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円高トレンドなら海外旅行のコストはどれだけ変わるのか?

Trend
(写真=PIXTA)

円高になると、より安く海外旅行を楽しめるようになります。円高について漠然と分かっていても、数字で比べてみないとピンとこないかもしれません。円高トレンドにて、海外旅行のコストがどれだけ変わるのかをチェックしてみましょう。

海外旅行者数の推移

2013年8月と2015年8月で、日本在住者の海外旅行者数の推移を比較してみます。法務省「出入国管理統計表」によると、2013年8月の出国者数は約184万人、2015年8月の出国者数は約165万人と1割ほど減少しています。なぜ1割近くも海外旅行者数が減少したのでしょうか。

海外旅行者数減少の理由としては、テロの増加や国内旅行への回帰が考えられますが、為替レートの変化も理由の一つでしょう。2013年8月の為替レートは1ドル=96円台~99円台、2015年8月の為替レートは1ドル=118円台~125円台で推移し、前年同月と比較すると2015年8月は円安でした。例えば1ドル=100円だった為替が1ドル=120円になれば、2割ほどコストが増えることになり、海外旅行を割高に感じる人が多かったのではないでしょうか。

2016年の海外旅行トレンド

2015年8月に1ドル=120円前後だった為替レートは、2016年8月には1ドル=100円前後へと再び円高が進みました。円高トレンドのときは、それまで為替レートを気にして海外旅行を敬遠していた人が、再び海外旅行へ目を向けやすくなります。2016年8月の出国者数は約182万人と、同じく1ドル=約100円だった2013年8月の出国者数の約184万人と同程度へ回復しました。

2016年7~9月の海外旅行先トレンド(日本旅行業協会 旅行動向調査人気ランキング)は、上半期に引き続きハワイが一番人気で、台湾や東南アジアが変わらず人気を保っています。ヨーロッパ方面への旅行者数は2015年11月に発生した「パリ同時多発テロ」などの影響でいまだ低調です。

ハワイ旅行でのコスト比較

海外旅行先としての人気のハワイを例に、為替レートの違いによる1人当たりの旅行金額を比較してみましょう。

● ハワイ旅行料金(年末6日間)を2,300ドルと仮定すると
27万6,000円(1ドル=120円時)
23万円(1ドル=100円時)

● 旅行先でドル決済する金額(参考)
1,500ドル

(1,500ドル内訳)
・ 現地ツアー:150ドル×2回
・ レンタカー:300ドル
・ 食事代:100ドル/日×現地滞在の4日分
・ ショッピング&おみやげ代:500ドル

● ハワイ旅行料金と旅行先でドル決済する金額(参考) 合計比較
1ドル=120円での合計額:27万6,000円+18万円=45万6,000円
1ドル=100円での合計額:23万円+15万円=38万円

このケースでは、1ドル=120円のときと、1ドル=100円のときとでは、差額は7万6,000円です。実際に数字で出してみると、差額が意外に大きいです。円高トレンドのときには、その機会に海外旅行を検討してみてはいかがでしょうか。

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