マーケットを知る – お金のキャンパス 金融や経済のことをもっとわかりやすく Thu, 22 Apr 2021 07:20:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.8 米国を代表する株価指数、NYダウとは? archives/7444 Thu, 12 Nov 2020 01:00:15 +0000 ?p=7444
(写真=PIXTA)

NYダウとは?

 NYダウとは米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出を行っている指数であり、正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)」といいます。工業株価平均という名称ではあるものの、工業に限らず、運輸および公益事業以外のすべての業種が組み入れ対象です。1896年5月26日に算出が12銘柄で開始されたNYダウは、約120年の歴史があることに加えて、知名度の高い米国の株価指数であり、アップルやマクドナルド、ウォルト・ディズニーといった米国を代表する大型の優良企業30社で構成されています。採用銘柄は主として、評判が高く、持続的な成長を達成していることに加え、多くの投資家が高い関心を示す銘柄に限られます。

 また、NYダウは構成銘柄の見直しが必要に応じて行われます。2020年8月に見直しが実施された際には、クラウド大手のセールスフォース・ドットコムとバイオ医薬大手のアムジェン、航空機エンジン・自動車部品大手のハネウェル・インターナショナルが採用されました。一方、石油メジャーのエクソン・モービル、製薬大手のファイザー、航空・防衛大手のレイセオン・テクノロジーズが除外されました。なお、1928年から構成銘柄だったエクソン・モービルが除外されたことで、1932年に組み入れられたプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が最古の銘柄となりました。

NYダウの投資戦略とは?

 NYダウ構成銘柄から投資する企業を選ぶ際、配当支払月に注目した投資戦略や「ダウの犬」投資戦略を参考にできます
配当支払月に注目した投資戦略は、「米国では四半期に一度配当を支払う企業が多い」という特徴を利用しています。例えば、配当を支払うタイミングの異なる複数のNYダウ構成銘柄を3銘柄以上組み合わせることで、毎月の配当受け取りをねらったポートフォリオの作成が可能となります

 一方、「ダウの犬(Dogs of the Dow)」投資戦略とは、NY ダウ構成銘柄のうち、配当利回りが高い10銘柄に投資し、年に一度ポートフォリオを見直す戦略です。
 「Dogs(犬)」には「負け犬」という意味もあり、配当利回りの高い銘柄には、それまでの株価パフォーマンスが低調な銘柄が多いことが同戦略の名前の由来となっています。ただ、「負け犬」といってもNYダウ構成銘柄は大型の優良企業であることから、株価が低迷した場合でも、その後遅れを取り戻し、結果として良好なパフォーマンスにつながる可能性もあることから、好配当と値上がり益の両面をねらう戦略といえます。
なお、投資した銘柄がNYダウ構成銘柄から除外された場合でも、この戦略ではすべての銘柄を1年間保有します。また、配当金は配当を出したその銘柄に再投資します。その後、ポートフォリオの見直しを行います。

投資手法としてのETF

 「銘柄がいろいろあってどれを選べばよいかわからない」という場合は、東京証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)、Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信(1679)や、NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信(1546)、上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり(2562)などを活用することで、少額からNYダウに連動する投資が可能になります。

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【第4週】性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦! archives/7007 Mon, 16 Mar 2020 07:00:08 +0000 ?p=7007

今回、みずほ証券ダイレクトコースのネット信用取引が委託手数料0円となったことを機に、性格も投資スタンスも異なるコアラさんとキツネさんが、100万円の委託保証金を元手に、1ヵ月間ネット信用取引に挑戦しています。
それぞれの考え方でネット信用取引を行うと結果がどうなるか?
一緒に見守りながら、お二人の日記をお楽しみください。

第1週の日記はこちら
第2週の日記はこちら
第3週の日記はこちら

第4週(2020年3月9日~3月13日)

株価暴落のさなか、二人とも健闘。

  コアラ キツネ
実現損益 +71,217円 +137,201円
(実現益) (+130,355円) (+141,687円)
(実現損) (-59,138円) (-4,486円)
資産合計
(累計)
1,037,688円 1,015,151円
含み損益 -37,283円 -368,255円

※上記含み損益には、金利のほかにネット信用取引に係る諸費用等も含まれます。

 コアラ日記

今週は少しゆったりとした投資をしたいと思っていたが、相場が荒れて、そういうわけにはいかなかった。結局、前場と後場、それぞれ開始から30分、長くても1時間程度に時間を決めて、かつ、この1ヵ月で慣れ親しんだ5つの銘柄に固定して無理のない売買を行った。アラートメールをセットして待つのではなく、限られた時間の中で建てて清算まで終わらせる“待たない作戦”。株価が激しく動くからこそできる作戦。デイトレードっぽいが、株価の動きをチェックする時間も限定できるし、アラートメールが来たときのドキドキ感も無いので、精神的にかなり楽だったような気がする。いつもの自分の投資スタンスとは全く違うが、激しい相場のときには、このスタイルも有りなのかもしれない。

正直、これだけ経済にどっぷり漬かっている感覚は過去に無かったかもしれない。そういう意味では貴重な経験をさせてもらったと思う。振り返ってみると、この1ヵ月間の利益の大半は、当然のことながら“信用売り”で得たもの。現物取引にはない投資機会があって本当によかった。

 キツネ日記

最後の1週間も気持ちの休まることのない相場展開だった。原油価格の急落、何度も起こる主要株価指数の過去最大級の値下がり、1日の中で前場と後場でまったく異なる動きをする日経平均株価など、インパクトのある出来事が目白押し。もはや日経平均株価が500円以上下落することは普通な感覚に。

今週は週初に大きな実現益を出すことができ、早々に元手の100万円に回復することができた。2週間で元に戻せたなんて素晴らしい!そして、安心したのもつかの間、週後半に建玉の株価が急落して一気に含み損が拡大。恐ろしい相場だ…この含み損をどう処理していくかは来週以降に考える。

