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ポケモンGOがヒットした理由

pokemon
(写真=PIXTA)
「世界記録を5つ達成」--。オリンピックの話ではありません。「ポケモンGO」が打ち立てたギネス記録の話です。イギリスのギネス・ワールド・レコーズによると、ポケモンGOはモバイルゲームにおいて具体的に以下のような記録を達成しました。

1. 配信から最初の1ヵ月のダウンロード数が最多
2. 売上高1億ドル達成が過去最速
3. 最初の1ヵ月の収益が最高
4. 最初の1ヵ月間の売上高でトップを獲得した国・地域の数が最多
5. 最初の1ヵ月間のダウンロードランキングでトップを獲得した国・地域の数が最多

世界的にも大人気となったポケモンGOですが、ヒットした理由は一体、何だったのでしょうか。

開発の中心は任天堂ではない!?

そもそも『ポケモン』というと任天堂のコンテンツというイメージがありますが、ポケモンGOの場合は少し異なります。

ポケモンGOは、任天堂(周辺機器「Pokémon GO Plus」の製造・販売)、株式会社ポケモン(ライセンス、開発・運営協力など))、アメリカのナイアンティック(開発・配信・運営)の3社が協力のもと展開しています。

しかし、ポケモンGOは任天堂が開発したものではなく、米国のナイアンティック社が開発したINGRESS(イングレス)というアプリがベースとなっています。イングレスとは、利用者がさまざまな場所を歩き回り、周りに点在する重要な場所「ポータル」やアイテムなどを探すオンラインゲームです。

イングレスではグーグルマップのGPS機能を使ってプレーヤーの位置を追跡し、ポータルの近くにいるかを知らせてくれます。ポータルの近くにいる場合には、他のプレーヤーと交流したり、ポータルを獲得したりすることができます。

今回のポケモンGOには、このイングレスで使用されていたデータが活用されています。

ポケモンGOのヒットの理由

1. ダウンロードが無料
ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、NINTENDO64、ニンテンドーゲームキューブ、Wii、Wii Uなど、以前の任天堂のゲームコンテンツは大半が有料でした。しかしポケモンGOのアプリは無料で手に入れられます。そのため、誰でも気軽に始めることができます。こうした間口の広さが、ヒットした要因の一つといえるでしょう。

2. 過度な課金主義を廃止
これまでの人気アプリの課金と、ポケモンGOの課金では大きな違いがあります。従来の人気アプリでは、課金によって手に入れるアイテムはいわゆる「ガチャ」と呼ばれる一種の“くじ引き”のようになっており、目当てのアイテムを手に入れる為に何度も課金する人が続出して問題となりました。

しかしポケモンGOの場合は、課金することで「レア」なアイテムを手に入れるといったものではありません。ポケモンとの遭遇率が上昇したり、経験値の上がるペースが速くなったりするなどの要素はありますが、射幸性をあおるようなものではないことも人気の一つです。

3. 初代ポケモン世代を刺激
任天堂から初代ポケットモンスターが発売されたのが、1996年です。当時の子ども達の間で絶大な人気を博しました。年齢を重ねるうちにポケモンと縁が遠くなってしまった大人たちが、昔を懐かしみながら遊んでいるのです。

4. 拡張現実(AR)の利用
これまでも現実世界との融合が可能なARを活用したコンテンツは多数存在していましたが、ごく一部の人の間でしか認知されておらず、一般的にはまだまだ認知度が低い技術でした。

しかし、ポケモンGOでARが活用されることによって、あたかも現実世界にポケモンが出現したかのようにゲームを楽しむことができ、ARの技術を身近なものへと変えました。ARの珍しさも人気に寄与していると考えられます。

拡張現実とは
・ AR(Augmented Reality)と言われる技術
・ スマートフォンの画面に映っている現実風景の上にデジタル情報を重ねて表示するもの
・ 目の前にいるかのようにカメラなどに写しだし現実感がある

スマホアプリ

5. コレクション要素
現在約150種類程度のモンスターが存在すると言われているポケモンGOですが、コレクション要素も人気の一因となっています。今後も順次新モンスターを追加していくことで人気継続の一手ともなりそうです。

6. 地域の魅力を再発見
ポケモンGOはゲームの性質上、屋外のさまざまな場所を歩き回らなければなりません。ポケストップなどは、前述のイングレスのデータをベースにして活用しており、地域の名所や観光スポットなどが登録されています。知っているようで知らなかった身近な地域を散策することも、ポケモンGOの人気を支えている要因の一つかもしれません。

ポケモンGOのマーケティング

社会現象を引き起こしたポケモンGOですが、驚きのマーケティング手法で世界を席巻していきました。その手法とは大規模な広告を展開しないことです。日本でもこれだけのブームになったのにもかかわらず、おそらくテレビCMや広告を見かけた人はほとんどいないのではないでしょうか。メディアの報道や口コミのみの効果でポケモンGOは瞬く間に広まっていきました。

「日本では夏休みに合わせてリリースした」とも言われています。もし夏休みでなければ、外に出歩く機会も少なく、ここまでヒットしていなかったかもしれません。

任天堂は、スマホやタブレット向けのゲーム「スーパーマリオラン」を2016年12月にリリースすることを発表しています。マリオも世界中で人気のキャラクターだけに、ポケモンGOと同様、国内外で広く楽しまれるのではないでしょうか。

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