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教えてFPさん!仮想通貨の基本とは?メリットやデメリットはどんなこと?

ここ数年、仮想通貨にはいろんな話題が飛び交っています。ビットコインやイーサリアムを始め、仮想通貨にはさまざまな種類がありますが、どのようなものなのだろうと思う人もいるのではないでしょうか。そこで、仮想通貨の基本のポイントを一緒に学びましょう。

仮想通貨って何?

(写真=PIXTA)

仮想通貨についてお話をする前に、日本のお金のことを思い起こしてみましょう。日本のお金には政府や中央銀行である日本銀行が発行しているという後ろ盾があります。一方で仮想通貨は国の枠を超えて利用できる決済手段ですが、発行元が中央銀行というわけではありません。

仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれる仕組みを活用し、安全性を確保して取引を行うことで、通貨としての機能を実現させています。ブロックチェーンとは、お金の出し入れを記録するデータベースのようなものだとイメージしていただければよいでしょう。ブロックチェーンはその構造上、改ざんが難しく誰がどの仮想通貨を持っているのか、どのような取引を行っているかを把握することができます。

次に通貨について考えてみましょう。通貨の3つの機能とは、「価値尺度」「価値貯蔵手段」「支払決済手段」のことをいいます。それぞれどのようなことを指すのでしょうか。

●価値尺度
価値尺度はジュース1本130円というように、モノの価値(値段)を表現することをいいます。仮想通貨の代表格であるビットコインでは一部の店舗やインターネット上でも決済手段のひとつとしてとらえられていますが、例えば、1BTCは日本でもアメリカでも同じ価値だといえます。

●価値貯蔵手段
価値貯蔵手段は価値を保つことを意味します。例えば、100円玉は100円という価値を保ち続けます。一方で、仮想通貨交換レートが安定せず変動が大きいため、価値貯蔵手段の機能性については議論されるところでしょう。

●支払決済手段
支払決済手段は通貨とモノを交換できることを指します。ビットコインは一部の店舗やインターネット上でのサービスで決済手段のひとつとして使われています。

こうしてみると、仮想通貨の決済機能は限定的で、本来の通貨としての役割が完全に備わっているわけではありません。

仮想通貨にはどれくらいの種類があるの?

(Magic-Stock-Service/Shutterstock.com)

次に、世界には何種類ぐらいの仮想通貨があるのかを考えてみましょう。実は日々新しい仮想通貨が生まれているため、何種類あるのかと確定することはできません。加えて、実際に作られたものの利用されていない仮想通貨もあり、仮想通貨の範囲を固定することは困難のようです。ただし、世界中を見渡すと1,000以上の仮想通貨があるといわれています。

このように、数え切れないほどの種類がある仮想通貨のなかで最大の時価総額を誇るのが「ビットコイン」です。2008年10月に、ナカモトサトシと名乗る人物がインターネット上に論文を投稿し、提唱されたのがビットコインです。ビットコインの最初の取引は2009年1月といわれており、2010年2月には日本円などの通貨とビットコインの両替が可能な最初の取引所が誕生しました。

ビットコインに次いで大きな時価総額なのが「イーサリアム」です。イーサリアムは仮想通貨の取引だけではなく、契約もブロックチェーン上に残せる(例:1年後に1万円分のイーサリアムを渡すなど)いわゆる「スマートコントラクト機能」という賢い機能を持つのが特徴です。

仮想通貨のメリット

それでは、仮想通貨を利用するメリットについて考えてみましょう。仮想通貨のメリットは送金と決済だといえるでしょう。

例えば、海外サイトの買い物の決済に、クレジットカードを利用したとしましょう。このとき、為替手数料はもちろんのこと、カード会社によっては手数料がかかります。仮想通貨を利用すれば、このような手数料を安く抑えられるメリットがあります。また、仮想通貨を送金するときには金融機関を経由する必要がないため、余分な手数料もかかりません。

今後、仮想通貨が利用できる店舗が増加すれば、決済手段として用いられやすくなる可能性もあります。電子マネーのように価値が安定して、送金・決済手段としてさまざまな場所で利用ができるようになれば、使い勝手は格段に向上することでしょう。

仮想通貨のデメリット

それでは仮想通貨のデメリットとはどのような点にあるのでしょうか。仮想通貨のデメリットは値動きの激しさにあります。仮想通貨の日々の値動きが激しいため、実際に取引や決済に利用しようと思っても、はたしてここで交換してもよいのか?と二の足を踏む方もいるかもしれません。

また、仮想通貨は犯罪に利用されるおそれがあります。仮想通貨は匿名性が高い取引ですが、これはメリットでもあり、デメリットともなります。仮想通貨の盗難事件も起きており、必ずしも万全といえるわけではありません。

仮想通貨の利用方法を具体的に教えて?

(写真=PIXTA)

先程、仮想通貨のなかでもビットコインはインターネット上のサービスや店舗での決済も一部でできるようになっているとお話をしました。具体的には、通販サイトや家電量販店、食品販売、レストランなどの一部です。加えて、旅行でもビットコイン決済ができるようになるなど、徐々に利用範囲が増えています。

簡単な使い方をご紹介すると、まず、スマートフォンに仮想通貨のウォレットアプリをインストールします。次に、保有する仮想通貨を仮想通貨取引所から入金します。そして、お店やサービス、送金する相手のQRコードを読み取り送金額を入力、出金することで支払いが完了します。

買い物以外の手段では、純粋な投資により値上がり益を目指したり、資産の一部として仮想通貨を持つという人もいるようです。

仮想通貨と電子マネーの違いとは?

仮想通貨は買い物など、決済に利用できることを説明しました。スマートフォンを利用して決済ができるものには、電子マネーもあります。仮想通貨と電子マネーにはどのような違いがあるのでしょうか。

仮想通貨は外国で決済をするときに両替しなくても良いのがメリットです。一方、電子マネーはあくまで日本円での決済です。電子マネーは決済の手段であり、電子マネー自体は通貨ではありません。

また、仮想通貨は受け取りも支払いもできますが、お店が受け取った電子マネーは決済に使うことができません。仮想通貨は発行元がありませんが、電子マネーは発行元があります。こうした違いから、仮想通貨と電子マネーはまったく異なるものといえます。

さまざまな仮想通貨の見定めが必要

仮想通貨は将来期待される送金、支払手段です。とはいえ、デメリットもあり、必ずしも通貨としての地位を確立しているわけではありません。今後のことは誰もわかりませんが、将来性を考慮して、各種仮想通貨の違いを把握し、どの仮想通貨が期待できそうか、また、送金手段としてどの仮想通貨が地位を確立していくか見定めが必要だといえるでしょう。

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