最後に、この1カ月間の気づき。
✔ 信用取引は、マーケットの状況にあわせて買い建てと売り建てを選択できる有効な手段だと思う。現物取引だけでは回復できなかっただろう。
✔ 「手数料0円」というのは、金銭的な魅力だけでなく、取引スタイルが変わるきっかけになると思う。気軽に買えるし、怖くなったらさっさと返済すればよい。
✔ 激震のマーケットで毎日取引、人生でなかなか無い経験をした気がする。

お金のキャンパス編集部

コアラさん、キツネさん、お疲れ様でした。かなり動きの激しい環境でのネット信用取引でしたが、お二人とも健闘しましたね。
いつもとは違う投資スタイルを余儀なくされたようですが、それでも性格の違い、投資スタンスの違いがうかがえて、楽しく読ませていただきました。
これからもネット信用取引をご利用いただき、資産形成などに役立てていただけたらと思います。

ネット信用取引のリスク・費用等については、<こちら> をご確認ください。
ネット信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。取引をご検討の際には、ネット信用取引サービスの契約締結前交付書面などをよくお読みいただき、ご不明な点は、お取引開始前にご確認ください。

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性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦! archives/6986 Mon, 09 Mar 2020 13:12:41 +0000 ?p=6986

今回、みずほ証券ダイレクトコースのネット信用取引が委託手数料0円となったことを機に、性格も投資スタンスも異なるコアラさんとキツネさんが、100万円の委託保証金を元手に、1ヵ月間ネット信用取引に挑戦しています。
それぞれの考え方でネット信用取引を行うと結果がどうなるか?
一緒に見守りながら、お二人の日記をお楽しみください。

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第3週(2020年3月2日~3月6日)

もみ合い相場で、攻めるキツネ、攻めないコアラ

  コアラ キツネ
実現損益 +28,313円 +60,807円
(実現益) (+58,860円) (+153,689円)
(実現損) (-30,547円) (-92,882円)
資産合計
(累計)
966,471円 877,950円
含み損益 -38,062円 -87,563円

※上記含み損益には、金利のほかにネット信用取引に係る諸費用等も含まれます。

コアラ日記

日記を始めてからNYダウが急落、日経平均株価もなんと2,600円以上も急落して2万円台になって以降、もみ合い状態が続いている。先週は急落のなか、たまたま週末に時間があったから日中バタバタ回転をした。信用取引は信用売りがあるので、急落中に何をすればよいのかも、相場観の乏しい私でもわかった。

しかし、このデイトレーダー的なやり方は、私本来のスタイルではない。何も仕事でないことで疲れたり、ドキドキしたりする趣味もないので、今週からいつもの「アラートをセットしたら待つ」スタイルに戻した。こんな読めない相場のときには、何もせずに、しばらく様子見を決め込むところだが、ちょっとだけ動いてみた。

株価変動が比較的激しくない、かつ、好きな企業5社の株に絞って取引をした。しかも、アラートのルールをプラス2%、マイナス1%(正確に言うとプラス1万円、マイナス5千円)という超慎重にセットした。
この設定だとアラートメールが頻繁に来るだろうと思っていたが、思いの外動きが少なかったような気がする。マイナス1%ルールを守れなかった玉が残ったが、まあまあの成果が得られたと思う。来週はもっとゆったりと、プラス5%マイナス2%くらいでやろう。

キツネ日記

先週の実現損はゆっくり取り返す。焦らない。このように気持ちを整理して、今週もいざ、マーケットへ。米国市場はジェットコースターのようでしたね…日本市場はそろりそろりと慎重な動き。そしてわたしは、ドキドキしながらも果敢に取引。

いつものように、朝の通勤時にお気に入り銘柄のニュースをチェックして予習する。この予習は裏切られることも多々あるので、信じすぎないことも大事。マーケットニュースは冷静に取引するためにたくさん読んだ。そして、取引は、寄付を避けていったん落ち着きをみせた後と決める。

信用取引は「買い建て」だけでなく「売り建て」ができる分、やれることが増える。読めない相場の中で両方を混ぜながら取引を行った。実現損益は、増えたり減ったりしながらプラスで着地。失敗したなと思う取引もあったけれど、そういうものも混ざるのが常。こんなときに益が出せたので上出来だろう。
来週も落ち着いてやろう。

〇株アプリのマーケットニュース画面
つぎつぎニュースが届く。

お金のキャンパス編集部

読みにくい、投資がし難い相場環境のなか、お二人とも実現益を上げられてよかったですね。今週は“慎重”のコアラさん、“勇気”のキツネさんだったでしょうか?次週は、いつものスタイルで頑張っていただければと思います。

ネット信用取引のリスク・費用等については、<こちら> をご確認ください。
ネット信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。取引をご検討の際には、ネット信用取引サービスの契約締結前交付書面などをよくお読みいただき、ご不明な点は、お取引開始前にご確認ください。

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性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦! archives/6935 Mon, 02 Mar 2020 07:00:08 +0000 ?p=6935

今回、みずほ証券ダイレクトコースのネット信用取引が委託手数料0円となったことを機に、性格も投資スタンスも異なるコアラさんとキツネさんが、100万円の委託保証金を元手に、1ヵ月間ネット信用取引に挑戦しています。
それぞれの考え方でネット信用取引で投資すると、結果がどうなるか?
一緒に見守りながら、お二人の日記をお楽しみください。

第1週の日記はこちら

第2週(2020年2月25日~2月28日)

大幅な下落相場の中を耐え抜く二人

  コアラ キツネ
実現損益 -61,842円 -209,680円
(実現益) (+117,782円) (+63,831円)
(実現損) (-179,624円) (-273,511円)
資産合計 938,158円 817,143円
含み損益 0円 -19,704円

※上記実現損益・含み損益等には、金利のほかにネット信用取引に係る諸費用等も含まれます。

コアラ日記

週の頭から一気に下落相場に。前週にマイナス3%ルールを守れず清算し損なった銘柄を含む5銘柄の合計約5万円弱だった含み損が、一気に10万円超え(涙)。とはいえ、何もしないと損がどんどん膨らみそうだし、こんなときのための切り札“信用売り”があると思い、思い切って一部損切りすることにした。5銘柄のうち、個人的に大好きな企業3社の建玉を残し、残りの2銘柄を損切り。
よりによって、何でこんなときに日記の公開を引き受けたのだろう?などと思いつつも、気を取り直して、残った枠で暫く封印していた信用売りを使って、挽回を図ることにした。
仕事をしながらなので、3回しかできなかったが、3回とも実現益を得られ、損切り分はほぼ回収できた。

今週はこんなものかと思っていたら、最終の金曜日に大幅暴落が続く。このままでは、残した3銘柄も売るに売れない状態になりかねない。しかも信用売りのチャンス継続。ということで、3銘柄を朝一で損切りし(マイナス13万)、限られた時間で信用売りをちょこちょこやって7万円ほど回収。
まあ、この相場を何とか乗り切ったような気がする。差し当たり、含み損もなくなったので、次週から気軽に投資を続けようと思う。

それにしても、“信用売り”ってすごい技だ!

