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トレンド継続のパターン「三角保ち合い」とは?

【★基礎からわかる「テクニカル分析」入門10-2】

前回は、株価の反転パターン「三尊型天井」「ダブルボトム」について学びました。
しかしながら、相場局面の大半は「三角保ち合い」に代表されるような継続パターンに属します。今回は、この形について理解を深めていきましょう。

三角保ち合いとは

買い手と売り手が拮抗してもみ合い(Trading Range Sideway)になったのち、もみ合いになる前のトレンドが再び継続するチャートの形を「継続パターン」といいます。代表的な形の「三角保ち合い(トライアングル)」を紹介します。

上昇三角形
高値を結ぶ線がほぼ水平で、需要側の買い圧力が強まっている安値切り上げ型の上昇三角形

対称三角形
高値が切り下がり、安値も切り上がって需給が拮抗していく対称三角形

下降三角形
供給側の売り圧力が強まって高値が切り下がり、安値を結ぶ線がほぼ水平の下降三角形

これらの三角形は、長期線(200日線など)近辺で形成されることが特徴です。

三角保ち合いの基本パターン

三角保ち合いには、上下2つずつの転換ポイントが必要となり、最低5つの波で構成されるといわれています。

保ち合い放れのシグナルは、上値抵抗線を終値で上回ってきます。ここが買いのタイミングです。
このとき、三角保ち合いの1つ目の波の下げ幅がポイントとなり、上値抵抗線から上放れる傾向にあります。実際のトレードで、売却する際の上値めどとして活用できます。

上図のように、三角保ち合いの収れんする頂点(=アペックス)の手前でダマシのような反対側へ振れる値動きもあります。ただし、これは保ち合い放れの前兆ともいわれています。このケースでは、上放れのサインとなります。

三角保ち合いが長引くこともあり、5波でなく7波構成以上になることもあります。
上値と上値、下値と下値をキレイな直線でトレンドラインを結べるとも限りません。

実例でみる三角保ち合い

三角形の実例をご紹介しましょう。

まず、株価が200日線近辺で5波構成の三角保ち合いになっていること。
次に、上値抵抗線を終値ベースで上回ったことを確認します。

また今回のケースでは、保ち合い放れを示唆する反対側への「ダマシ」が発生しています。

これで「三角保ち合い上放れ」の完成で、上昇トレンドへ転換となります。ここは買いのタイミングです。

さらに、値幅計算でAの高値からBの安値までの下げ幅50円を、上値抵抗線に足して、目標株価492円を計算しておきます。この水準付近を目安に利益確定の売りをされるのも良いでしょう。

三角保ち合いと出来高の関係

三角保ち合いと出来高の関係も重要です。

一般的な三角保ち合いでは、高値と安値が収れんするたび、出来高は減少傾向となります。

その後、終値が上値抵抗線を上回って、三角保ち合いから上放れの展開となったとき、出来高が急増すれば、その信頼性は高いといえます。

上放れとともに出来高が急増するときというのは、A、C、Eの高値で空売りした人が損失覚悟の買い戻しを強いられている影響も考えられます。したがって、株価だけでなく出来高にも注視しておくべきでしょう。

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