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100年生きるかも!? お金はどうする? (前編)

(写真=Thinkstock/Getty Images)

100歳まで生きられるって素晴らしい?!
そんなあなたに考えていただきたいのが、将来の生き方について。
健康についてはもちろんのこと、引退後のお金について計画立てていますか?
明るい生活を送るために、どのような準備が必要か見てみましょう。

1987年生まれの30歳は半数が98歳~100歳まで生きる?!

現在、日本には100歳以上の人が6万人以上もいるそうです。すごいなあなんて他人事みたいに思っている場合ではありません。100歳まで生きる可能性は、あなたにもあるのです! 日本でも2016年に発売されて世界的なベストセラーになっている本『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』には、「100年時代の人生戦略」というサブタイトルがついています。この本によれば、世界各国で寿命が伸びていて、このペースで伸び続けると、日本人の場合、2007年生まれの子供は50%が107歳まで、世界でも1987年生まれの30歳は50%が98~100歳まで生きると予想されています。

生きていくには当然お金が必要ですね。長くなった人生をどう生きるかに加えて、お金をどうするかという問題が浮上してきます。現在は、60歳で定年退職し、その後65歳くらいまで働いてから現役を退き、公的年金をもらいながら老後生活を送るのが日本の会社員では一般的です。しかし100歳まで生きるとなると、それこそ若いときから仕事やお金、生き方の戦略を立てておかないと自分らしい人生をまっとうできないかもしれません。

長生きして必要となるお金が増えたとき、誰もが思いつくのは現役時代を伸ばしてなるべく長く働き続けることでしょう。この本にも、将来は70代、80代でも働く人が増えるだろうと書かれています。とはいえAIやロボットが普及していく時代に、高齢でも仕事を続けるには、それなりの能力がなければ難しいでしょう。つまり、高齢期の生き方や働き方のみをこれまでと変えるだけではなく、人生100年時代を見据えて、若い頃からの生き方や働き方も見直して長い人生に備えておく必要があると説かれています。

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)
リンダ・グラットン著/アンドリュー・スコット著/池村 千秋訳

現在の平均寿命でも引退後の生活は赤字?

親世代の生き方、考え方、お金とのつきあい方は、これからの時代には参考にならず、新しい方法を模索していかなければならないわけです。とはいえ、現在の方法や状況を確認することで、そこからヒントを得ることもできそうです。お金とのつきあいにおいて、現在すでに引退後の生活を送っている世帯の家計収支は、どうなっているのでしょうか?

下は、高齢夫婦無職世帯の家計収支(総務省「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)」)です。公的年金がほとんどを占める実収入が月に21万円ちょっと。一方、支出は約27万円。毎月5万5000円ほど不足している状況です。現在の平均寿命は、男性は約80歳、女性は約87歳。月5万5000円の不足は、単純にかけ算すれば1年では66万円、10年では660万円。例えば65歳から85歳までの20年では1320万円の不足が生じることになります。

このデータは平均値ですから、特に支出に関しては、住んでいる地域や暮らし方により、かなり違ってくると思われます。ひたすら節約して年金収入の範囲内で収めようと工夫している家庭もあれば、平均値を大きく上回る支出のために貯蓄を取り崩している家庭もあるかもしれません。最近は、定年までに住宅ローンを返し終わらずに、定年後も返済を続けているケースが増えているといわれています。こういった月々の支出に加えて、医療費や住宅のリフォーム費用等、まとまった金額の支出が必要となった場合はさらに支出が増えることになります。

収入の柱である公的年金は、すでに年金の受給がはじまっている夫婦を対象としたデータですから、支給がかなり先になる若い世代よりは、恵まれた水準といえるかもしれません。それでも、公的年金だけに頼っていては生活費が不足する、自らも貯蓄する等の準備をしなければ、安心して老後の生活を送れないことがデータから読みとれます。少子高齢化により公的年金の受給水準は今後、下がっていくことが予想されていますから、若い世代は、より不足額が大きくなる可能性がありそうです。

このような時代に、将来への不安感をもっている若い世代は多いことでしょう。さて、どうすればいいのでしょうか? せっかくなら寿命が延びたことで手に入れた時間を有意義に使いたいし、節約や我慢ばかりの老後は過ごしたくないですよね。そこで今のうちから長期的な戦略を立てておくことが重要となります。そのことは後半で詳しく紹介しましょう。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
フィナンシャルプランナー 坂本綾子
日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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