キツネ日記

NYダウの大幅下落を受けてスタートした週初め、場が開く前に建玉の含み損の拡大を覚悟した。そして、気持ちがぶれないよう次のように決める。

 ・10万円以内の含み損で決済することを目指す。(しばらく耐える!)
 ・とはいえ、含み損がマイナス25万円に到達したらあきらめて決済する。

マーケットの衝撃波は初日だけで終わらず、私の投資人生の中でかつてない下落の連打。売り建てに回す資金もわずかなため、含み損が拡大していくのを眺める展開となった。そして、ついに金曜日にボーダーラインを超え、迷うことなく返済。現引きしてもよいと思える1銘柄のみ手元に残した。

大きな損切りをしたときにいつも思うのだが、実現損のショックよりも不確実な損がなくなった安堵感の方が大きい。それだけプレッシャーがかかっているのだろう。でも「もう投資なんてしない!」とは思わないので、残り2週間ゆっくりやっていこうと思う。
返済後は売り建てで少し実現益を出した。

今週のドキドキ画面(ボーダーライン直前の2月28日午前9時)

お金のキャンパス編集部

今週は本当に激動の1週間でしたね。お二人ともこれだけの下げ相場の中、まさに耐え抜いたという感じでしょうか?決め手は損切りの思い切りの良さでしょうか。また、信用売りを上手に活用されているように感じました。厳しい相場環境はしばらく続くかもしれませんが、来週も頑張ってください。

ネット信用取引のリスク・費用等については、<こちら> をご確認ください。
ネット信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。取引をご検討の際には、ネット信用取引サービスの契約締結前交付書面などをよくお読みいただき、ご不明な点は、お取引開始前にご確認ください。

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性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦! archives/6909 Tue, 25 Feb 2020 07:00:31 +0000 ?p=6909

一昨年、信用取引体験日記を投稿した白鳥(コアラ)です。今回は、みずほ証券ダイレクトコースのネット信用取引が委託手数料0円となったことを機に、会社の部下とそれぞれの考え方でネット信用取引で投資すると結果がどうなるか比べてみることにしました。元手は100万円の委託保証金で、まずは1ヵ月間の比較。第1回の今回は2月17日からの1週間の日記を送ります。
今回、一緒に日記を公開してくれるのはキツネさん。
会社では理論派でテキパキと仕事をこなす彼女ですが、さて、ネット信用取引ではどんな結果を出すでしょうか。性格もやり方も異なる、コアラとキツネの信用取引日記をお楽しみください。

 

第1週(2020年2月17日~2月21日)

―― 二人とも相場環境通りのスタート?

  コアラ キツネ
実現損益 0円 +26,823
 (実現益) 0円 (+45,395円)
 (実現損) 0円 (-18,572円)
資産合計 1,000,000円 1,026,823
含み損益 -46,398 -71,425

コアラ日記

一昨年110万円からスタートして、日記公開中に130万円まで増えたけど、その後はトントン。最大の理由はアラートメールの登録が途中で面倒になり、気が付かない間に、予想以上に株価が下がってしまった銘柄がいくつかあったことだと思っている。今回は必ず登録する。

★新コアラルール
①銘柄選択は、日経平均株価等をチェックしたうえでチャート分析から。
②同時に建てる銘柄は、最大5つまで
③ひとつの建玉は50万円程度に固定
④損益がプラス5% 、マイナス3%
⑤アラートメールは、きっちり登録

今週は5つの銘柄を建てた。以前は名前の知らない会社の株を建てることもあったが、今回は株価変動があまり極端でもなさそうな、かつ、ある程度知っている会社の株を多めにした。それでも以前のプラス10%、マイナス5%ルールとは違って、立て続けに2回アラートメールが来た。よりによって、お客さまと打ち合わせ中に。さすがにその場でスマホを見るわけにもいかず、打ち合わせ終了後、「プラス、マイナス、どっちのメール?」などと思いながら恐る恐る確認すると、5つの銘柄のうち、2銘柄がマイナス3%を超えているではないか!ショック。スタートからいきなりつまずいてしまった。しかし、どうするか考えていたら、すれすれのところまで回復。さすが大企業(?)。どの会社も頑張れ~!ということで今週は返済には至らず。

キツネ日記

ネット信用取引を始めるにあたって、新型コロナウイルス感染症の影響が色濃い銘柄と大型株を並べた「お気に入り銘柄20(株アプリ)」を準備した。今週の日経平均株価は、若干の上昇からスタートすると予想していたものの裏切られる展開に。しかも、いや~な動き方をする。こういうときは取引をしばらく見送るのだけれど、ネット信用取引スタートの週に何もしないというのもつまらない。

そこで、今週は超少額の利益で手を打ち、不安というリスクを回避する作戦で行くことにした。手数料が0円なので、株価の変動分がほぼそのまま利益になる。20円~30円動けばよしとし、これを繰り返そう。

信用取引では同じ銘柄を1日に何回も売買できるので、2、3銘柄に絞って取引した。その結果、途中で落とし穴に落ちたものの、思いのほか順調に利益が積み上がっていった。ところが、週の後半に含み損が一気に急増…。
来週盛り返せるだろうか。

〇お気に入り銘柄20

 

