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信用取引で資産が1年間で〇倍に!なぜそうなったのか振り返ってみた。【第3回:データからみる成果検証】

この連載は、そろそろ老後のことも気になりだした一般の個人投資家 白鳥さん(60代前半男性・素顔はちょっとコアラに似ている)が2018年にスタートした信用取引を振り返るシリーズ「第3弾」です。いままでの体験記と合わせてお読みいただき、お楽しみください。

第1弾 「110万円からはじめるリアル投資の全記録。白鳥さんの信用取引体験日記」を読む
第2弾 性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦!を読む

信用取引によって、ここ1年間で資産を6倍に増やしたという白鳥さん。いったい、どのようなやり方でそのような成果を出すことができたのでしょうか?全4回で詳しく解説していただきます。

第1回 成果をもたらした投資スタイル「白鳥流・時間分散投資」とは?
第2回 この1年間でやったこと
第3回 データからみる成果検証
第4回 経験から学んだ「My 絶対ルール」

第3回は、白鳥さんがこの1年間で行った取引について、データから検証していきます。

この1年間の取引を振り返る

2020年3月に、新型コロナウイルスの影響で日経平均が一時1万6千円台となりました。しかし、それ以降は上昇を続け、2021年2月に3万円の大台を回復しました。日経平均が3万円台となったのは実に30年半ぶりだそうです。この株価上昇が今回の資産増加の要因であることは間違いありませんが、投資スタイルとの関係はどうだったのか、ここで振り返ることにしました。
ネット倶楽部の「信用決済明細」を利用すると、過去15ヵ月間の信用取引データを確認することができますので、このデータを使って1年間の取引を整理してみました。

1年間の取引回数

自分で決めたナンピン買いルール(詳しくは第1回、第2回をお読みください)に従って、1日数回のタイミングでスマホの株アプリで損益の状況を見ながら、追加投資(ナンピン買い)をしたり、返済&次の新規建てをしたりしていくルーティーンなので、実はナンピン買いの回数も、返済の回数も、そのときの損益、つまり株価の動き次第ということになります。株価の動きが激しいときはナンピン買いの回数も返済の回数も増え、動きがあまり大きくないときはそれぞれの回数が減ります。
そして、この1年間の返済回数(つまり損益確定回数)は合計で65回でした。月によって大きくばらつきはありますが、月平均5回程度でした。

一方、建て回数(ナンピン回数も含めた新規建て回数の総合計)は233回にも上がっていました。株価が急落しているときには1日4回のチェックポイントで毎回ナンピン買いすることもしばしばありましたし、何日もナンピン買いをするタイミングが来ないこともありました。しかし、平均すると1年間の営業日数は240日余りですので、ほぼ毎日1回の新規建てをしていたことになります。これまで、これだけ頻繁な取引は経験がなかったので驚きの結果でした。それでも精神的な疲労がほとんどなかったのは、商品を固定していたため商品選択に頭を使うことがなかったことや、ルールを決めていたことで機械的に注文できたことが大きかったと思います。

※白鳥さんの取引実績を元に作成

1年間の累積投資額

集計して一番驚かされたのが、この1年間の建玉の総合計。ナンピン買いを含めた平均建玉額は130万円でしたが、建玉のリミット(ナンピンを含めた累積投資可能額)は、資産の増加にともなって大きくしていきましたので、資産が増えた後半ではこれまでに経験したことがない1,000万円超の建玉となったことが8回もありました。そして、1年間の建玉を合計すると約3億円を超えていました。

※白鳥さんの取引実績を元に作成

さらに、建て代金の合計が資産残高よりも多くなった回数は、65回中35回と半数を超えていました。つまり、半数は信用取引でなかったらできない取引をしていたことになります。

