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人手不足対策として導入が進むセルフレジ 

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

人手不足対応、客のレジ待ち時間の短縮化などをねらう

来店客が自ら会計を行うセルフレジの導入が小売業や外食業で進み始めています。セルフレジには、客が自分で商品のバーコードを一つ一つ端末に読み取らせて会計までを済ませるもの、商品の入った買い物かごをレジに置くだけで瞬時に購入額が計算され支払いが行えるもの、さらに店員が商品のバーコードを読み取った後、客が自分で会計機で精算する「セミセルフレジ」と呼ばれるものなど、さまざまな種類があります。

セルフレジの導入が推進される背景には、小売業などで深刻化している人手不足への対応があります。厚生労働省によると、求職者1人当たりにどれだけ求人があるかを示す有効求人倍率は、足元で小売業などを含む「商品販売の職業」が2倍超、外食業などの「接客・給仕の職業」が3.5倍超と高止まり(いずれもパートタイムを含む)。企業側はセルフレジ採用でレジ要員の削減や店員の作業負担軽減をねらっています。

また、レジでの待ち時間の短縮化、プライバシーの保護といった来店客の利便性や満足度の向上を図ることも導入の主な目的といえるでしょう。釣り銭の渡し間違いの解消、訪日客が増加するなかで外国語対応が容易なことなども、セルフレジのメリットとして考えられます。

一方、セルフレジの課題としては、客が慣れるまでに時間がかかることや、商品のバーコードを読み取らずに会計する不正の可能性などが挙げられます。買い物かごに入れた商品を一括精算するには、RFID(無線自動識別)と呼ばれる技術を使い、商品情報を機械で書き込んだり読み取ったりできるICタグを全商品に取り付けることが必要ですが、同タグの価格は現在1枚当たり10~20円程度とされ、100円前後の商品も数多く扱うスーパーやコンビニエンスストアにとってまだ割高という問題もあります。

コンビニ大手は25年までに全商品にICタグを取り付ける目標

セルフレジを採用する動きでは、特にコンビニ各社の今後の取り組みが注目されています。具体的には、今年4月にコンビニ大手5社が、経済産業省と共同で25年までに各社で取り扱う全商品にICタグを取り付ける目標を発表しました。国内の全店舗にセルフレジを導入し、買い物かごに入れた商品の情報を瞬時に読み取る体制を構築します。コンビニ5社は、18年をめどに特定の地域でICタグを使ったセルフレジの実証実験を始める方針です。課題である同タグの価格引き下げについては、経済産業省が製造企業に補助金を交付するなどで、技術開発と量産化を促す考えのもようです。

また、コンビニ業界以外の最近の目立った動きでは、ファストファッション大手が今年8月末までに国内の約半数の店舗にICタグを読み取るセルフレジを設置すると発表。また、セルフレジの採用がまだ少ないといわれる外食業界でも、ファミリーレストラン大手や回転ずし大手などが設置を開始しています。

一方、スーパー各社はセルフレジの導入を比較的早くから行っており、日本スーパーマーケット協会などがまとめた「平成28年スーパーマーケット年次統計調査報告書」(2016年10月公表)によると、客が自分で商品情報の読み取りと会計作業を行うタイプのセルフレジの業界全体の設置率は22.1%、店員が商品情報の読み取りを行った後、客が自分で精算するセミセルフレジの設置率は28.6%となっています。

レジメーカーに加え、ICタグや読み取り装置などを手掛ける企業に恩恵

セルフレジの普及が進めば、レジメーカーに加え、レジで使われる自動釣銭機、商品情報を書き込めるICタグ、バーコードやICタグの読み取り装置などを手掛ける企業が恩恵を受けると期待されます。POS(販売時点情報管理)レジメーカー各社は、スーパーなどに納入する、客がバーコードを読み取るタイプのセルフレジやセミセルフレジへの取り組みを強めています。

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