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訪日客をプロジェクションマッピングでおもてなし

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(写真=PIXTA)

PMの規制緩和が足元で進展

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催まであと2年あまり。今後も多くの外国人旅行客が日本を訪れることをにらみ、国もさまざまな政策を推進しています。代表的なのが民泊やカジノを含む統合型リゾート(IR)の解禁ですが、夜景の演出で訪日外国人を集客しようとプロジェクションマッピング(以下、PM)の規制緩和も足元で進展しています。
PMは建物などにCG映像を投影し、立体的な映像表現を楽しむものです。日本では、12年の東京駅丸の内駅舎の復元完成イベントで使われたことが大きな話題となり、一般に認知され始めたともいわれます。最近でも、企業や地方自治体の広告、イベントで利用が相次いでいます。

公益目的で期間を限定して行うPMは許可不要に

PMは高度な技術を駆使した新しい表現手段であるにもかかわらず、日本では従来からの屋外広告物(看板など)と同様の規制がかけられるため、実施場所や投影面積などが制限されるケースがみられました。
そこで、今年3月に国土交通省はPMの取り扱いを定める際のガイドラインを公表。主な内容としては、地域活性化などの公益目的で期間を限定して行うPMについては許可なしで実施可能とするほか、商業利用といった公益目的以外の場合も実施が禁止されるのは原則として住宅地域に限定。さらに繁華街などの商業地域では面積規制を撤廃し、ビルの壁面などに大規模な映像投影ができるようにすることが明示されました。
また、同省は道路や河川を挟んで向かいの建物に投影する場合など、PMを行う際に必要となる許可手続きや相談窓口を明記したマニュアルも作成し、実施者の利便性向上を図っています。

日本のクリエーターや企業の活躍の場も広がりそう

東京オリンピック・パラリンピックや2019年のラグビーワールドカップに向けた関連イベントが増えることで、PMの需要は今後さらに高まるものと予想されます。一方、新しい分野だけに映像制作を担う人材が不足し、その育成が課題といわれるなか、例えば映像制作の大手企業が学生を対象としたPM作品のコンテストを実施し、若手クリエーターの発掘・育成に取り組む動きなどがみられます。
また、PMに使うプロジェクターの分野でも、近年は日本メーカーが存在感を高めているとされます。16年のブラジル・リオオリンピックや今年の韓国・平昌冬季オリンピックで行われたPMでは、日本メーカーの製品が大量に使用されました。PMの規制緩和は、日本人クリエーターと日本企業の活躍の場を広げることにもなりそうです。

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