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構造改革の成果が顕在化する化学メーカー

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(写真=PIXTA)

総合化学各社の投資タイミングを考えるうえで、ヒントとなるのが化学製品の在庫率指数です。現状、この在庫率指数は2016年1~3月にピークアウトした可能性が高まっており、今後は在庫の減少による価格交渉力の向上や、生産が増加することによる採算改善の効果が現れはじめるのではないかと期待されています。

過去の例では、この在庫率指数が低下または低位安定する局面で、総合化学大手の株価が上昇する傾向がみられました。今後、在庫率指数が低下傾向をたどれば、総合化学各社が見直される可能性が高まるのではないかとみられています。

特に、2016年4-6月期の決算では化学各社が取り組んできた構造改革の成果があらわれはじめるともに、原料安メリットが業績改善につながる動きも確認されています。

過去10年間を振り返ると、中国をはじめとする新興国の台頭や、シェール革命を背景とした米国での汎用化学品の生産能力の増加等があった一方で、新興国の成長鈍化を受けた過剰生産能力問題が表面化し、石油化学製品の市況は深刻な状況となりました。

こうした環境変化を受けて、化学大手各社は国内の石油化学事業の合理化や構造改革に取り組んできました。この結果、国内のエチレン生産能力は2012年から2016年にかけて約14%も削減されています。その成果としてエチレン生産設備の稼働率は2013年12月以来直近データである2016年8月まで33ヵ月連続で損益分岐点の目安となる90%を上回る状況が続くこととなっています。

今後もプラグインハイブリット車の普及や高齢化社会にともなうプラスチック食品容器需要の拡大など、化学企業の活躍の幅は多岐にわたってますます広がり見せる可能性があります。収益の安定性を高め、成長事業を育成する構造改革に成果がみられはじめた化学業界の業績改善に期待が高まっています。

図1
出所:各種公表資料より作成
図2
出所:各種公表資料より作成

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