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22000円キープの日本株、伸びしろはあとどれくらい? 需給の予測には“信用期日明け”に注目!

連騰した後、株価はどうなる? 6月の<中村克彦のテクニカルコラム>
今、気になる相場の話題をみずほ証券の中村克彦さんにわかりやすく解説してもらうこのコラム。
最近の相場は乱高下が激しくて、不安定なイメージがありますが、実は週足でみると3月末から8週連続で上昇してきました。5月末にはさすがに調整して、イタリアの政局混迷をきっかけに一時22000円を割れる局面があったものの、その後持ち直しています。
日本株に上昇のエネルギーはまた戻ってくるのでしょうか? 中村さんに分析してもらいました。

相場もひと休み中…今後は上へ?それとも下へ?

―― 2018年も後半戦突入ですね。株価はここからまだ上を目指すことができるのでしょうか?

日本株は8週続伸後から下げへ転じてきましたね。しかし、過去の連騰後の動きをみると、いったん調整したあと、もう一段高する傾向もみられます。

もし今回も再び上昇した場合、どの程度の上値余地が見込まれるのか。テクニカル面での下値めどもあわせて、今後の見通しを探ってみましょう。

―― よろしくお願いします。

日本株~8週以上の連騰局面は今回で6回目

1989年以降の日経平均株価を振り返ると、8週(約2ヵ月)以上の連騰局面は過去に5回のみ。2010年のケース(③)を除けば、意外にも連騰後にいったん調整したのち、もう一段高しています。

―― 2か月も連騰したらエネルギー切れになってしまう気もしますが、さらに上がることも多いんですね。

仮に今回(⑥)も再び上昇した場合、上値めどとしてどの程度まで期待できるか、過去の連騰局面を詳しく検証してみます。

連騰後の日本株~4勝1敗、平均騰落率は+6.8%

過去のデータを表にしてみました。

「連騰後にどうなるのか」ということについて、過去5回のデータでは12週(約3ヵ月)後の結果は4勝1敗。平均して6.8%上昇しています。

ただし、日経平均株価が20000~22000円超に達していた2回(①と⑤)は、その後の上値余地が+2%~+3%台と小幅にとどまっています。

―― う~ん、今回も23000円台をいったん回復しています。ではその後の伸びしろも限られてしまうかもしれませんね。

それでは過去のデータをもとにして、仮に再び上昇した場合の12週後の上値めどを計算していきましょう。

連騰後の歩み~焦点は4週目前後、24500円までの上値余地も

連騰が終了した週の終値を100として、その後の値動きを過去5回分平均したものをグラフにしてみました。

まず、連騰終了週を起点にすると、4週目に再び一段高となっています。今回のケースに当てはめると、6月中旬に一段高するかがターニングポイントかもしれません。

なお、上値めどとして、連騰終了週の日経平均株価22930円に平均騰落率+6.8%を上乗せした24500円程度が見込まれます。これは2018年1月高値24124円を若干上回ることも視野に入ってきます。

一方、日経平均株価はすでに23000円前後まで回復していることから、過度な上値余地に対して期待は控えておく必要もあるでしょう。

―― 夏と言えば“夏枯れ相場”のアノマリーもありますしね。

75日線と200日線の収束で下値は堅そう、足元は年初来マイナスで過熱感は乏しい

一方でテクニカル面からみると、日経平均株価の下値は堅そうです。

中・長期投資家の損益分岐点とされる75日線や200日線が21800~21900円台で収束するなか、2018年3月安値~5月戻り高値までの上げ幅に対する半値押し水準21810円も重なっています。

同水準では日銀による下支えや海外勢の買い戻し等も想定されます。さらに、足元の日経平均株価は年初来マイナス圏に沈んでおり、相場の過熱感は乏しいといえます。

日柄(日数)面では2018年1月高値(2万4124円)からみると信用買いの期日明け(=手持ちのお金以上の株を買うために証券会社から借りたお金を決済しなければいけない期限が過ぎたこと。期限は通常6ヵ月)が7月以降に到来するので、それ以降は上値での戻り売り圧力も徐々に一巡しそうです。

連騰後に訪れるであろう一段高を見据えれば、足元は下値を拾う局面と思われます。

―― 21000円台ですらもう見たくない!というふうに思っている人も多いかもしれませんね。今月もどうもありがとうございました!

信用期日(しんようきじつ)
信用取引の決済を行わなければならない期限日のこと。信用取引には2種類あり、「制度信用取引」では取引所規則によって返済期限などが決められていて、新規建てした日から6ヵ月以内に決済しなければなりません。一方、「一般信用取引」は証券会社が期日などを自由に設定できます。信用取引をしたものの意図した方向とは逆の値動きをして評価損を抱えている人でも、期日が迫ってくると決済せざるをえません。そのため、例えば信用買いが集中した時点から6ヵ月後の期日が明けると決済のための売りが減り、需給が大幅に改善する可能性があります。

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