
中古品や手作り品を個人売買するフリーマーケット(フリマ)をスマートフォンのアプリで再現したフリマアプリ。スマホで誰でも簡単に売買ができる手軽さがウケたことから人気に火がつきました。ここでは最近の傾向と人気ゆえの問題を取り上げます。
ダントツのシェアを誇る最大手「メルカリ」
フリマアプリときいてまず思い浮かぶのは「メルカリ」と「フリル」ではないでしょうか。この2つのフリマサイトについて簡単に紹介します。
● メルカリ
現在いくつかあるフリマアプリの中でも圧倒的なユーザー数を誇るのがシェアダントツの「メルカリ」です。
「メルカリ」のユーザー数は驚異的な伸びをみせています。2015年2月に1,000万件だったダウンロード数が、2016年12月には日米合計6,000万件(日本4,000万、米国2,000万)を突破しました。
● フリル
「フリル」は2012年に日本で初めて誕生したフリマアプリです。当初は女性専用で展開していましたが、2015年7月からは、男性の利用も可能となっています。また、フリルの運営会社は2016年9月に楽天の子会社となっています。
「メルカリ」「フリル」とも売れた商品をコンビニで簡単に発送できるサービスを導入。メルカリでは購入者に出品者の個人情報を知らせない匿名配送もスタートしています。より簡単・便利に取引できるサービスを次々に展開し、出品の手間を減らして今後の顧客拡大を狙っているようです。
売れ筋はファッション、アクセサリー、キッズやベビー用品
検索して特定の商品をねらうオークションとは異なり、出品された商品がタイムラインのように次々とアップされる雑多な品ぞろえこそがフリマアプリの特徴です。
なかでも売れ筋のジャンルはレディースの衣類やアクセサリー、子供服やベビー用品などといわれています。衣類は大量に出品されていますが、季節感などが売れるポイントの一つだそうです。
他にも、雑誌の付録や使いかけの化粧品、ぬいぐるみ、宛名シール、アート系インテリアなども出品されています。それだけでなく、空瓶や紙袋など、自分では「いらない物」「捨てる物」と思えるような物も売れたりするのがフリマアプリのおもしろいところです。また、「メンズ靴ランキング」や「ラグジュアリーメンズ特集」など男性向けの特集も組まれています。
気を付けたいフリマアプリのトラブル
一方、若年層中心に急速に普及して個人間取引が増えたことにともない、詐欺被害やトラブルも顕在化しているようです。国民生活センターが配信する「国民生活2015年8月号ウェブ版」によると、以下のようなトラブル事例があげられていました。
● 購入者側のトラブル
・ニセモノが送られてきた(文句を言っても返品時にすり替えられるかもしれないと返品に応じてくれない)
・商品の状態が明らかに説明と違う(ほぼ未使用との説明も損傷している)
・取引相手の情報がわからないことも(トラブル発生時に相手の情報を知ることができるとは限らない)
● 出品者側のトラブル
・購入者が受け取りの手続きをしないので商品代金が受け取れない(買主が商品に納得できないため)
他にも、値下げや取り置き、評価をめぐるトラブル、個人情報の悪用などもありえます。
フリマアプリの場合、決済は個人間で直接行うのではなく、アプリの運営会社が代行して行うエスクロー方式のため、詐欺対策としては安心なのですが、運営会社はあくまで「場の提供者」という立場をとっており、品質や取引を保証しているわけではないので注意が必要です。
最近では、現金化につながる手口を使った出品や、医薬品医療機器等法に反する疑いのある出品等が行われていることも報道されています。運営会社側も違法な出品を見つけ次第、削除・出品禁止していますが、いたちごっこになってしまっているのが現状のようです。
フリマアプリは基本的に誰でも利用できる手軽さゆえに、マナーの悪いユーザーも存在することは確かです。しっかりとリスクを理解したうえでの利用が求められるでしょう。
【おすすめ記事】
・日本のフィンテック企業 サービスまとめ(非上場企業編)vol.1
・巨竜中国で爆発的に普及するモバイル決済
・POSA(ぽさ)カードって何?
・「仮想通貨」に消費税がかからなくなる? 政府が方針検討か
・「SaaS」「PaaS」「IaaS」…? パブリッククラウドサービス市場が伸びているワケ