お金のキャンパス編集部

いよいよスタートしましたね。始まったばかりですが、すでにお二人の投資のやり方の違いが表れているように思います。厳しい相場環境のなかでどのように展開していくのか楽しみです。
来週も頑張ってください。


ネット信用取引のリスク・費用等については、<こちら> をご確認ください。
ネット信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。取引をご検討の際には、ネット信用取引サービスの契約締結前交付書面などをよくお読みいただき、ご不明な点は、お取引開始前にご確認ください。

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「自由奔放」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話 archives/6887 Wed, 19 Feb 2020 01:00:19 +0000 ?p=6887

「自由奔放」

月曜早朝に兜町の証券会館での「朝活」というのを開催しています。
通常のIRセミナーなどでもそうですが、最近思うのは「参加者が若くなってきた」ということ。
以前は老練で経験豊富な投資家さんが多かったのですが、最近はこの風景が変わってきました。
東京だけではなく、この数ヵ月で札幌、名古屋、富山などでもこの若返り現象が見られました。
300人くらいの参加者のセミナーで何回か聞いてみたのは「今年儲かった人?」。
必ず数名が挙手されます。
きっと遠慮して挙手されない方もおられるでしょうから、実数はもっと多いのかも知れません。
最近投資を初めたという女性投資家さんがおっしゃったことが記憶に残っています。
MX テレビの東京マーケットワイドで政府の資料とか紹介していただいているのをジックリ読んでいます。
そして、自分で銘柄を探して買ってみると、結構いい値動きをしてくれます」。
自分で考える投資家さんが増えてきたということなのでしょう。
別のある女性投資家さんに質問されたのは「どうもわからないんです」。
「先日、他のセミナーで聞いたんですが、設備投資はこれから拡大しないっていうんです。
でも、どうもそんな気がしなくて・・・」。
見方はいろいろあるのでしょうが、個人的にはIT投資の拡大に期待したいところ。
そして、「PERの高い銘柄しか人気化しないから低PERはダメですと言われました。
これも疑問なんですけど・・・」。
つまり、今人気化している銘柄だけを追いかけて、放置されている銘柄は追うなという内容だったのでしょう。
でも、半年とか1年の時間軸で考えれば、半年前に何の人気もなかった銘柄が2倍、3倍になっているケースは多いもの。
「設備投資は期待できない。銘柄は今が旬の銘柄を選びなさい」。
きっと、そんな講演だったのでしょう。
「割安株は買ってはいけない」というのは、一面「割安株は割安株ではない」に通じるもの。
間違ってはいないのかも知れませんが、投資は個人の自由というのが大前提。
そして、その自由さというのが市場にあふれてくれば、市場はきっと元気を取り戻すのでしょう。

「まさに個人投資家の相場。老後2,000万円不足問題から個人の反攻が始まった」という声も聞こえます。
2,000万円」問題が提起したことは結構大きいようです。
社会人向けに金融経済教育セミナーは大盛況。
とある証券会社ではiDeCo(イデコ)やNISAの申込件数は、報告書発表後に約2倍に増加との報道も。
「これまで、政府や金融業界がいくら貯蓄から資産形成へとキャンペーンを行っても投資や運用への理解はなかなか深まらなかった」という指摘もありました。
2,000万円をめぐる話題は、国民の関心を資産形成へと向かわせるきっかけとなったことは金融業界にとって追い風となった」。
過去何十年もバラ色の夢を語ってきた市場関係者にとっては、180度違った姿勢での投資家の増加。
将来への不安が、株式市場を再認識させてくれたという格好となりました。
「個人どこへ?閑散相場」という指摘もありました。
4-6月の個人の株式売買代金は49.8兆円。
前年同期比23%の減少。
20121012月の31.2兆円を下回ってきました。
背景には、ここ数年の大型IPOの不振との見方もあります。
しかし、NISAなどで「ほったらかし投資家」の増加という指摘。
銘柄の「縦追い」でも「横追い」でもなく、ほったらかし。
実は、これはアレコレ毎日考えるよりも一番いい投資法かも知れません。
「売りたい時まで放っておく」。
そして、「売りたい時が売り場。買いたい時が買い場」。
こういう自由奔放な投資戦略は、あれこれ迷ったり右往左往したりするよりも賢明に見えてきます。
「自説、感情、願望より現実が優先するのが相場。
相場の仕事は上がる、下がる、もみ合うという3つだけ。
大切なのは相場に対するリスペクト」。
深みのある言葉です。

「歴史」

金利というものが市場でネタになっています。
その金利。
カトリックでは禁じられていたという歴史があるというから面白いものです。
しかし、貨幣経済が広く浸透した13世紀頃から、実態としては金利が一般的に存在していたようです。
16世紀には宗教改革の指導者の一人であるジャン・カルヴァンが5%の利子を認めました。
イギリスでは1545年にヘンリー8世が10%以内の利子取得を認める法令を発布しました。
余談ですが・・・。
日本で初めて出来た貨幣「和同開珎」。
西暦708年からあったといいますから、その頃から金利も存在していたと考えられます。
鎌倉時代などを経て、江戸幕府の最初の頃は年率20%が上限金利でした。
元文元年(1736年)には15%に引き下げ。
天保13年(1842)の法令では法定利率が年率12%に引き下げられたといいます。
でも江戸時代はまた低い金利だったようにも思えます。
現在も適用されている利息制限法は明治10年(1877年)施行。
その頃の金利は最高日歩50銭、年率で換算すると182.5%というものでした。
1954年に利息制限法の改正と出資法が施行
これ以降も何度か上限金利の引き下げが行われ現在の上限金利20%に落ち着いたというのが歴史。
因みに、出資法改正による上限金利の変遷。

