
この記事は、みずほ証券YouTube公式チャンネルとのコラボ企画です。みずほ証券の鈴木さんが外国為替の基礎知識を解説する「みずほ為替塾」から、ポイントを要約してお届けします。(記事一覧はこちら)
今回のテーマ | 長期的なドル/円の見通し |
これまでの記事で解説してきた外国為替市場の基礎的な知識をふまえて、ここからは、ドル/円の長期的な動きについて、鈴木さんの解説を見ていきましょう。
鈴木さんの解説まとめ
✔︎ ドル/円は、戦後から25年ごとにトレンドを転換してきました。 |
✔︎ 指標は「日米の成長率格差」です。 |
✔︎ 長期的な基本ビューは「ドル高円安方向」と考えています。 |
鈴木さんの解説動画はこちら
「ドル円は25年ごとにトレンド転換してきた」の説明から再生が始まります。
成長率とドル/円の動き
鈴木さんは「日米の成長率格差」と「ドル/円の動向」に相関関係がみえることを解説しています。
下図の棒グラフは「日米の成長率格差」です。日本がアメリカの成長率を上回ると、グラフは下に伸びます。逆にアメリカが日本の成長率を上回ると、グラフは上に伸びます。
線グラフの「ドル/円の推移」と重ねると戦後日本の経済成長が米国を上回る間(①)は円高が進み、90年代から米国の成長率が日本を上回るようになると(②) 、ドル/円も横ばいが続いていることが分かります。
(注)米日の経済成長率格差=米国の実質GDP成長率-日本の実質GDP成長率、年次ベースで2019年まで。2020年は1-3月期の前期比年率データ
出所:世界銀行、米商務省、内閣府、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
経済成長をもたらす3つの要因
鈴木さんは続けて、国の経済成長は3つの要因に大別でき、「技術進歩・労働増加・資本増加」が、その国の経済成長を促進する要因であると説明しています。
①技術進歩 (イノベーション) |
技術革新、規模の経済性、生産効率改善など幅広い分野のイノベーションを指す。イノベーションは、経済成長や労働生産性向上とも深く関わっている。 |
②労働増加 |
一般的に働く人が増えれば、アウトプット(付加価値)も増える。そのため、人口増加等によって労働力が増加することが経済成長につながる。 |
③資本増加 | 資本が投資されれば、その分、設備(資本ストック)の拡大・蓄積や効率化が進むため、経済成長につながる。 |
この3つの要因について、日米に違いはあるのでしょうか?
鈴木さんは、③資本増加は日米ともに豊富だが、①技術進歩(イノベーション)と②労働増加については、米国が日本を上回っている点から、
✔︎ 人口動態やイノベーション力などから、日米の成長力格差は長期的 に拡大を見込む。 |
長期的にはドル高円安方向が基本ビューである、と述べています。
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「経済成長の要因」の説明から再生が始まります。
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