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原油相場底入れか、増産凍結期待が下支え

gennyu
(写真=PIXTA)

ポイント
 ・ WTI 原油先物相場は3ヵ月半ぶりに1バレル=40ドル台を回復
 ・ 主要産油国の増産凍結合意による需給改善期待が下支え
 ・ 米国のリグ稼働数急減でシェールオイルの生産量も減少傾向に

主要産油国の増産凍結合意による需給改善期待が好材料に

 国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は、3月17日に1バレル=40ドル台を回復しました。40ドル台を回復するのは2015年12月以来、約3ヵ月半ぶりとなります。

 2月11日につけた年初来安値(26.05ドル)からは約5割の上昇となりました。それまで、石油輸出国機構(OPEC)・非OPECを問わず、産油国間で増産合戦が繰り広げられ、世界的に供給過剰の状態に陥っていたことが原油相場を押し下げていました。原油安による財政悪化を理由に、ようやく産油国が増産凍結(減産ではない)に向けて動き始めたことが市場に歓迎されたようです。

 しかし、今後も予断を許さない状況が続くとされます。ロシアとサウジアラビア、ベネズエラ、カタールの4産油国は2016年2月に原油価格の下支えを狙い、他の主な産油国の同調を条件に1月の生産量を維持することで合意していましたが、最終調整に向けてカタールの首都ドーハで4月17日に開催された会合で増産凍結の合意はなされませんでした。

 2016年1月に経済制裁が解除されたばかりのイランは増産意欲が強く後ろ向きの姿勢をみせ、宿敵サウジアラビアがイラン抜きでの実施に強く抵抗しました。

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