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英国のEU離脱で高値を更新した金相場の今後

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(写真=PIXTA)

 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場の上昇に拍車がかかっています。英国のEU離脱問題を受け、主要先進国の国債利回りが連日で過去最低水準を更新している影響から、金利の付かない金の投資妙味が増しているためです。米追加利上げ期待が後退している一方、ドルの代替資産として金の需要が高まっていることも背景にあります。このような環境下、金は当面、買われやすい状況が続く展開を予想しています。

NY金価格は2年4ヵ月ぶりの高値

 英国民投票で欧州連合(EU)離脱が選択されて以降、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場の上昇に拍車がかかっています。7月6日の終値は1トロイオンス=1,367.10ドルと2014年3月以来、およそ2年4ヵ月ぶりの高値を付けました。 

 英経済や国際金融市場の先行き不透明感が広がっていることから、主要先進国の国債利回りが連日で過去最低水準を更新しました。この影響により、金利の付かない金に対する投資妙味が増しているためです。英国のEU離脱問題の行方や、欧州の銀行を巡る懸念の強まり等からリスク回避の動きが鮮明となっていることも金の選好的な買いにつながっているとみられます。

 なお、英金融情報会社マークイットが発表したデータによると、6月の英建設業購買担当者景況指数(PMI)は前月の51.2から一気に46.0にまで悪化しました。英サービス業PMIも52.3まで低下しており、英国の景気先行き懸念が改めて強まっています。

ドルの代替資産として金の需要

 また、英国の景気先行き懸念により、米連邦準備理事会(FRB)も当面追加利上げに踏み切れなくなるとの見方が強まっており、ドル高期待が後退していることもドル建てで取引される金にとっては好材料です。

 ブルームバーグの予想によると、7月6日現在、7月の利上げ確率は0%、9月と11月は2.0%、最も高い12月でも11.8%となっており、年内に追加利上げが行われる可能性はほぼないというのが市場のコンセンサスとなっています。

ETF経由の投資需要が急拡大

 上場投資信託(ETF)経由の投資需要も旺盛です。金の国際機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の報告によると、2016年の世界金投資需要(ETF、金貨を含む)は1~3月期だけで617.6トンに膨れ上がり、前年同期の約2.2倍となりました。金ETFには金利が付かないが、安全資産としての側面が評価されているようです。

 世界最大のドル建て金ETFであるSPDR(スパイダー)ゴールド・シェアの現物保有高は、7月6日時点で982.44トンと2013年6月以来の高水準となっています。現在の保有残高は2012年のピーク時と比較すると3分の2程度であり、今後も増加余地は高いとみています。

非商業筋のネットロングは過去最高

 非商業筋による買いも急激に増加しています。毎週、米先物取引委員会(CFTC)から発表される建玉報告によると、非商業筋のネットロングは6月28日時点で301,920枚と過去最高を記録しました。ショートポジションの買い戻しよりも、新規でロングポジションを積み上げる動きの方が圧倒的に多い状況です。

 ロングポジションがあまりにも急激に積み上がったことを考えると、今後は利益確定売りに押される展開も考えられますが、当面、逃避資金の流入が続く可能性が高いことから、一時的な売りにとどまることになるでしょう。

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