ここ数年、日本の個人消費支出に占める現金決済は減少しており、お店での支払いやネットショッピングの場でクレジットカード、デビットカード、電子マネーなどによる支払いが増えています。
これら現金以外の決済手段にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。
現金払いが主流でなくなる時代が来る?
レストランで支払いするとき、ネットショッピングするとき、駅の売店でガムを買うとき、家電を買うとき・・・さまざまな決済シーンが日常生活で生じますが、高級レストランでの支払いやネットショッピングではクレジットカード、駅の売店では電子マネー、家電はデビットカードで購入、といったように使い分けている方も多いでしょう。
このような決済シーンを見ていると、これまで決済の主流であった現金決済は、近年減少してきているようです。
日本の個人決済市場において、クレジットカードやデビットカード、電子マネーによる決済は、「電子決済総覧2015-2016」によると2015年の約20%から2020年には約30%に増加すると予測されています。
2020年の東京オリンピックを控え、今後外国人観光客が増加することも考えると、キャッシュレス決済はこの予測以上に広まるかもしれません。
これらのクレジットカード、デビットカード、電子マネーはそれぞれどのような特徴を持つ決済手段なのか、ここでおさらいしておきましょう。
クレジットカードは今口座に十分なお金がなくても利用できる「後払い」方式
まず、クレジットカード、デビットカード、電子マネーのそれぞれの特徴は、実際に決済されるお金の動くタイミングが異なることです。
クレジットカードは、ご存知の方も多いでしょうが、「後払い」方式です。決済は商品を買ったりサービスを利用したときに行われるのですが、実際に銀行口座からお金が引き落とされるタイミングは購入後となります。決済時点で口座にあるお金が決済額に足りなくても、後で引き落とされるのでその時までに必要な額のお金が口座に入っていればよいので便利です。また分割払いやリボ払いなどさまざまな支払方法が用意されていますし、ポイント制度も充実しています。
ただし、「利用した分のお金は後で用意しておけばいいや」という気軽な気持ちで利用し続けていると、あっという間にクレジットカードの請求額が高額になってしまいますので、計画的な利用を心がけることが大切です。
デビットカードはすぐにお金が引き落とされる「即時払い」方式
デビットカードは、日本では利用率が低いのですが、海外ではメジャーな決済手段です。
支払いの際にキャッシュカードを提示し、端末に暗証番号を入力すると、利用代金が口座から即時に引き落とされる「即時払い」の仕組みです。
一般的に、銀行口座があれば作成できますので、クレジットカードを作れない人、利用したくない人でも利用することができます。
クレジットカードと異なり、口座にある金額が利用の上限になりますので、いつの間にか口座にある金額以上のお金を使っていた・・・ということはありません。
デビットカードを利用した場合、即時に利用明細に決済履歴が残るので、利用明細が家計簿として活用できます。家計管理に向いているといえるでしょう。
デビットカードには、日本デビットカード推進協議会によるJデビットとVisaやJCBといった国際ブランドのついたブランドデビットの2種類があります。Jデビットは、百貨店、家電量販店などが主な加盟店になっており、ブランドデビットカードは、VisaやJCBの加盟店であればどこでも利用可能です。