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100年生きるかも!? お金はどうする? (後編)

(写真=Thinkstock/Getty Images)

100歳まで生きられるって素晴らしい?!
そんなあなたに考えていただきたいのが、将来の生き方について。(前編はこちら
これから先の100年時代を見据えて、自分の資産を上手に管理しなければなりません。
貯蓄だけに頼らず、長期運用について考えてみませんか?

お金とどうつきあうか、生き方とあわせて長期的な視点で考える

働いてお金を稼ぐにしても、そのお金を使うにしても、生きている限り、お金とのつきあいがなくなることはありません。これからお金とどうつきあっていくか、目の前のやりくりだけではなく、長期的な視点で考える必要があります。なるべく長く働き続けて収入の総額を増やすことは当然として、手に入れたお金を無駄遣いせず、上手に管理することを考えたいもの。例えば、引退後の生活費の準備として、若いときからコツコツと貯めていき、それを少しでも増やす発想を持つことです。

「増やしたくても、あまりに預金の金利が低すぎて‥」。そんな声が聞こえてきそうですね。

お金を増やす方法として、「長期分散投資」があることを、ご存じでしょうか? 長期分散投資とは、値動きの異なる複数の資産にお金を分散して、長期にわたって運用していくことです。お金の預け先は、預金のほかにもさまざまな資産があります。例えば日本の株式や債券。日本のみならず外国の株式や債券等。原則、元本割れすることがない預金とは異なり、株式や債券にはリスク(値動きがぶれること)がつきものですが、過去のデータから、複数の資産に分散して長期で運用することで、リスクを低減させてリターン(値動きによる収益)を安定させる効果があるといわれています。

今回は、長期分散投資の「長期」について考えてみましょう。

長期でお金を運用する=時間を味方につけるメリットとは?

・ メリット1
1回あたりが同じ金額なら、長期になるほどたくさん積み立てられる。

例えば、毎月1万円を積み立てるケースでは、10年なら120万円、20年なら240万円、30年なら360万円なります。ただし、これは元本の金額です。これを年利3%で運用しながら積み立てたら、どうなるでしょうか? 元本がほとんど増えないケースに比べると、最初の頃はそれほど大きな差はありませんが、5年を過ぎたあたりから差が開きはじめ、長期になるほど差は大きくなります。30年後、360万円の元本はなんと約584万円になる計算です。

なぜこのような大きな差が生まれるのでしょうか? ポイントは複利で運用することです。複利とは、運用で得たリターンを元本に足して再投資に回していくこと。増えた分をそのまま受け取る単利では、運用されるのは当初の元本のみですが、複利では、増えた分を元本に組み入れることで、元本そのものがだんだん大きくなり、雪だるま式に増えていきます。

・ メリット2
複利運用にすれば、長期になるほど、利息が増える。

毎月1万円を3%複利で積み立てていくと、30年で元本360万円が1.62倍の584万円に、40年で元本480万円が1.93倍の928万円に増えています。

長生きになって持ち時間が延びたのであれば、その時間を使って、なるべく早い時期から、長期にわたり複利で運用していくことで、お金を増やせるのです。こうして増えたお金は、人生の後半で大きく役立つことでしょう。

長期でお金とつきあっていく際には、お金をより有利に増やすために戦略をもった運用を意識したい。そのポイントとなるのが長期分散投資なのです。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
フィナンシャルプランナー 坂本綾子
日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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