上限金利 
1954 109.5%
1983 73%
1986 54.75%
1991 40%
2000 29.2%
2010  20%

金利の上限というのは法律で制限されているというのが現実です。
しかし、面白いことに金利の下限は法律で制限されていません。
だからマイナス金利が登場するのは法的には異常ではありません。
でも・・・。
法の世界では、金利のマイナスは影響を与えないと考えているのでしょうか。
因みに、高度経済成長時代の過去最高の普通預金の金利は1974年の3.0%
今の普通預金の金利は0.001%程度ですから、3000倍も違うということ。
定期預金で考えてみても、おおよそ500倍くらいは違います。
昔の金貸したちが得ていたのはプラスの金利。
しかし、法外な高さは禁じられていました。
ある意味で事実上略奪されてしまった金利も、実は「得ていた筈の財産」とすればすごい料率になるでしょう。
この議論は当然法的にされてはいません。
しかし、上も下も限界はあるというのが市場であることに間違いありません。

ところで・・・。
意外なところで世界史とか地理とかいうものが、市場観測では結構役立つことがあります。
例えば、アメリカとメキシコの問題。
今の境界線に壁を作るということが話題になりますが、もともとテキサスやカリフォリニアなど米中西部はメキシコだったのが歴史。
それを踏まえると移民が多いという現実も意外と納得できてしまいます。
歴史的には自分たちの国を移動するという行為と考えられなくもありません。
これが底流にもあるということに気が付かないと、事の本質には迫れないような気がします。
あるいは、中国という国。
ココは領土が広い代わりに接する国も多いです。
南を攻めれば北から攻められるという形は変えようがありません。
だから周囲を制圧するのは難しく、朝貢なんてことも行っていました。
しかし、貢物の何倍ものお返しをするのだから財政的には持ちませんでした。
あるいは、海洋戦略でインドシナなどへ出ようとしても、もともとは大陸国家。
なかなか勝てるものではなかったのでしょう。
この地理的位置というか、地政学というものは過去からも未来も変えようがないもの。
これらを踏まえて米中貿易摩擦問題なども考える必要があるでしょう。
国家戦略と地政学、あるいは大地の形状というのは、意外と凝視しておかなければならないものです。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、20087月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

 

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「抽選優待」で株主優待のプラスアルファの楽しみ archives/6778 Fri, 04 Oct 2019 01:01:51 +0000 ?p=6778
(写真=PIXTA)

海外旅行や工場見学会などが抽選で当たる株主優待

個人投資家にとって株式投資の魅力には、値上がり益や配当金が期待できることに加え、株主優待を得られることがあります。株主優待といえば、鉄道や小売り、食品、外食、レジャー・娯楽といった企業が自社商品・サービスを提供するほか、近年では商品・サービス提供で一般消費者との接点が薄い企業がQUOカード(全国共通のプリペイドカード)などの金券類を贈呈する優待を行うといった動きが増えているようですが、なかには「抽選でもらえる」株主優待を実施している企業もあり、株主優待のプラスアルファの楽しみとして注目されます。
抽選優待は、一般的な株主優待と違って、抽選に当たらなければもらえません。しかしながら、株主優待の中身は海外旅行、コンサートやスポーツイベントへの招待、普段入ることのできない工場の見学会など、贈呈品が高額であったり、受け取る人によっては自分の趣味に合った魅力的な内容となっています。
現在、実施されている抽選優待の具体例としては、繊維商社のタキヒヨー(9982)や独立系システムインテグレーターのシステム情報(3677)などが抽選で高額な旅行券が当たる株主優待を行っています。また、自社の工場見学会では、日本製鉄(5401)やJFE HD(5411)が製鉄所に、ホンダ(7267)が自動車工場に抽選で招待する株主優待を実施。リコー(7752)はカメラセミナーなど、大手芸能プロダクションのアミューズ(4301)は自社主催のコンサートやイベントなどに株主を抽選で招待しています。

安定株主の確保策として株主優待の導入が進む

株主優待を実施する企業の増加は続いており、この制度を導入している上場企業数は2019年9月時点で全体の4割程度の約1,500社と過去最高水準にあるもようです。こうした背景には、株式持ち合いの解消によって安定株主が減少するなか、企業が長期間安定的に株式を保有してもらえる個人株主づくりを積極化させていることが挙げられます。アクティビスト(物言う株主)の動きを警戒する企業が安定株主の確保策として株主優待を導入する動きは今後も続きそうです。
一方、株主優待が当たり前の制度となりつつあるなかで、個人投資家への魅力を高めようと、既存の株主優待を拡充したり特色ある内容の株主優待を実施したりする企業の取り組みも一段と進展してくるとみられます。最近の傾向として、長期保有株主への優遇や創業から何年目といった節目の年に記念優待を実施する動きも増えていますが、株主優待にプレミアム感を持たせる抽選優待の採用が広がることが期待されます。会社主催のイベントや工場見学会などに参加した個人投資家は、その企業の良さを再認識し、株式の長期保有につながりやすいとの見方もあるようです。

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「ワーテルローの戦い」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話 archives/6766 Fri, 06 Sep 2019 01:10:54 +0000 ?p=6766

「ワーテルローの戦い」

投資の大原則は「資産を減らさないこと」。
これが絶対の大命題です。
通常、投資というと、増やすことと考えるのが多いですが、これは一般的な思考法。
欧米富裕層の投資方針としては、まず減らさないことを挙げる投資家が多いです。
考えてみれば、大きなリターンを得るには、大きなリスクを取らなくてはならないので、損失が拡大する可能性が大きくなります。
逆に、「減らさない」を前提にすると、意外と良い投資が出来るともいえます。
「リスクは少なくする、リターンは少なくても構わない」。
簡単に言われますが、実はこれは一番難しいこと。
人間の欲には限度がないので、「もっと、さらに」という思考法が支配的になってしまいます。
兜町の格言に「もうはまだなり、まだはもうなり」というものがあります。
「もう下値に届いたと考えても、まだまだ下値の可能性はあるし、まだ上昇は続くだろうと考えても、さらに上昇は続く可能性はある」ということ。
別の格言では「商いは3日待て」というのもありますし、「相場は明日もある」というのもあります。
1815年という大昔のこと。
ロスチャイルドは、ワーテルローの戦いでナポレオンが敗れたのを確認して、「ナポレオンが勝って英国軍は負けた」とデマを流し、公債を大量に購入して資産を増やしたという歴史があります。※諸説あります。
市場はそれこそ生き馬の目を抜く世界。
起きた事柄や業者の話に一喜一憂すると、それこそ餌食になってしまう世界。
だからこそ、じっくりと考えることが必要。そして、踊らないこと。
熱狂の最中では、物事が良く見えなくなることもまた現実です。
「この株は永遠に上がり続けるに違いない」と感じたら、それは天井が近いという警戒感。
腹八分目を心がけ、常にキャッシュを確保するというような神経質で臆病な姿勢は、必要になると思われます。
兜町で名をなした人、ウォールストリートで有名なファンドマネジャーで勝ち続けた人はゼロではありませんが、稀有であるということも覚えておきたいところです。
少しシニカルな見方かも知れませんが・・・。

