「アノマリー」
香港からのアノマリーはテレビドラマ。
11月は、市場関係者が恐れる「ある人物」が表舞台に登場してきたそうです。
香港のベテラン俳優、鄭少秋(アダム・チェン)氏は出演するテレビドラマが放映されると、きまって株式相場が下がるジンクス。
付いたあだ名は「株安男」。
鄭氏出演の新番組が10月末に始まりました。
10月中旬、中国のテレビ局がドラマの第1話を先行放映。上海株総合指数が1日で5%下落。
「悪い化学変化を起こすかもしれない」と警戒ムード満杯だそうです。
始まりは1992年。
主演の連続ドラマ「大時代」の放映期間中に、ハンセン指数が20%下落。
株安の本当の理由は日本のバブル崩壊の余波。
しかし、60~90年代の香港株式市場を舞台にしたものだったため、株安との関連の印象が強く残ったそうです。
1994年の「笑看風雲」、1997年の「江湖奇侠傅」、2012年の「心戦」。
いずれも放映期間中に株価が2割前後下落。
香港の市場関係者らは、このあまりにも不思議なアノマリーを役名から「丁蟹効果」と呼ぶようになりました。
的中率は今のところ9割以上。
「なんの根拠もないが『実績』はすごい」という解釈だといいます。
ドラマ放映は1月下旬までの予定。
以下、少しアノマリーをまとめてみました。
★月のアノマリー(10月は翌年相場のキーポイント)
3月上昇→5月下落、3月下落→5月上昇(3月と5月は逆相関)。
4月上昇→8月下落、4月下落→8月上昇(4月と8月は逆相関)。
9月下落→10月下落、9月上昇→10月上昇(9月と10月は正相関)。
7月上昇→12月上昇、7月下落→12月下落(7月と12月は正相関)。
10月上昇→翌年月上昇、10月下落→翌年2月下落(10月と翌年2月は正相関)。
★曜日のアノマリー
その年によって曜日ごとの株高・株安があります。
今年は火曜高、水曜安。
一昨年は火曜安、水曜高。
その前年は火曜高、水曜安。
なんだか輪廻転生みたいですね。
2017年
↓
月曜 26勝20敗
火曜 20勝31敗
水曜 31勝20敗
木曜 25勝25敗
金曜 27勝22敗
2016年
↓
月曜 26勝21敗
火曜 28勝23敗
水曜 23勝27敗
木曜 25勝22敗
金曜 26勝24敗
★「月の10日にモノ買うな、月の20日にモノ売るな」
⇒毎月10日前後に高値を付け20日前後に安値をつける傾向があるというもの
★「配当落ちアノマリー」
⇒配当落ちの日に、即日配当落ち分を埋めればその後株高傾向というアノマリー
★「225・JPX採用銘柄入れ替えアノマリー」
⇒採用銘柄が大きく入れ替えられると株価は下落傾向
(2000年に日経平均株価採用銘柄が30銘柄入れ替えになり、指数は3,000円程度下落)
★サンタクロースラリーと掉尾の一振
⇒クリスマスに向けて12月は相場が良い傾向
年末に向けて尾を上げるように急騰する銘柄が登場することがある=掉尾(とうび)の一振
★紅白歌合戦と3月期末株価の関係
⇒紅白歌合戦2部で前年より視聴率がアップすると、大発会に比べ、年度末(3月末)は上昇するアノマリー。
ダウンだと株価も下落傾向
★「摩天楼の呪い」高層ビルが建つと株価が下落する
⇒立派な本社に移ると、その企業の株価は下落(東証は1988年に新しくなりました)
★NHKの大河ドラマで、戦国時代の武将の出世物語をやると視聴率が上がり景気は上向き
★大発会ストップ高銘柄はその年を象徴する
⇒大発会ストップ高の銘柄やそのセクターはその年の主役を象徴する
★満月と新月の周期で相場は転換する
⇒満月高値、新月安値というアノマリー
★NHK「朝ドラ」から銘柄検索
⇒朝ドラの場所のある都道府県の銘柄が上昇するアノマリー
★阪神タイガースの優勝は相場に好影響
⇒阪神タイガースの優勝の年の株は高い。
これは横浜も広島も言えるが「巨人が優勝すると株価は安い」というアノマリーがある
★甲子園で東京代表が優勝すると翌年は株安
★大納会のゲストアノマリーというのもあります
翌年の日経平均株価の騰落率 | |||
2002年 | 長嶋茂雄 | プロ野球・前巨人監督 | 24.5% |
2003年 | 毛利衛 | 宇宙飛行士 | 7.6% |
ASIMO | ホンダの人間型ロボット | ||
2004年 | 野村忠宏 | アテネ五輪柔道男子金メダリスト | 40.2% |
2005年 | 為末大 | ヘルシンキ世界陸上選手権400メートル障害 銅メダリスト | 6.9% |
2006年 | 井口資仁 | 米大リーグ・シカゴホワイトソックス | ▲11.1% |
2007年 | 茂木健一郎 | 脳科学者 | ▲42.1% |
2008年 | 小椋久美子 潮田玲子 |
北京五輪バドミントン女子ダブルス5位 | 19.0% |
鈴木孝幸 | 北京パラリンピック競泳男子50メートル平泳ぎ 金メダリスト | ||
2009年 | 石川遼 | プロゴルファー | ▲3.0% |
2010年 | 川口淳一郎 | 宇宙航空研究開発機構(JAXA)はやぶさプロジェクトマネジャー | ▲17.3% |
2011年 | 佐々木則夫 | サッカー女子日本代表監督 | 22.9% |
安藤梢 | サッカー女子日本代表 | ||
2012年 | 吉田沙保里 | ロンドン五輪女子レスリング金メダリスト | 56.7% |
2013年 | 安倍晋三 | 首相 | 7.1% |
佐藤真海 | ロンドンパラリンピック・走り幅跳び代表 | ||
2014年 | シャーロット・ケイト・フォックス | NHK連続テレビ小説「マッサン」の亀山エリー役 「JPX起業体験プログラム」最優秀チーム代表の中高生 | 9.1% |
2015年 | 佐渡裕 | 指揮者 | 1.57% |
2016年 | 伊調馨 | リオ五輪女子レスリング 金メダリスト | 17.96% |
2017年 | 井山裕太 | 囲碁棋士 史上最年少で名人に |
株が下落すると短い髪の毛をゲンを担いでわざわざ切りに行く人。
カツ丼、厚揚げ、鳥の空揚げで願をかける人。
人さまざまな投資風景です。
櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。
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