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新型コロナショックの政策対応はリーマン・ショック時を上回る

(写真=PIXTA)

世界的な経済対策を背景に、株価は回復基調が続くと予想

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主要国はリーマン・ショック時の計3兆ドル規模の2倍となる計6.1兆ドル規模の経済対策を発表し、積極的な財政支出および大規模な金融緩和政策が行われています。さらに、米国で初めて感染者が確認された1月21日から約2ヵ月の間に各国の政策対応が決定されるなど迅速な対応となりました。みずほ証券商品企画部(以下、当社)では、世界的な経済対策による景気回復期待を背景に株価は回復基調が続くと予想しています。

コロナショックではリーマン・ショック時の2倍規模の財政支出へ

リーマン・ショック時に主要国は計3兆ドル規模の経済対策を打ち出したことから、当時の基礎的財政収支/GDP比率は2008年の▲2.0%から2009年には▲6.7%へと約3.3倍に拡大しました。今回はリーマン・ショック時の2倍となる6.1兆ドル規模の経済対策を打ち出しており、当社では、2020年の基礎的財政収支/GDP比率は▲11.1%と、2019年の▲2.6%から約4.3倍に拡大するものと予想しています。足元で株価はいったん底打ちしており、今後は景気の下支え効果を背景に、株価の持ち直しが続くと予想しています。リーマン・ショック時には、財政支出を拡大した2009年のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(以下、MSCI全世界株指数)の推移をみると、米国が2009年2月に総額7,800億ドルの経済対策を発表し、株価はその翌月に底打ちしました。その後は各種政策の効果発現などを背景に株価の回復が続き、2011年5月には下落前の水準を回復しました。

大規模な金融緩和から中央銀行の資産規模の急拡大が続く公算

一方、金融政策面では日米欧の中央銀行の資産規模とMSCI全世界株指数には一定の連動性がみられ、2015年末~2017年末にかけて日米欧中央銀行の資産規模はドルベースで34%増加し、MSCI全世界株指数は28%上昇しました。日米欧の中央銀行はコロナショックを受けて、債券等の資産買い入れ額を増額する方針を示しており、資産規模の急拡大が続くとみています。積極的な金融緩和が財政政策とともにその効果が発現すれば世界的な株価の戻りを後押しすると期待されます。

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