「現場」

先日「量子力学」について、ある化学企業に取材しました。
私は私立文系なので物理や化学なんて門外漢。
それでも多少は理解できるように説明していただいたので、何とか理解の門前までは行けたような気がします。
その時の一言。
「量子力学の未来?
簡単に言うと、渡り鳥とか竹みたいなことが可能になるっていうことかな。
渡り鳥は、微妙な地磁気を感じて、地球上を瞬間に俯瞰して正確に目的地に向かう習性があります。
竹は二酸化炭素を酸素に変えて、一晩で5センチ以上も成長します。
今の技術では、これらのことを瞬時には判断することは不可能だが、これが可能になるということです。
最適化という判断のスピードが格段に速くなるということ。
未来に何が実際に起こるか、何ができるかの予測は難しいですが、自然の不思議さに近づけることは間違いないでしょう。
最初は、金融の世界で活躍すると思います。
瞬時の判断が出来るということは、今のAIトレードどころではなく最強のトレーディングシステムになるはずです。
これに人間が勝てる可能性は低いでしょう。
あるいは、暗号系の解読も今に比べると、格段に可能になるに違いありません。
金融機関のシステムなども容易に破られてしまいそうです。
例えば、3Dプリンターシステムは、夢から実現まで10年かかりました。
理想と現実の時間軸は、こんなものです。
日本のサイエンティストは優秀で、世界に伍していけるレベルです。
ただ、ココは夢の世界。
これを現実の世界に変換するのはエンジニア。
職人がどれだけ頑張れるかという問題にすれば、日本だって負けない筈です。」
企業の現場で、こんな意見がもらえるとは考えてもみませんでした。
あるいは、日本のモノ作りに関してのある官僚氏のコメント。
「日本のITは、そろそろ方向転換することが必要かも知れません。
先進的なことだけではなく、日本の企業風土の良さを加味することが重要だと思います。
100年続いている企業とか、300年続いている企業、400年続いている企業も日本にはあります。
それらの企業は、創業のときの事業を綿々と続けている訳ではありません。
時代や技術の変化に伴って、企業のメインテーマを変えつつ長寿企業となっているのです。
ITの時代になっても、企業を運営しているのはヒト。
これだけは変わりません。
そして・・・。
国家の政策を作るときに必要なのは、もちろんデータです。
でも、データや統計は必ず遅行性があります。
緊急性のある事案の場合に、データを待っていては間に合わないことは多々あります。
そういうときに重視するのは感性。
言い換えれば勘。
そして、現場に出向いて工場とか営業所の声を聞くことなんです。」
国家の政策というだいそれたものではないですが、株式市場でもデータを重視します。
しかし、当然のようにデータは遅行性のあるもの。
日々動く相場のスピードにはついていけません。
その時に重要なのは、やはり「現場感覚」。
市場と企業の現場の声というか、囁きを感じること。
立場は違っても優先順位は同じように思えます。

因みに、10年前に経済産業省がわずか500億円とはいいながら戦略10課題への技術革新への予算を付けていました。
それは
  ↓
・自動車エンジンの燃費改善
・省エネ型半導体
・炭素繊維など軽くて強い材料
・水素の効率的利用
・海底熱水鉱床などの探査
・事故回避や渋滞解消の技術
・点検・補修ロボットや長寿命への新材料
・自然災害の観測・予測技術
・IT活用での農産物収穫量増大
・3Dプリンター技術

10年経ってみると、多くの事業が進み、社会は進化してきました。
もちろん、出来たことも出来なかったこともあります。
でも、これが政策であり国策であるということ。
もちろん、株の世界でも関連セクターや銘柄の株価が変動しましたが、それよりも大きいのは「生活の便利さが格段に良くなった」ということ。
刹那的に株価を云々することも大切ですが、それよりも、いかに「生活に役立ったか」。
あるいは「未来の生活に役立つのか」ということが重要でしょう。
そして・・・。
これこそが株式市場とふれあうことの醍醐味でもあります。
「投資はあくまでも相場と自分との対話。
人に教わるものではなく、自分で身につけるものです。そうでないと、投資の面白さも分かりません。」
老練な市場関係者の含蓄のある言葉です。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

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「時間軸」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話 archives/6760 Tue, 03 Sep 2019 01:00:04 +0000 ?p=6760

