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2020年に向けて市場規模が急拡大 「VR」「AR」で世界はどう変わる?

VR
(写真=PIXTA)

今、世界が注目している「VR」・「AR」とは

コンピュータがつくり出す仮想の空間を現実であるかのように認識できる仮想現実(バーチャル・リアリティ=VR)技術が注目を集めています。

今年、2016年は「VR元年」と呼ばれており、頭部に装着してVR空間を体験できる専用端末が次々と登場しつつあります。加えて、スマホゲームの「ポケモンGO」のヒットにより、現実世界で感知できる画像や映像、音声等の情報に、コンピュータがつくり出す情報を加える拡張現実(オーグメンテッド・リアリティ=AR)の認知度も急速に高まっています。世界のVR・AR端末の出荷台数は、2020年にかけて急拡大すると予測されています。

なぜ今、VR・ARが盛り上がっているのか

VRやARが急速に盛り上がっている背景にはさまざまな技術の発展やコスト低下などがあります。

特にスマートフォンが高機能化し大量生産されたことによって、コンピュータグラフィックを描画する画像処理半導体(GPU)や、さまざまな動きを感知するセンサの技術が向上したほか、センサ、高解像度の液晶パネル等の電子部品価格も低下しました。高精細な画像を表示させる有機ELディスプレイも開発が進んでいます。加えて、360度カメラやドローン等の登場によって、現実世界の再現に必要なデータを以前よりも簡単に収集できるようになったことも追い風となりました。

教育・医療・建設… 仕事や生活に“革命”が起こる?

360度方向から映像を視聴でき、臨場感や没入感を体験できるVR端末は、ゲーム以外にもさまざまな場面に活躍の場を広げつつあります。

例えば教育では、生徒が教室にいながら世界遺産を訪問する疑似体験が可能となりますし、医療では人体のVR映像のなかで手術のシミュレーションを行うこともできるでしょう。建設や土木現場の様子を現場に出向くことなくVR映像で確認することもあるかもしれません。

AR端末では、自動車のフロントガラスに制限速度や目的地までの順路を映したり、調理中のユーザーがかける眼鏡の視界にレシピを表示させたりといった用途も考えられます。

VR・AR端末はスマホに続く新たな主役となりえるか

現状、情報端末の世界では、スマートフォンに続く主役が不在の状況です。これまでスマートフォン市場が活性化した背景には、魅力的な端末に加えて利便性の高いアプリの登場がありました。これと同様に、VR・AR端末の本格普及においても「魅力的な端末」と「ユーザーの利用できるコンテンツの充実」がカギとなるでしょう。

VR元年の今年から急拡大するとみられる端末に加えて、その先を占ううえではより魅力的なアプリやコンテンツをどう提供していくかが重要になると考えられます。

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