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資格コンサルタント鈴木秀明氏に聞く! 人生100年時代の、資格から入る学び直し(第1回)

学校などの教育機関で改めて学ぶだけが、「学び直し」の方法ではありません。資格を取得するために、新たな知識を得たり、これまでの知見をさらに深めたりするのも「学び直し」といえます。世の中にはさまざまな資格が溢れていますが、人生100年時代のこれからの自分の人生のために、どのような資格が役に立つのか。これまで約590の資格・検定を取得してきた資格コンサルタントの鈴木秀明氏にお話をうかがいました。

学生時代の広報誌編集が資格ロードの第一歩

――鈴木さんは、ジャンルを問わず、さまざまな資格・検定を取得しているとのこと。最初に、資格の専門家になったきっかけを教えてください。

鈴木さん 東京大学在学中、東大生協の学生委員会というサークル的な組織に所属していて、そこでの活動の一つとして生協の広報誌を編集していました。あるとき、さまざまな資格試験に挑戦してその体験記を書く「資格道」という連載記事を担当することになり、毎月いろいろな資格に挑戦するようになったんです。

そして、大学院修士2年生のときに『シカクロード!!! 資格試験の罠』(カットシステム、2005年9月)という本を出版したことが、資格の専門家として活動する契機となりました。私の場合は、資格を仕事に活かすために取るというより、さまざまな資格を持っていること自体を価値にして仕事につなげているので、そこは一般的な資格の活かし方とは違いますが、いずれにせよ資格から恩恵を受けています。

「きのこ検定」に「ベルサイユのばら検定」? 意外性のある資格で個性をアピール

――鈴木さんが持っている資格は、行政書士や中小企業診断士のような国家資格から、「江戸文化歴史検定」や「京都・観光文化検定」などのご当地系、「チョコレート検定」や「きのこ検定」などの食系、「ベルサイユのばら検定」などアニメや漫画系、「メイクセラピー検定」など、鈴木さんのイメージとは一見かけ離れている意外なものもあり、多種多様で驚きます。取得する資格をどのように選んでいるのでしょうか。

鈴木さん 現在、約590個(2018年9月時点)の資格を取得しています。ご指摘のように、意外性のあるオモシロ資格もありますが、それら「え?」と思えるような資格は、「こう見えて私はこんなのも持っています!」といえるような自分の「ネタ」として取ってきた側面もあります。資格は、自分自身の「キャラ付け」や「意外な一面の演出」に使えるツールにもなりえます。

それに、私は自分がもともと得意としている分野よりむしろ、これまで関わったことがないような未知の分野の方が、勉強していて楽しいと感じます。これまでの自分の人生にまったく接点のない分野について学ぶ方が、むしろ新たな価値観や概念に触れることが刺激になり、その結果、人生を豊かにしてくれると思うのです。

――年間50個以上のペースで資格を取得されているとのことですが、勉強法はどのようなものですか?

鈴木さん 勉強期間は長ければいいというものでもないので、短期集中で取り組むようにしています。早い時期に勉強したことほど試験日までに忘れてしまう可能性が高いですし、勉強に使える時間が限られていた方が切迫度が増して集中できます。いわゆる「締め切り効果」ですね。

勉強時間は、通年で一日平均5時間くらいは何かの勉強をしている感じでしょうか。試験の前日は10時間くらい勉強することもありますが、勉強する時間帯などはその日その日でまちまちですね。

車が当たる、ファンサービスがあるなど、豪華な特典でモチベーションアップ

――数ある検定のなかで、皆さんにぜひ知って欲しい資格があれば教えてください。

鈴木さん 知ってもらいたいというと、いろいろあるので困ってしまいますが、資格や検定のなかには、受験者や合格者に対して限定グッズや豪華賞品などの特典が付与されるものがあります。このようなものは、皆さんにも知ってもらって、ぜひ楽しんでほしいですね。

例えば「チョコレート検定」は、成績上位者にチョコレート1年分を進呈、「日本ビール検定」(びあけん)では、100点満点の人にビール1年分を進呈するなど。また、車の知識を試す「くるまマイスター検定」(くる検)では、公式ホームページのクイズに答えたり、検定に申し込むと抽選で車が当たるんです。私も特典がある検定はモチベーションがあがります。

ほかにも、「野球知識検定」は、試験当日の検定官がプロ野球OBで、往年の名選手に会えるんです。検定終了後はトークショーなどのイベントがあり、成績優秀者はプロ野球OBとの食事会やサイン入りボールがもらえたりします。アニメや漫画系でもそういったファンサービス的な特典を用意している検定や、「ファンNo.1決定戦」的な企画を設けている検定があります。我こそはと思う人は、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか?

「資格取得」というと、つらい勉強をイメージしがちですが、意外にも鈴木さんからは検定を受けてみたいと思えるようなユニークなお話を聞くことができました。次回は、実際に資格を取ることで、具体的にどのようなメリットや効果があるのかなどを聞いていきます。

 

鈴木秀明氏
資格・勉強コンサルタント

1981年富山県生まれ。東京大学理学部卒。東京大学公共政策大学院修了。All About「資格」ガイド。取得資格はFP技能検定1級、証券アナリスト、気象予報士をはじめとして、約590個。ジャンルを問わず幅広い分野の資格・検定を取るのが趣味で、ほぼ毎週何かしらの試験を受けている。著書に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』(ダイヤモンド社)などがある。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
吉田明乎

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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