「時間軸」

司馬遼太郎氏の名作「坂の上の雲」を読んでいて、ふと考えたこと。
「日露戦争当時、世界最強だったバルチック艦隊が負けたのは、なぜだろうか」。
それは、官僚主義と「見えない敵への理由のない恐怖心」。
欧州の北海にいるはずもない日本艦隊におびえ、イギリスの漁船に向かって砲撃をしたというのが歴史でした。
戦艦の乗組員の、「夜が怖い」という言葉が端的に恐怖心の表れでしょう。
合理的に考えれば、ある筈のない脅威におびえての自滅。
どこか東京株式市場に似ているように思うのは、気のせいでしょうか。
でも、方向を変えてよく考えてみると・・・。
多くの投資家さんにとって「株が明日上がる」ということは重要なことなのでしょうか。
昭和の時代の証券マンなら、今日、お客さんに勧めて買っていただいた株を明日利食って、別の株を買っていただく、という一連の動きは当時では重要なこと。
今では考えられないことですが、日計り商いが出来る営業マンは優秀な営業マンという評価でした。
だから、鵜の目鷹の目で「明日上がる株」を見つけることが至上命題。
高値にある株が「今日動いたから明日も動くだろう」という楽観論で、しばしばターゲットになりました。
でも、高値にあるのですから糸の伸び切った凧のようなもの。
得てして翌日は反落、なんていうリズムに見舞われたものです。
しかし・・・。
例えば、現在ではポイント投資などで、本来的に長期的資産形成を行っている人にとって「明日上がる」はほとんど関係ないでしょう。
年金運用などでも同様です。
「明日上がる」のではなく、売りたいときに上がっていることこそ重要ということ。
この時間軸の違いは大きく感じられます。
だから・・・。
市場解釈も「明日上がる」ではなく、「何年には上がっている」。
あるいは「何月には下がっている」というリズムの予測が大切になってきます。
ところが、旧態依然として今日上がれば喜び、明日下がれば悲しむ姿ばかりが目に付きます。
あるベテランの女子アナさんは「実況をする上では今日株価が上がっていることは重要」とつぶやきました。
そう言われると残念ながら否定のしようはないのですが、でもその先にある明日への観察眼は少ないようです。
「明日下げればそれは明後日への期待」。
そういう思考法はこれから大切になってくると思います。
時間は永遠に続くもの。
その永劫の時間軸で、今日、明日を論じることはかなり虚しいという論調はそのうち登場してくるに違いありません。
加えれば・・・。
過去を振り返る相場人は多いもの。
数日前、1週間前、1ヵ月前、1年前など、時間軸は縦横無尽で過去への比類なき想像力です。
でも、未来の時点を想定して今日を振り返るコメントは滅多に遭遇しません。
1週間先の時点で今日を振り返ったらどうなのでしょうか。
G20大阪サミットとか、米雇用統計とか、日銀短観など市場が話題にして様子見材料としているものは数多くあります。
それらを通過した時点での結論は、すでに「待ったこと」の正否が証明されている未来の時点。
その一歩先の視点こそ、相場では大切なものだと思います。
スケジュールを語る相場人も多いです、そのスケジュールの意味するところや結果を論じる相場人は少ないもの。
今の時点で過去を振り返るのは容易です。
でも、未来の時点で過去を振り返るクセを付けることこそ重要なこと。
そうすることで、相場のアヤや虚しさ、あるいは謙虚さが見えてくるでしょう。
そして、相場自体が訴えたかった声も聞こえてくるかも知れません。
「注意しましょう」とか「警戒しましょう」なんて意味のない言葉に縛られることも少なくなるでしょう。

「夢追い人」

もう一つ気づいておかなければならないことは、「市場は売りたい人で満ちている」ということ。
株価の動きは、株を持っている人にとってこそ重要。
当然ながら、持っていない人にとっては表面上は何の関係もありません。
値動きそのものが、まったく別の世界の出来事。
しかし、株を持っている人にとっては一大事。
常に高値で売ることを夢見て投資しているのだから、当然です。
日本の個人投資家は、約1,000万人弱と言われています。その他の約1億人にとっては、株の値動きに興味はありません。
この考え方はなかなか腹に落ちないが、現実。
だからこそ「一喜一憂は虚しい」ということもできるでしょう。

相場には2種類の人達がいるといわれます。
一つは「タテ追い人」。
一つの銘柄を、時間軸を長くして追いかける人たち。
この人達にとっては、株価を買い目線で見ているので下落はむしろ歓迎方向です。
もう一方は「横追い人」。
上がりそうな銘柄を、いつも追いかけるヒーロー追いの人たち。
上がっている株を追いかけるから、上がり続けてくれないと儲かりません。
つまり、「売りたい強気の売り目線」の人たち。
どちらかというと前者に幸多く、後者は「労多くして益少なし」みたいな印象。
常にヒーローを追いかけることは間違いなく楽しいことです。
しかも、充実しているかも知れません。
しかし、実利は静かな縦追人に軍配が上がることの方が多いようです。
銘柄は主役でいる時間は短く、脇役でいる時間、あるいは悪役でいる時間は長いもの。
結局、それを我慢できるかどうかという心理的問題が株式投資の損得を結果付けるような気がします。
でも、全員が「夢追い人」であることは間違いありません。

「農耕民族の仕事」

昔、株は「狩猟民族の仕事」と言われました。
銀行は「農耕民族」で証券は「狩猟民族」。
だから証券マンは、いつも何かを追い求めた目をしているとも言われました。
でも、最近の証券マンはほとんど牙を抜かれた狩猟民族。
実際は農耕民族の仕事という気もしてきます。
というか・・・。
農耕民族というのは最近の話ではなくて、もともと農耕民族だったのではないでしょうか。
毎年毎年、同じ時期に同じ話題を提供して、同じような苦楽を味わう世界。
以前は3月になれば決算対策の売り、4月からは年金運用資産の配分なんて話題を何年も繰り返していました。
毎月の雇用統計を待つ姿勢も一緒でしょう。
7月初めにはETFの分配金原資確保のため売りと再投資の話題。
月初は米雇用統計の話題。
4ヵ月に1度は日銀短観や決算の話題が登場します。
アレコレとありますが、どれも暦に従った話題に過ぎません。
話題の登場の仕方は十年一日の如くです。
秋のイスラムヒジュラ暦の株高のアノマリーだって似たようなものでしょう。
年末になれば「来年の干支銘柄」とか「相場予見」なんてものも登場します。
あれこれ考えることよりも、暦を正確に覚えておくことも結構重要なことのようです。
それが最終的には「自分でリズムを感じること」。
あるいは、「自分でハーモニーを愛でること」につながるように思えます。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
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「1992年アメリカ」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話 archives/6753 Fri, 16 Aug 2019 01:00:23 +0000 ?p=6753

