ボーナス増の企業が多い理由は?
100万円に迫ろうかという大手企業のボーナス平均額はさすがといったところですが、ボーナス増となっている企業が多い背景には、政府がデフレ脱却のために賃上げを企業に求めても、企業は将来の負担となるベースアップには慎重になっているためボーナスなどの特別報酬によって従業員に還元しようとしている構図があります。
先行きが不透明のため、お給料のベースアップにはためらい
ボーナスが増加見通しとはいっても、企業全体の収益環境がよくなっているとはいえないようです。
法人企業統計調査によると、むしろ2016年4-6月期の全産業・全規模の経常利益は前年同期比でマイナス10%と3四半期連続で減益となっており、中国の経済失速懸念をはじめ世界経済の減速感が根強くあります。
原油価格が下がったことにより営業費が減ったため経常利益が増えたという企業もあるものの、再度原油価格が上昇する可能性や円高進行による収益の圧迫の可能性があることから先行きは不透明で、民間企業は今後もベースアップには消極的な姿勢が続きそうです。
また、2017年春闘で「2%程度のベア」を要求する方針を示している労働組合も、経常利益の減少や物価の下落を受けて要求のベア水準を達成することは難しいとみられています。