還付を、足りない人からは徴収する「年末調整」で所得税等の計算が終了するためです。

キーワードは「寄付金控除」「医療費控除」「雑損控除」!
上記の通り、一般的なサラリーマンであれば年末調整で1年間の税額計算が終了するため、確定申告をする必要がありません。しかし、所得控除のうち「雑損控除」「医療費控除」「寄付金控除」は年末調整では控除ができないため、これらの控除を受けることができる場合は確定申告をすることで税金が戻ってきます。還付申告の場合、翌年1月1日から5年間申告書を提出することが可能です。確定申告期間になると税務署が混むため還付を受けるのに時間がかかります。できれば1月中に申告をして早めに還付を受けるようにしましょう。

人気のふるさと納税でお得に特産品を手に入れる【寄付金控除】

ふるさと納税の仕組み!
ふるさと納税とは、地方自治体に寄付をすることにより、寄付額から原則2,000円を引いた額が所得税・住民税から控除され、かつ特産品がもらえるお得な制度です。
ふるさと納税は好きな自治体に寄付をすることができ、また、ほとんどの自治体で使い道が設定されているため、寄付するお金の使い道を自分で選ぶことができます。

ワンストップ特例とは?
ワンストップ特例とは、確定申告の不要なサラリーマン等で、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限り、確定申告を行わずにふるさと納税の寄付金控除を受けることができる制度です。
特例を受けるためには、ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要があります。

ふるさと納税で得する額は家族構成によってちがう!
ふるさと納税で控除される税額は、年収や家族構成により異なります。自己負担額は最低で2,000円になります。

支払った医療費や薬代で税金が戻ってくる【医療費控除】

医療費控除とは?
1月1日から12月31日までに本人または本人と生計を一にする家族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
「生計を一にする」とは、生活費のお財布が一緒という意味です。したがって、住まいは別だが仕送りをしている子どもや両親にかかった医療費も医療費控除の対象になります。
1年間に支払った医療費の合計額が10万円(所得金額が200万円未満の人は所得金額×5%)を超える場合、その超える金額をその年の所得から差し引くことができます。差し引くことができる金額は200万円が上限となります。保険金等で補てんされた金額があるときは、その金額を差し引かなければなりません。

医療費控除を受けるために必要な書類は?
2017年分の確定申告から、領収書の代わりに「医療費控除の明細書(医療を受けた方の氏名、病院名、医療費等を記載した書類)」の添付が必要となります。
ただし、健康保険組合等から送られてきた「医療費のお知らせ」等を添付すれば明細の記入を省略できます。
医療費の領収書は自宅で5年間保存する必要があります。

新制度セルフメディケーション税制って?
2017年より、健康診断等を受けている人が一部の市販薬を購入した場合に所得控除を受けることができるようになりました。1年間に支払った市販薬の合計額が12,000円を超える場合、その超える金額をその年の所得から差し引くことができます。差し引くことのできる金額は88,000円が上限となります。
対象となる市販薬は、医療用から転用された特定成分を含む医薬品になります。対象となるかどうかは商品パッケージの識別マーク等でご確認ください。

ただし、上記の予防接種や健康診断等の費用は控除対象にはなりません。
従来の医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に受けることはできず、どちらを受けるか選択する必要があります。

セルフメディケーション税制を受けるために必要な書類は?
①「セルフメディケーション税制の明細書(薬局・医薬品などの名称、金額などを記載した書類)」、②「予防接種の領収書や定期健康診断の結果通知表など一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類」を確定申告書に添付する必要があります。
医薬品購入費の領収書は自宅で5年間保存する必要があります。

家を買ってローンを組んだ【住宅借入金等特別控除】

知って得する住宅ローン控除!
「住宅借入金等特別控除」とは、個人が住宅ローンを利用してマイホームの新築、取得または増改築等をした場合で一定の要件を満たすときは、その住宅ローンの年末残高の1%を所得税額から控除する制度です。要件は、年間所得が3,000万円以下であること、返済期間が10年以上の住宅ローンであること、床面積が50㎡以上であること、中古であれば築20年(マンションなどの耐火建築物は築25年)以下であること等、いろいろなものがありますので注意が必要です。住宅借入金等特別控除は、初年度は確定申告をする必要があります。2年目以降は年末調整で控除を受けることができます。
2017年に家を買った場合、住宅ローンの年末残高4,000万円を限度として、年末残高×1%を納めるべき税金から差し引くことができます。

>>後編に続く

執筆・監修 税理士 本間会津子
文責 日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab.
日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。