銘柄選びはプロにすべてお任せ 〜少額から充実した分散投資が可能に
そこで知っておきたいのが「投資信託(ファンド)」。銘柄選びと運用をプロに任せるという投資方法です。
投資信託は、たくさんの投資家から託された資金を1つにまとめて、ファンドマネージャーがさまざまな銘柄に分散投資を行います。その運用で得られた収益を投資家へ還元する仕組みです。投資家に代わって運用のプロが銘柄を選別し、一般の投資家が見逃しがちな知名度の低い企業からも、しっかりと選んでくれることが投資信託の特長であり、投資初心者にとっては大きなメリットのひとつでしょう。
また個別銘柄への投資ではまとまった資金が必要となることも少なくありませんが、多くの投資信託は1万円程度から購入できます。積立方式の投資なら数千円以下でも可能です。しかも、少額でも幅広い銘柄に分散投資の効果が得られ、個別に投資するケースよりもリスクが抑えられます。
さらに投資信託の中には、海外の株式や債券、バイオ・医療のような専門的な領域など、個人ではなかなか情報が取りづらい市場や分野を投資対象としているものも数多くあります。場合によっては、国際分散投資までできることもあります。
手数料やリスクなどの注意点は?
このように初心者には便利な投資信託ですが、もちろん注意点もあります。
まず各種手数料がかかることです。購入するときに「販売手数料」がかかるほか、銘柄選びと運用を任せるため、保有期間にわたって「信託報酬」がかかります。また売却する際に「信託財産留保額」と呼ばれる費用が取られる場合があります。それぞれ投信によって額は異なります。特に販売手数料は、同じ投信でも購入する会社によって異なることがあるので注意が必要です。ネットでは「ノーロード」と呼ばれる、販売手数料が無料の商品を買うこともできます。
また、ほとんどの投資信託は、運用成績が悪いと元本割れする恐れがあります。海外資産を組み入れた投資信託は円高、円安の影響を受ける為替リスクがあります。組み入れている株式や債券の価格が下がると、投資信託の価格も下がるかもしれません(価格変動リスク)。また、購入や売却が思ったタイミングや条件でできないこともありえます(流動性リスク)。このほかにも、それぞれの商品に固有のリスクもあるので、購入するときは注意が必要です。