この連載は、そろそろ老後のことも気になりだした一般の個人投資家 白鳥さん(60代前半男性・素顔はちょっとコアラに似ている)が2018年にスタートした信用取引を振り返るシリーズ「第3弾」です。いままでの体験記と合わせてお読みいただき、お楽しみください。
第1弾 | ![]() |
「110万円からはじめるリアル投資の全記録。白鳥さんの信用取引体験日記」を読む |
---|---|---|
第2弾 | ![]() |
性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦!を読む |
信用取引によって、ここ1年間で資産を6倍に増やしたという白鳥さん。いったい、どのようなやり方でそのような成果を出すことができたのでしょうか?全4回で詳しく解説していただきます。
第1回 成果をもたらした投資スタイル「白鳥流・時間分散投資」とは?
第2回 この1年間でやったこと
第3回 データからみる成果検証
第4回 経験から学んだ「My 絶対ルール」
いきなりコロナショック、どうする?
新しい投資スタイルの準備が整ったので早速開始したのが昨年の2月中旬。しかし、いきなりコロナの影響で株価が暴落してしまい、出鼻をくじかれた形となりました。1ヵ月後、信用売りを使って何とかトントンに戻したところで、続けるか、一旦様子を見るか考えました。周りの知人を見ると、ここがチャンスと過熱する人もいましたが、しばらくは怖いから撤退する人の方が多いように感じました。
私はチャンスと過熱したわけでもありませんが、勉強の意味も込めて慎重に継続することにしました。
はじめてのETF
2月からの株価暴落のなか、トントンに戻せたとはいえ、慣れない信用売りを繰り返したことで、少々精神的な疲労が溜まりました。そして、より疲労の少ない投資方法はないかと思っていたところで、「日経平均のETFが人気!」という記事をネットで発見。早速、投資経験の豊富な知人に聞いたところ、NF日経レバというETFを教えてくれました。
NF日経レバとは
「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」のことで、日経平均の変動率が+1%変動すると、前日比の+2%(-1%変動すると、-2%)変動するように設計されたETFです。
※ 2営業日以上の期間においては、複利効果により日経平均の変動率の2倍とならない可能性があります。
それまでは、テクニカルチャートの買シグナルなどを参考にしながら銘柄を選択していましたが、銘柄を決めてしまえば銘柄選択時間は不要になり、しかも日経平均に投資するのであれば、通常の企業の株式に投資するよりも、日常的に見ておく投資情報も限定され、疲労がより少ないのではと考えました。
また、情けない話ですが、実はこれまで、様々な銘柄選択の方法を試してきたつもりなのですが、銘柄選択のセンスが磨かれた気が一切しなかったこともあり、すぐにこのETFで「白鳥流・時間分散投資」を試すことにしました。
投資を「慎重に継続する」ために、重要な「計画」
エクセルで自作した時間分散投資シミュレーターを使って、新規建てを行うようにしました。例えば、100万円あるとすると、ネット信用取引では2.5倍の250万円程度までの取引ができますが、2倍の200万円を投資可能額としました。ナンピン回数(初回投資分を含めて)を5回とし、許容損失額をマイナス15万円とセットすると、株価が2.5%下落する都度ナンピン買いをすることが決まります。ナンピン回数を10回にするとどうなるか、許容損失額を30万円にするとどうなるか、などいろいろシミュレーションしながら、計画を立てます。
ナンピン買いや損切りタイミングだけでなく、利益確定タイミングもシミュレーションしながら計画を立てます。
実際の日々の行動パターン
以前にもご紹介しましたが、還暦を過ぎても仕事は毎日しているので、株価ボードに張り付いているわけにもいかず、必然的に投資に割ける(損益確認や、返済・新規建てをする)時間は限られてきます。そして日々の行動はパターン化してきます。
