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インカムゲインとキャピタルゲイン 株式投資のリスクとは

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株式投資の利益はキャピタルゲインとインカムゲイン

 「株で利益を得る」と一口にいっても、その利益にはキャピタルゲインとインカムゲインの2通りがあります。まずはその2つについて簡単にご説明しましょう。

 キャピタルゲインとは、要は値上がり益のことです。

 例えば一株100円の株を100株買ってひと月後に120円で売れたとすると、キャピタルゲインは一株当たり20円×100株で2,000円。元手1万円で1万2,000円得たわけですから、2割の利益ということになります(手数料などは除く)。

 一方の株式のインカムゲインは、企業が配当金を支払う場合に得られる利益です。例えば年間配当金が10円の株を100株持っていたとすると一株当たり10円×100株で1,000円がインカムゲインとなります。預金や債券の利息もインカムゲインに該当します。上場企業の約3社に1社は株主に金券や割引券などを渡す「株主優待制度」を設けていると言われますが、これも広義のインカムゲインの一種といえるでしょう。

 また、キャピタルゲインとインカムゲインでは、得られるタイミングが違います。最初の例では、買ってからひと月でキャピタルゲインが得られたことになりますが、インカムゲインである配当金は年1~2回の「権利確定日」に株を保有していなければもらえません。逆にいえば、その時だけ持っていれば配当金が得られるのです。

 最近、株式のインカムゲインの魅力がクローズアップされています。日本株の相場全体が大きく値上がりしていくイメージが持ちづらい現状では、キャピタルゲイン狙いの投資よりもインカムゲインを狙ったほうが手堅いと思われているのかもしれません。

 現在、東京証券取引所第一部の上場企業の配当利回り、すなわち株価に対する配当の比率は平均で約1.8%です(2016年4月26日現在)。その中から、配当利回りの高い企業を見てみましょう(抽出条件は表の注をご覧ください)。上位には比較的有名な企業が目に付きますが、10位でも配当利回りは3%を超えており、金利がほぼゼロの預金や債券に比べるとはるかに高い利回りになります。 1
 ただし、株式のインカムゲインが高ければ必ず利益が得られるというものでもありません。株式を買った後に大きく値下がりし、配当を上回る損失が出るかもしれないからです。もちろん業績悪化で配当が減るという可能性もあります。当然のことながら、インカムゲインを狙った投資で必ず利益が出るとは限らないのです。


リスクを最小限に抑えて投資を楽しむ

 株式投資をしたことがない方の中には、「投資ってなんだか怖い」と思っている方もいるかもしれません。しかしリスクを抑える方法はあります。

 たとえば、ある一定以上の損失を出さないように損切り価格を決めて損切り注文を出しておくことや、同時にいくつかの銘柄に分散投資をして一つの銘柄が損失を出したとしてもその他の銘柄でその損失をカバーする方法、買う時期を分散させることで一度に高値で投資しないようにする方法などがあります。

 株式投資を始めるメリットは、単に金銭的な利益が得られることだけではありません。投資を通じて国内外の経済や政治情勢に興味を持つようになり、それを実生活にも役立てることができます。

 また旅行や飲食店の割引など、自分のライフスタイルに合った株主優待制度のある企業に投資するのも楽しいでしょう。自分に合った投資スタイルを見つけて、長期間、投資を楽しみたいものです。

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