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宇宙開発、日本でも民間の動きが活発に

(写真=lassedesignen/Shutterstock.com)

2030年代早期に国内の宇宙産業を倍増させる目標

今年5月、政府は2030年代早期に宇宙産業の市場規模(現在1.2兆円)を倍増させることを目指す「宇宙産業ビジョン2030」をまとめました。官需に大きく依存している国内の宇宙産業で民間の役割を拡大させることなどを目標に置いていますが、すでに将来の成長をにらんで宇宙ビジネスに参入する日本企業の動きは活発化し始めています。

世界で高まる小型衛星の打ち上げ需要

特に目を引くのが、小型人工衛星の打ち上げ事業参入を目指す企業の動きです。世界では、小型衛星を農作物の作付け確認や都市開発、森林火災の監視、さらにユニークなところでは石油タンクを撮影して世界の石油備蓄量をリアルタイムで推計したり、店舗の駐車場に停車している車の数を撮影してマーケティングに生かすなど、さまざまな用途に活用する取り組みが広がり、同打ち上げ需要が高まっています。

今年7月に実業家の堀江貴文氏らが創業したベンチャー企業が民間単独開発で国内初となる宇宙ロケットの打ち上げを試み、失敗に終わったものの注目を集めたほか、8月には精密機器大手の子会社などが小型ロケットを開発する新会社を設立しました。ねらいは小型衛星の打ち上げビジネスです。政府も、11月に民間のロケット打ち上げを促すことにつながる宇宙活動法を一部施行するなど、事業化を後押ししています。

政府が持つ衛星データの無償開放の検討も進む

また、政府が持つ衛星の観測データを民間に無償で開放する検討も進んでいます。具体的には、地球観測衛星「だいち」の膨大なデータを人工知能(AI)で分析する仕組みをつくり、専用のウェブサイト等から自由に入手できるようにするとみられます。宇宙利用産業の拡大や企業の新事業創出の促進につながることが期待されます。

準天頂衛星「みちびき」を活用した取り組みにも注目

宇宙開発の推進は、第4次産業革命を加速させる駆動力となるほか、安全保障上の基盤になるともいわれます。今年の国内の宇宙開発をめぐるトピックとしては、日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星「みちびき」の2~4号機の打ち上げが相次ぎ成功し、当面の目標だった4機態勢を整えたことが挙げられます。本格運用が始まる来年度以降は、誤差が数センチ単位まで小さくできる位置情報サービスを活用した企業などの取り組みにも注目が集まるでしょう。例えば、準天頂衛星のシステムを使った農機の自動運転や荷物の無人配送などが期待されます。

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