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「SaaS」「PaaS」「IaaS」…? パブリッククラウドサービス市場が伸びているワケ

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(写真=PIXTA)

「SaaS」「PaaS」「IaaS」…と言われてピンとくる方は少ないかもしれませんが、今、アメリカをはじめとした世界中で、市場を拡大させているといいます。

この謎のアルファベットの正体は「パブリッククラウドサービス」。

パブリッククラウドサービスとは、サーバや業務ソフトウェアなど、企業の必要とするITインフラを構築するときに、専用のハードウェアなどへの設備投資を必要とせず、必要量に応じて柔軟に利用することができるものです。調査会社によるとその市場規模は2020年に1,950億ドル超と、2016年現在の965億ドルと比較して2倍以上に拡大すると見込まれている急成長分野です。

代表的なパブリッククラウドサービスの種類

冒頭で登場した「SaaS」「PaaS」「IaaS」はそれぞれ、クラウド上でどんなサービスを提供するかということを表しています。

クラウドサービスの種類

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1. SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)=顧客管理や経費精算など、業務に必要な「ソフトウェア」をインターネット経由で提供。

2. PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)=アプリケーションの開発・実行環境などの「プラットフォーム」をインターネット経由で提供。

3. IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)=仮想サーバやストレージなどの「インフラ」をインターネット経由で提供。

直近では「ソフトウェア」を提供するSaaSが、クラウド市場大半を占めていますが、調査会社ではPaaSとIaaSの成長ペースが今後加速すると予想しています。

なぜパブリッククラウドサービスを使うのか?

買い切り型のソフトウェアや専用サーバを設置するのとは違い、パブリッククラウドサービスは「使いたいときに」「使いたい分だけ」に費用を投じることができます。これにより企業は無駄なコストを削減しながら、企業活動に必要なインフラを機動的に整備することが可能になります。パブリッククラウドサービスを採用する企業は年々増えており、サービスを提供する各社はクラウドサービス事業で増収を続けています。

今後は「IoT」「人工知能(AI)」でさらなる需要も

クラウドサービス大手各社はいずれもデータセンタの増設など、規模の拡大に加え、機能やサービスの拡張など、付加価値を高めることで差別化を図っています。

とくに、「IoT(モノのインターネット)」や「人工知能(AI)」がトレンドとなっている昨今は、「接続された端末から集められた膨大なデータをリアルタイムに収集、処理、分析、実行する」「何十億台ものIoT端末を安全に接続・監視・管理できる」など、既存のクラウドサービスにIoTやAIの技術を加えてさらに高度なサービスを生み出していて、この流れはさらに加速していきそうです。

今後は高度で便利なサービスが続々と登場するなか、それを利用する企業側にもビジネスに最適なサービスを選定し、新しいサービスを正しく活用できるようなリテラシーを蓄積していくことが必要かもしれません。

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