コロナの影響でお客さんと夜に一杯やることが激減したため、早く家に帰るようになりました。そして、早く寝るため早く目が覚めてしまいます。起きたところで、確認しても何ができるというわけでもありませんが、一応、海外の日経平均先物(CMEとSGX)をチェック。日経平均に影響を与える外的要因になりそうな情報をNHKのワールドニュースや日経モーニングプラスFTで確認。その後、NHK朝ドラを見ながら朝食をとり、これまた知ったところで何もできないのですが、「みずほ証券 株アプリ」でNF日経レバの気配値をチェックしながら仕事の準備。そして、仕事に出かけるバスの中、株アプリで本日最初の資産チェックをします。
新規建てや返済をするのは、基本、一日4回(前場後場の始まりと終わり)程度です。仕事をしながらなので多少の前後はありますが、ルーティーンとしてこなします。
気配値のチェックや日中のルーティーンは、すべてスマホで行います。仕事をしながらでも、気づいたときにすぐに使える株アプリはやっぱり便利。いまの投資スタイルに欠かせません。
「みずほ証券 株アプリ」について詳しくはこちら。
株アプリで行うこと
新規建てしたあとは、1日4回のタイミングが来たら、株アプリにログインして「建玉一覧の個別表示」をチェックします。評価損益合計が、利食いラインを超えたり、損切りラインを下回ったりしたらすぐに躊躇することなく一括返済。
もちろん、返済は見たタイミングで行うので、マイナス15万円を許容限度としていても、「ありゃ~、マイナス18万円になっている」ということも。利益確定額を3万円としていても「やった~、プラス10万円にもなっている」ということになります。むしろ、ライン通りに返済できることはまずないという繰り返し。そして、利食いラインにも損切りラインにも到達しておらず、一番新しいナンピン買いの損益が次のナンピン買いのタイミングを示していたら次のナンピン買いを実施。
アラートメールを設定するなどして、リスクマネジメントを徹底したいところですが、ナンピン買いするたびに設定株価を計算しなければならないためかなり面倒。リスクヘッジできる何らかの方法がないと怖いといえば怖いが、一方で、時間が食われないので疲労がほとんどないのも魅力があり、結局、疲労が少ない方を選択。株アプリを使っている時間は、操作に慣れたということもあって1回当たり1~3分程度。1日4回程度なので、実際は、なんと、1日数分から多くて10分程度しか触っていないことになります。
資産に応じたリスクの調整
資産が増えていくと、とれるリスク(許容損失額)も大きくすることができるようになります。資産は返済の都度変わっていくので、新しいナンピンサイクルに入る都度、許容損失額を変えていきました。例えば、資産が100万円の時は許容損失額をマイナス15万円に、資産が250万円の時はマイナス30万円に、資産が500万円の時はマイナス110万円に、といった具合です。
資産に応じてリスクを調整
資産額 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
---|---|---|---|
投資可能額 | 200万円 | 500万円 | 1,000万円 |
最大ナンピン回数 | 5回 | 5回 | 10回 |
許容損失額 | -15万円 | -30万円 | -110万円 |
我慢の時期もあった、資産6倍までの道のり
今回の取り組みを始めて3ヵ月半後に資産が2.5倍になったところで、株価が大きく動かない時期がありました(下図の赤枠)。利益確定額に到達する気配もなく、いよいよ許容損失額(この時はマイナス30万円)を経験するのかと覚悟を決めていたのですが、結局マイナス30万円に達することはなく、2ヵ月後に利益確定額オーバーで返済。以後これまで、許容損失額での返済を一度も経験することなく経過。結果、資産は6倍になりました。
次回は、成果の要因は何か?単なるラッキーなのかについて、冷静に検証してみたいと思います。
第1回 成果をもたらした投資スタイル「白鳥流・時間分散投資」とは?
第2回 この1年間でやったこと
第3回 データからみる成果検証
第4回 経験から学んだ「My 絶対ルール」
【過去の「信用取引シリーズ」】
110万円からはじめるリアル投資の全記録。白鳥さんの信用取引体験日記~50代男性がお金と健康な身体を手に入れるまで~
性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦!