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「リーマンショック10年通過」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話

「リーマンショック10年通過」

あらためて2008年9月12日と2018年9月13日を比較してみると・・・。

日経平均株価     12,214円 → 22,821円
ドル円        107.49円 → 111.47円
10年国債利回り    1.505% → 0.110%
名目GDP       516兆円 → 552兆円
経常利益       10.3兆円 → 26.4兆円
消費者物価上昇率   2.3% → 0.8%
日銀のバランスシート 107兆円 → 約551兆円
(総資産・2018年は9月10日時点)

株価はほぼ2倍。日銀のバランスシートは約5倍。企業の経常利益は約2.5倍。
結構増えてきたものです。
絶望の淵にいたことを思うと隔世の感。
でも、名目GDPはほとんど増えていません。
ここが今後の課題であることは間違いありません。

2008年時価総額 上位ランキング
(1)トヨタ(7203)  16.5兆円
(2)三菱UFJFG(8306) 9.3兆円
(3)NTT(9437)   7.8兆円
(4)NTTドコモ(9437)  7.4兆円
(5)任天堂(7974)   6.8兆円
(6)ホンダ(7267)   6.3兆円
(7)キャノン(7751)  5.6兆円
(8)三井住友FG(8316)  5.4兆円
(9)みずほFG(8411)   5.3兆円
(10)パナソニック(6752)   5.1兆円
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2018年の時価総額 上位ランキング
(1)トヨタ(7203)  21.7兆円
(2)ソフトバンク(9984) 11.5兆円
(3)NTTドコモ(9437)  11.0兆円
(4)NTT(9432)  10.2兆円
(5)三菱UFJFG(8306)  9.2兆円
(6)ソニー(6758)   8.0兆円
(7)KDDI(9431)   7.5兆円
(8)キーエンス(6861)  7.1兆円
(9)三井住友FG(8316)  6.0兆円
(10)日本郵政(6178)  5.9兆円

リーマンショックの後にこんなことを考えていた時期もありました。

リーマンショック以降、アメリカの政治の舞台であるワシントンのもたつきに対して、経済の舞台であるウォールストリートは常に株売りでの催促をしてきたのが歴史。
でも、債務上限問題については、「楽観視」という言葉を用いての株買いでの催促のような印象。
売って危機感を煽って、政治に迫るよりは、逆に買って無視する姿勢、あるいは気にしていないというメッセージ。
表裏一体、紙一重と言われるかも知れません。
単なる相場観の違いと片付けられそうなことかも知れませんが、市場の行動としては170度くらい異なってきたのではないでしょうか。
十年一日のごとくの市場観測からは、少し離れてきたような印象を受けます。
相場は日々進化するはずなのに、負け犬チックな古い相場観を持ち出していると、相場の現状分析すら間違ってしまう時期がきたのかも知れません。
小さなざわめきかもしれませんが、大きな変化の予兆ということもできるかも知れません。
経験値に基づいて相場を解釈することは、市場関係者にとってたぶん一番楽なのでしょうが、どうもその経験値の変化がやってきているような気がします。
確かに歴史は繰り返します。
でもその一方で、歴史は常に新たに書き加えられるものなのでしょう。

「アメリカの利上げとTOPIXの関係を復習」

(1)1994年2月~95年2月
94年2月4日以降、1年で7回の利上げ。
FFレートは3% → 6%まで引き上げ。
TOPIXは2月1日の1643ポイント → 2月17日1553ポイントまで約5%下落。
その後、3月13日までの3ヵ月で約10%上昇し「倍返し」となりました。
TOPIXを上回ったセクターは機械・紙パ・繊維・精密・証券・電機・ゴム・海運・輸送用機器・水産・鉄鋼・鉱業・化学・卸売・非鉄・不動産・ガラス・その他製品。

(2)1999年6月~2000年5月
1999年6月30日以降、11ヵ月で6回の利上げ。
FFレートは4.75% → 6.5%まで引き上げ。
TOPIXは利上げ3週間後の7月19日まで上昇後、8月11日まで約6%下落。
その後、半年で24%上昇し「4倍返し」となりました。
TOPIXを上回ったセクターは、情報通信・卸売・サービス・証券・電機・小売・精密。

(3)2004年6月 → 06年6月
2004年6月30日以降、約2年で17回の利上げ。
FFレートは、1.0% → 5.25%まで引き上げ。
TOPIXは、利上げ前直前に約13%下落。
利上げ後は2年間で69%上昇し「5倍返し」となりました。
鉄鋼・不動産・鉱業・非鉄・機械・卸売・銀行・保険・繊維・ガラス・倉庫・証券・
その他金融・石油・海運・建設・輸送用機器・精密。

歴史は繰り返すといいますが、あらためて確認してみると「利上げ=株安」という既成概念は間違っていることもあります。

「直感」

(以下、投資家さんからのメール)
地方の投資家さんからのメール。
「株は直感、という櫻井さんらしい言葉。自分の経験則と勘で売買を繰り返すのが勝利の方程式。
スポーツは、ゴルフでも野球でも、あらゆる競技で必要とされるのは同じ直感。
競馬の有名騎手も、レース中の動きは自分の馬、相手の馬、すべて勘と手綱さばきの動き。
どこでムチを打ち攻撃を開始していくかだ。
ココぞと上昇している速度が来たときは、ホールドして見事にゴール。
売りのタイミングが一番難しいのが株式相場。
上手く逃げ切り、換金するタイミングで進みたいもの」。
結構深かったです。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

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