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FOMCで利上げ決定もインフレ率は伸び悩み 次の利上げはいつ?

(写真=Imagine Photographer/Shutterstock.com)

アメリカで2017年6月13日~14日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、事前予想のとおり政策金利を上限、下限ともに0.25%引き上げ、1.00%~1.25%にすることが決定されました。

アメリカが今年利上げを実施するのは3月以来2回目です。

景気拡大が続いているアメリカでは、景気を引き締めるため年内にあと1回、2019年まで毎年3回程度の利上げを実施するのではないかと言われています。

アメリカの景気は本当に良くなっている?

今回、FOMC会合でミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は唯一利上げに反対しました。

利上げに反対した理由の1つに足元のインフレ率が思ったように上がっていないことがあります。FOMCはインフレ率の長期目標を2%としていますが、直近では2%を下回っているからです。

しかし、イエレンFRB議長は記者会見で「インフレ率の下ぶれに関しては、携帯電話料金や医薬品価格などによる一時的な要因によるところが大きい」とし、「労働市場が完全雇用の状態にあり、さらに改善していくことをふまえると、今後数年間で2%に向かって上昇し、その近辺で安定していくだろう」との見方を示しました。

イエレンFRB議長をはじめとしたFOMC参加者は、直近のインフレ率低下にあまり過剰に反応する必要はないという考えで、アメリカ経済については今後も緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況はさらに力強さを増していくという見方を維持しています。


<FOMCは緩やかに景気拡大と予想>

次の利上げはいつ?

イエレン議長は、リーマンショック後の措置として行った量的緩和(QE)により、FRBが大量に保有することとなった債券の規模を縮小してバランスシートを正常化するとしています。

肝心の利上げは次、いつ行うのか?ということについて、従来は9月に利上げをして、12月にバランスシートの正常化に着手するとみられていました。今回、イエレン議長が「比較的早期にバランスシートの正常化に着手する」と述べたため、9月にバランスシートの正常化に着手し、利上げは12月になる可能性が高まりました。

当面は物価の動向に注視が必要

今回FOMCが開催された当日には、5月の消費者物価指数が公表されましたが、結果は前月比0.1%の下落でした。物価指数の下落やインフレ率の下振れが今後も続くようであれば利上げのペースを見直す必要も出てくるため、当面はこれらの動向に注意が必要です。

金融市場ではFRBが掲げている利上げのペースに半信半疑という見方も多く、当面は米長期金利やドルの上昇余地は限られるだろうと予想されています。

一方でアメリカ経済が緩やかながら成長を続け、労働市場が完全雇用に近づいている状況をふまえると、インフレ率は次第に上向いていくとみられ、利上げやFRBのバランスシート正常化が現実味を帯びてくれば、米長期金利やドルも緩やかに上昇していくでしょう。

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