※白鳥さんの取引実績を元に作成

100万円で10万円の利益を出すには、株価が10%上昇しなければなりませんが、3億円であれば0.3%上昇すればよいのですから、リスクマネジメントをしっかりしていれば、投資額が大きいと有利であることは明らかだと思っています。そして、元本が100万円であっても、ルールを守って資産をうまく回転させ、信用取引を組み合わせることで、今回のような大きな投資をすることが可能であることがわかりました。

損切り額はある程度覚悟しても、欲は出さない

この1年間の取引のもうひとつの特徴は、「資産が増えても、利食いポイントを大きく上げなかった」ことです。投資可能額の増加にともなって、損切りポイントを大きくしていきましたが、利食いポイントは引き上げませんでした。例えば、「マイナス40万円の損切りまで覚悟したのだから、利益はプラス50万円くらいないと割に合わない。」と考えることもできますが、「ナンピン買いを何回繰り返して、建玉の合計がいくらになったかは関係ない。元々5万円の利益を期待したのだから、それ以上は望まない。」としていました。

利食いポイントも投資可能額にあわせて引き上げていたとしたら、それに到達する時間がかかるため、前述のような取引回数にも総投資額にもならないので、成果は大きく変わっていただろうと思います。
結果、損益は当初の暴落のときの1回を除けばすべてプラス。1日数回の株アプリ確認タイムのときに、5万円を超えていたら一括返済するので、ピッタリ利食いポイントで返済することはほとんどありませんし、予期しなかったありがたい利益もありましたが、平均すると返済1回当たりの平均利益は7万8千円。8割が10万円以下の利益でした。まさにコツコツ積みあがっていったようです。

※白鳥さんの取引実績を元に作成

他のスタイルで投資をしていたらどうなっていたか?

株式投資をしている友人は何人かいるのですが、どのような投資のやり方でどのような成果を上げているかは、友人といえどもなかなか教えてくれません。いつも自分の成果の善し悪しを客観的に判断することが難しいと思っていました。しかし、今回は銘柄を固定していたため、同じETF銘柄“NF日経レバ”を一括で購入・売却をしていたらどうなっていたかくらいなら、簡単に計算できるので比較してみました。

・”NF日経レバ”とはどんな銘柄でしょうか?
・白鳥さんはなぜ銘柄を”NF日経レバ”に固定したのでしょうか?
くわしくはこちら

仮に、NF日経レバを、ここ1年間での最安値の10,330円(2020年3月19日)で奇跡的に一括買いして、ここ1年間での最高値の36,000円(2021年2月16日)で見事に一括売却できたとすると、投資額が約3.5倍になります。そして、信用取引を利用して保有資産の2.5倍の額で、同じことができたとすれば約8.7倍にもなります。もっとも、少なくとも相場観にまったく自信のない私にとっては、最安値のタイミングで、元本すべてを使って一括買いすることも、36,000円になるまで待つことも、実際には怖くてできませんが、この奇跡を想定した出来事と比べても今回の6倍はかなりの好成績であると思っています(思うことにします)。

・現物取引で一括売買
最安値10,330円でNF日経レバを一括買いし、最高値36,000円で一括売却したときの資産残高倍率
・白鳥さんの信用取引
2020年3月19日から翌年2月16日までの、白鳥さんの資産残高倍率
・信用取引2.5倍で一括売買
信用取引を利用して、保有資産の2.5倍のNF日経レバを最安値10,330円で一括買いし、最高値36,000円で一括売却できたとき*の資産残高倍率(*決済期日を考慮しない理論上の計算です)

次回は、成果の要因は何か?単なるラッキーなのかについて、冷静に検証してみたいと思います。

第1回 成果をもたらした投資スタイル「白鳥流・時間分散投資」とは?
第2回 この1年間でやったこと
第3回 データからみる成果検証
第4回 経験から学んだ「My 絶対ルール」

【過去の「信用取引シリーズ」】
110万円からはじめるリアル投資の全記録。白鳥さんの信用取引体験日記~50代男性がお金と健康な身体を手に入れるまで~
性格も知識も異なる二人で、100万円を元手にネット信用取引に挑戦!