
この記事は、みずほ証券YouTube公式チャンネルとのコラボ企画です。みずほ証券の鈴木さんが外国為替の基礎知識を解説する「みずほ為替塾」から、ポイントを要約してお届けします。(記事一覧はこちら)
今回のテーマ | 「ドル/円」と「円/ドル」、正しいのはどっち? |
売買する通貨の組み合わせを示す「通貨ペア」。ドルと円を売買するときの通貨ペアは「ドル/円」と呼ばれるのが一般的で、経済ニュースでよく耳にしますね。ですが、ときどき「円/ドル」と呼ばれることもあるようです。どちらが正しいのか、鈴木さんが動画で解説しています。
鈴木さんの解説動画はこちら
正解は「ドル/円」
鈴木さんの解説まとめ
✔︎ 通貨ペアの呼び方は国際的なルールで決められています。 |
✔︎ ルールとしては「ドル/円」が正しい呼び方です。 |
✔︎ 為替市場のプロは絶対に「円/ドル」とは呼びません。 |
結論からいうと、ドルと円の通貨ベアは「ドル/円」が正しい呼び方のようです。鈴木さんは、為替市場のプロであれば絶対に「円/ドル」と呼ばない、といいます。
そのルールとはどのようなものでしょうか。
通貨ペアの並び順について
米ドルの場合、通貨ペアによっては米ドルが「前」にくるときもあれば「後ろ」にくるときもあります。
米ドルの通貨ペアの一例
米ドルが前 | ドル/円 | USD/JPY |
ドル/スイスフラン | USD/CHF | |
米ドルが後ろ | ポンド/ドル | GBP/USD |
豪ドル/ドル | AUD/USD |
通貨ペアの多くは米ドルとの組み合わせですが、このように米ドルの場所がまちまちなので、なんとなく「円/ドル」いう通貨ペアがあってもおかしくない気もします。ですが、通貨ペアの並び順は適当に決められているわけではなく、ちゃんと意味があるそうです。
ヒントは「世界の基軸通貨の歴史」にあるとのこと。
鈴木さんは、この通貨ペアの並び順のルールを、世界の基軸通貨の歴史とともに解説しています。
通貨ペアは「基軸通貨が前」
鈴木さんの解説まとめ
✔︎ 通貨ペアでは、前に置かれた通貨が基準になります。つまり、力 の強い通貨、現在でいえば米ドルです。 |
✔︎ かつては世界の基軸通貨であった「ポンド」が、すべての通貨ペ アの前に置かれていました。 |
✔︎ 米ドルが「ポンド/ドル(GBP/USD)」と後ろに置かれている のは、このような昔のなごりです。 |
また、イギリスの植民地であったオーストラリアとニュージーランドの通貨も、当時はポンドと同様に扱われました。ここでも「豪ドル/ドル(AUD/USD)」「ニュージーランドドル/ドル(NZD/USD)」と米ドルが後ろに置かれることになりました。
鈴木さんは、このように世界の基軸通貨の歴史的経緯から通貨ペアの並び順が決まり、米ドルが後ろに置かれる通貨ペアが存在する理由を解説しています。
これがわかれば、「円/ドル」という通貨ペアが存在しないことも理解できますね。
新しい通貨、ユーロの登場
さらに鈴木さんは、ユーロの登場によって通貨ペアの並び順に新しいルールが加わったことを解説します。
✔︎ ユーロは、どの通貨ペアでも前に置かれます。 |
✔︎ ポンドでさえ「ユーロ/ポンド(EUR/GBP)」と後ろになりま す。 |
✔︎ 米ドル、豪ドル、ニュージーランドドルも同じように、ユーロと のペアでは後ろになります。 |
米ドルについてまとめると、米ドルが後ろに置かれる通貨ペアは次の4つだけです。その他の通貨ペアでは、米ドルは前に置かれます。
米ドルが後ろに置かれる通貨ペア
ユーロ/ドル | EUR/USD |
ポンド/ドル | GBP/USD |
豪ドル/ドル | AUD/USD |
ニュージーランドドル/ドル | NZD/USD |
「ドル/円」と「円/ドル」、正しいのはどっち?というテーマから、通貨ペアの並び順に関する解説をピックアップしてみました。
鈴木さんの解説動画では、このほかにも「ドル/円」の理解が深まる知識をたくさん解説しています。「動く鈴木さんを見たい」「鈴木さんの声で解説を聞きたい」という方は、ぜひ動画をご視聴ください!
鈴木さんの解説動画はこちら
「通貨ペアの並び順」の説明から再生が始まります。
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