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「万博」― 兜町カタリスト櫻井英明のここだけの株話

「万博」

2025年、大阪での万博が決定しました。
そこで昭和の時代の東京五輪と大阪万博までの株価を検証してみると・・・。

日経平均株価の推移 平均値 最高値 最安値
昭和37年(1962年) 1419円44銭 1589円76銭 1216円04銭
昭和38年(1963年) 1440円61銭 1634円37銭 1200円64銭
昭和39年(1964年) 1262円88銭 1369円00銭 1202円69銭
~ 東京五輪終了 ~
昭和40年(1965年) 1203円16銭 1417円83銭 1020円49銭
昭和41年(1966年) 1479円16銭 1588円73銭 1364円34銭
昭和42年(1967年) 1412円10銭 1506円27銭 1250円14銭
昭和43年(1968年) 1544円81銭 1851円49銭 1266円27銭
昭和44年(1969年) 1956円36銭 1358円96銭 1733円64銭
昭和45年(1970年) 2193円21銭 2534円45銭 1929円64銭
~ 大阪万博終了 ~
昭和46年(1971年) 2385円72銭 2740円98銭 1981円74銭

昭和40年の証券不況をくぐりぬけて、東京五輪 → 大阪万博で株価はダブルバーガーだったのが歴史でした。

「冬も春も」

2012年頃まで、東京株式市場は多くの悪材料に疲弊して、もがき苦しむ状態を続けていました。
その姿はまるで「ほろほろと山吹散るか滝の音」(芭蕉)。
あるいは、「ほろほろと株の値散るか売りの音」(詠み人知らず)。
そして、「初しぐれ猿も小蓑をほしげ也」(芭蕉)。
あるいは、「株安く売り手も材料ほしげなり」(詠み人知らず)のような印象。
しかし、「遠山に日の当りたる枯野かな」(高浜虚子)
枯野のような東京株式市場でも遠くに見える場面では日のあたる場所も潜んでいました。

株式投資は冬の陽だまりを見つける作業に似ています。
とはいえ、陽だまりは時の移ろいとともに場所を時々刻々変えます。
その温もりの場所に居続けることは結構難しいもの。
しかも、冬の日陰は結構峻烈な寒さ。
そこから避難することを求め続ける作業に他なりません。
そして、その陽だまりに居て常に主人公でありたいと思うのが投資家心理。
持ち株が大商い上位や値上がり上位になって話題になってほしいという心理。
儲かる損するにかかわらず、とにかく持ち株は輝いていてほしいというもの。
不思議な心理ですが、理解できない訳ではありません。
それにしても・・・。
気温が下がって寒ければ上がる株があり、逆に暑ければ上がる株もあります。
政策を好感して上がる株があり、政策を嫌気して下がる株もあります。
投資家心理ではなく、消費者心理が傾いた方向に株価が動くこともあります。
株式市場は世相の表現と言うことも可能でしょう。

「流行り廃り」

相場、特に材料系銘柄中心の相場は、深い海の底から魚を釣り上げる作業に似ています。
相場という海の中は見えません。
でも、魚は間違いなくいます。
そして、エサによって、あるいは釣り方によって、かかる魚はそれぞれ違うもの。
しかも、釣り上げて海面近くに上がってくるまでどんな魚が釣れたのか解りません。
ハゼ?アジ?アンコウ?タイ?マグロ?
手応えで少しは想像できますが、釣り上げるまでのワクワクドキドキ。
針が外れはしないか、海底に引っかかりはしないかとハラハラドキドキ。
自ら食いついてくる魚が多いですが、勝手に引っかかる魚もいます。
あるいは、まったく相手にされないこともあります。

30年近く前に機関投資家担当のトレーダーをしていた頃。
ある銘柄を数百万株買うというオーダーを結構頻繁に受けていました。
市場にある売り物をさらってもさらっても売り物が尽きません。
「誰が売ってくるんだろう」。
場を通しての探りあいと、せめぎあいを「板」で行うしかありませんでした。
その意味では、やはり深い海の底での魚探しみたいなものだったように思います。

そして、相場は、ある意味オセロのようなもの。
買い方の多くは、買った瞬間に売り方の予備軍と化します。
ある意味、売り方も同様。
売り買い入り乱れ、今日の買い方は明日の売り方の世界。
「場」はそんな所。
深海よりも深い洞察でもなかなか到達しないものです。

昔は仕手系銘柄という言葉がありました。
その特徴。
「仕手株にはよく動く時期がある。
仕手筋は全体相場が上昇局面の時は、あまり動かない。
全体の出来高の少ない、調整局面の時に仕掛けることが多い」。
そして、・・・。
「仕手株は一度動き出すと次々動き出す傾向がある。
利益マネーが一銘柄から数銘柄に及んで拡大。
個人投資家の思惑買いが過去に仕手化した銘柄にまで及ぶ」。
この傾向は否めませんでした。
当時は「材料株を真剣に取り上げるのはどうも・・・」という風潮もありました。
しかし、こう言う人もいました。
「主力株も株、仕手株も株。やられたときに言い訳がきかないのはどちらも一緒」。
「主力株だと理路整然と負けた理由を並べられて仕手株だと理由がない」。
一方で、市場にとっては「動く株は良い株」でもありました。
当時は「市場の質が悪い」なんて言葉がよく聞かれましたが、最近は殆ど聞かれません。
市場の言葉にも流行り廃りがあるようです。

「久々の12月28日大納会」

その昔、大納会は12月28日の前場まで。
時間がタイトな証券マンにとっては、気兼ねなく休める年に1回の6連休(最大9連休の可能性のある)でした。
ところが、完全週休2日にする裏側で大納会は30日の前場に移行。
その後、12月30日の後場が大納会になってしまいました。
久々の28日大納会。そして、6連休。
また、来年(2019年)5月のGWは10連休。
取引所が10日間も開かないというのは、私の記憶のなかでは初のこと。
気になるのは、10連休明けの(2019年)5月7日。
同日の東京マーケットワイドの解説。
10分ちょっとで、10日間の動きと材料を説明することは、ほぼ不可能。
それでもその日はやってきます。

 

櫻井 英明(さくらい えいめい)
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。
幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

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