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節約志向で人気、低価格とんかつ店

(写真=sasaken/image-photo/katsudon-534935014/Shutterstock.com)

外食大手が相次ぎ低価格とんかつ店に本格参入・事業強化

外食大手が手掛ける低価格のとんかつチェーン店が増えています。低価格とんかつ店といえば、現在、国内に300店以上を展開している「かつや」が先べんを付けましたが、このところ牛丼チェーン大手が「松のや」「松乃家」の店名で出店を加速。さらに、ファミリーレストラン大手が昨年6月からとんかつ・からあげ専門店「とんから亭」の出店を始め、セルフ式うどん店チェーンも主に郊外の商業施設内に展開していたとんかつ・トンテキ専門店「豚屋とん一」を都心部に進出させ、出店を大幅に増やす方針です。

手ごろな価格や自宅で揚げ物をしない消費者の増加などが人気の背景

このように外食大手が低価格とんかつ店を強化しているのは、同業態が節約志向を強める消費者の支持を集めて好調なことがあります。「新宿さぼてん」や「とんかつ和幸」などに代表される一般のとんかつ専門店が1食1,000円以上のメニューが多いのに対して、「かつや」や「松のや」などの価格帯は定番のロースかつ定食で500~700円程度、かつ丼なら500円程度というもの。手ごろな価格で満腹感が味わえるとあって、男性を中心に根強い人気です。また、共働き世帯の増加や高齢化などにより自宅で揚げ物をする手間を避けたい消費者が増え、揚げたてのとんかつなら外で食べたいという需要が高まっている点もあると思われます。

一般のとんかつ専門店に比べて低価格にできるのは、運営各社の企業規模が大きく、食材の大量仕入れでコストを下げられることがあると考えられます。また、自動でかつを揚げる機械の導入により、パートなど熟練でない従業員でも手軽に調理ができるようにし、人件費を低減していることなども主な理由として挙げられるでしょう。

家族連れや女性客などの取り込みを狙う

「かつや」に代表される従来からの低価格とんかつ店の客層といえば、どうしても若い男性がイメージされますが、新規参入組は家族連れや女性客なども積極的に取り込もうとしているようです。たとえば、東京郊外のある「松乃家」の店舗に入ってみましたが、テーブル席が結構多く、お子さまメニューも用意しているなど、ファミリー客を意識していることがわかります。また、「とんから亭」は働く女性などの総菜需要を狙っており、持ち帰り専用コーナーを設けたりしています。

ファストカジュアルと呼ばれるスタイルの店が好調

外食業界では、天丼チェーンの「てんや」といった料理の専門性を高めて低価格で提供する「ファストカジュアル」と呼ばれるスタイルの店が好調です。ファミリーレストランや居酒屋業態等の伸び悩みが指摘されるなか、外食大手がとんかつ以外にも専門店ブランドを増やして成長を目指す動きが今後強まりそうです。

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