コンビニで気軽にコーヒーやスイーツが味わえるコンビニカフェ。セブンイレブンでは「セブンカフェ」、ローソンは「MACHI cafe(マチカフェ)」、ファミリーマートは「ファミマカフェ」を展開しています。好調なコンビニコーヒーとの合わせ買いを狙って、各社コンビニドーナツを投入しましたが、苦戦が伝えられています。
コンビニコーヒーの売れ行きは好調
以前は、外出先や通勤途中などにコーヒーを飲みたくなると、チェーン展開しているコーヒーショップやファストフード店などに立ち寄るのが普通でした。しかし今は、コンビニでも買えるようになっています。コンビニコーヒーは、税込100円からという安さと、本格的なマシンで淹れたてのおいしさが味わえること、コンビニに寄ったついでに買えるという手軽さなどから人気となりました。
コンビニコーヒーは、人気の情報誌のヒット商品のランキングで1位を獲得。総務省が行っている家計調査でも影響が見られ、総務省統計局の『家計調査通信479号(平成26年1月15日発行)』では、「平成25年(2013年)3月以降、1世帯当たりのコーヒー飲料の支出が増加しているのはコンビニコーヒーの影響ではないか」と伝えられています。
コンビニドーナツは売れていない?
コンビニドーナツは、好調なコンビニコーヒーに合わせて購入されるのではないかと期待され、セブンイレブンが2014年11月に関西圏で先行販売、翌年から全国でレジ横の専用ケースで販売されるようになりました。
ただ、当初は人気を集めたコンビニドーナツも、最近は伸び悩んでいるようです。販売を伸ばすためセブンイレブンでは、2016年1月に「セブンカフェドーナツ」を全面刷新、原料、製法から見直したと発表しました。
ドーナツ自体が売れていない?
ミスタードーナツを展開するダスキンの2016年3月期の「全国チェーン店お客様売上高」を見ると、国内のミスタードーナツ売上高は、915億3,800万円、前年に比べて10.3%減少しています。
2006年に日本に参入したアメリカ発クリスピー・クリーム・ドーナツも当初は行列ができ主力商品のドーナッツを無料で配布して注目を浴びましたが、次第に落ち着いてきて、店舗数を減らしています。
コンビニドーナツだけでなく、競合先のドーナツ専門店も苦戦していることから、ドーナツ人気の縮小がうかがえます。
各社苦戦するなか、今後はいかに“リピート買い”をしてもらうかが勝負
ドーナツ専門店に加え、コンビニでもドーナツが買えるようになったことで、そもそもコーヒーに比べて少なかったドーナツ市場のパイを各社で奪い合う形となっている現状。鳴り物入りで参入したコンビニドーナツは、最初こそ購入してみる人が多かったものの、専門店に比べてラインアップに乏しかったり、コンビニ内で頻繁にアップデートされる多種多様なデザート商品がライバルになったりするため、その後の“リピート買い”につなげることができなかったことが売り上げの伸び悩みにつながっているといえます。
コンビニ各社が試行錯誤を続けるなか、味や提供方法を工夫することで今後リピート買いにつながる打開策を打ち出すことができるのでしょうか? それともコンビニドーナツは幻となって消えて行ってしまうのでしょうか…? 今後もドーナツ戦争の動向には注目していきたいところです。
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