「1992年アメリカ」

1992年8月後半。
成田からサンフランシスコへ飛び立ちました。
出張の理由は「アメリカ不動産証券化の視察」。
担当役員の常務さんと現地のブローカーと3人でほとんど全米を回りました。
因みに、ユタ州ソルトレイクシティ → ニューメキシコ州アルバカーキ、サンタフェ → コロラド州デンバー、アリゾナ州フェニックス、ツーソン → オクラホマ州タルサ。
テキサス州ヒューストン、ダラス → テネシー州メンフィス → ニューヨーク → ワシントン州シアトル。
昼は車で移動して物件視察とミーティング、夜は飛行機で移動というめまぐるしさ。
かつて放送されていたアメリカ横断ウルトラクイズ並みの行程でした。
テキサスでは、米CBSで放送されたTVドラマ「ダラス」の主人公であるJRユーイングのような大富豪とミーティング。
その規模の大きさに驚いたことを覚えています。
ようやくニューヨークに着いて味わったのは、都会のネズミと田舎のネズミの気分。
夏の暑さの残っていた中西部と南部。
そこから秋の冷気が漂う東部。
ニューヨークでは、テニスの全米オープンが開催されており、レーバーデイにティファニーがお休みだったことが甦ります。
東京にレポートを送りながら、住宅とショッピングセンターばかり見ていました。
ウォルマートの経営状況がREITの分析には不可欠なこと。
あるいは、Kマートでの従業員のストライキの状況などはREITにとって好ましくないことなど、学ぶ点は多々ありました。
さらに驚いたのは、当時からサンディエゴ近郊のラホーヤなどにはバイオ研究所の案件などがあったこと。
「REITに組み入れた研究所からフランケンシュタインみたいな怪物が出てきたらどうする?」。
真面目にこんな議論をした覚えもあります。
住宅や商業ビル、ホテルなどだけではなく、REITは無限の可能性を秘めた錬金術みたいなものと感じながら帰国しました。

「MBAばかり」

当時の日本の不動産業界といえば、物件仕様書にしても、簡素なもの。
せいぜい新築マンションのパンフレットに地域の状況等が記されている程度でした。
ところが、アメリカの不動産業界はレベルが高く説明をしてくれる人はほとんどがMBAの肩書き。
地域の経済状況から空室状況、テナントの資力など大量のデータを使っての物件説明には驚かされた記憶があります。
立地条件やその地域の将来展望、テナント状況の把握、借入金の状況など不動産を対象にしながらも、REITには株式並みの分析能力が必要なことに気付かされました。
加えれば、投資家が納得できる分析が出来なければ、商品そのものが成立しない仕組み。
当然ながら、優秀なMBAがこぞって商品組成と運用をするのですから、米国でREITが隆盛を迎えたのも当然の成り行きだったのでしょう。
そういえば、ウォール街で出会った米国人の債券トレーダーは、エンパイアステートビルを見上げる自室で「来年はクビかも知れない」と悩んでいました。
一方で、不動産関係のブローカーやデベロッパー、あるいはREITの組成をしているファンドマネジャーは鼻息が荒く、まさに「わが世の春」。
90年代というのは、アメリカのREITの時価総額が爆発的に増加した時代でもありました。
当時は、不良債権の処理に忙殺されていた日本の不動産業界も、いずれはこういうREITという形式が導入されて業界に大変化をもたらすに違いないと確信しました。
当時の日本の不動産業界からしてみれば、それこそコペルニクス的な転回だったことでしょう。
そもそも、不動産業界に就職するMBAなんて想像すら出来なかったと思います。
何でも証券化する貪欲さと新たな世界に挑戦するダイナミックさ。
このエネルギーがREITに集約されていました。
意外だったのは、成田を飛び立つ前に当時15%程度あったREITの分配金利回りが、急速に低下(価格は上昇)し、2ヵ月後には8%程度まで低下してしまったこと。
相対取引や一物一価で価格形成要因が比較的見えにくい日本の不動産と比較すると、なんと明快な価格形成だったことでしょう。
不動産の価格自体が市場でキチンと動くことに驚きを禁じえませんでした。
当時証券界は、ようやくNYの状況に追いついた格好でしたが、不動産の世界では20年以上の差があると感じたものです。
まさに「不動産を紙に変える錬金術が不動産投資信託=REIT」。
大量の不良資産や債権を抱えた日本にとっては、いずれ必要になる仕組みだったのでしょう。

「日曜のゴルフと勉強」

 ある大手証券で事業法人部に在籍された先輩氏の感想。
「事業法人部にいた時に、ある大手商社を担当していました。ある常務氏がその大手商社の専務に会わせろというので、同行しました。その役員氏は、証券マンなのにマーケットのことは全然分からず。特技はゴルフ、『ゴルフの話しか出来ない』、という往年の姿勢の人。
大手商社の専務が証券のその常務氏に、『常務は土日もゴルフですか?』と聞かれたそうです。
そこで常務氏。「専務は土日はどうされていますか?」
専務。「土曜はゴルフに行くこともありますが、日曜日は絶対にゴルフは行きません。
世界中の経済紙を熟読して月曜日の業務に備えないと、商売になりません。ゴルフは2日連続でやると頭脳が鈍ります。常務も土曜日だけにして記憶力や頭脳の回転が鈍らないように注意された方が良いですよ!」。
はるか昔の90年代前半の話ですが、当時は証券界もこの程度の業界レベルだったようです。

「タテとヨコ」

相場には2種類の人達がいると言われます。
一つは「タテ追い人」。
一つの銘柄を時間軸を長くして追いかける人たちのこと。
この人達にとっては、株価を買い目線で見ているので、下落はむしろ歓迎方向となります。
もう一方は「ヨコ追い人」。
上がりそうな銘柄をいつも追いかけるヒーロー追いの人たち。
上がっている株を追いかけるのですから、上がり続けてくれないと儲かりません。
つまり、「売りたい強気の売り目線」の人たち。
どちらかというと前者に「幸多く」、後者は「労多くして益少なし」みたいな印象です。
常にヒーローを追いかけることは間違いなく楽しいこと。
しかも充実しているかも知れませんし、そこには「生きざま」が多く投影されていることでしょう。
しかし、実利という点から見ると個人的経験則では静かなタテ追い人の方に軍配が上がるようです。
銘柄は主役でいる時間は短く、脇役でいる時間あるいは悪役でいる時間は長いもの。
結局、それを我慢できるかどうかという心理的問題が株式投資の損得を結果付けるような気がします。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

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