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ドル円相場、2017年の振り返りと2018年の見通し ③2018年の基本ビュー

(写真=beeboys/Shutterstock.com)

2017年は世界経済にさまざまな変化が見られ、リーマンショック後長らく続く低成長からの脱却を進めた一年ということができそうです。このようななか、2018年はどのような年になるのでしょうか。

2018年の経済環境は?

2018年の世界の経済環境は、前回の記事(2017年の振り返りと2018年の見通し ②2017年に起こった変化とは)で書いたさまざまな変化が続き、その延長線上で世界経済がよりリーマン後からの脱却を進めていく状況を想定しています。

インターネットなどの技術革新やグローバル化によって物価がなかなか上がらない状況は続くとみられ、これは、各国の中央銀行による利上げなどの引き締めを非常に緩やかなものにするでしょう。結果として、金融市場の緩和的な状態は2018年も続き、これが景気や株価を押し上げる構図は継続するとみています。また、中国経済の底堅さも続き、中国の需要に加えて産油国の生産調整などから資源価格も安定した状況が続くとみられます。

さらに、2018年の企業業績も12ヵ月先の予想1株当たり利益が伸びていることから堅調なものとなり、株式市場を下支えるでしょう。株価の堅調な値動きはマインド改善につながります。米国の減税措置など各国の財政政策も回復を後押しすると予想しています。基本的に株式市場には強気の材料となり、長期金利もやや押し上げられるのではないでしょうか。このように世界経済の環境が2017年の延長線上のような状況となれば、通貨の強弱も2017年の構図をおおむね引き継ぐ形となるでしょう。

どの通貨が強い?

構図としては、強い順に「景気浮揚や金融緩和策の変更があった通貨」「米ドル」「円」「政治不安など悪材料のあった通貨」となることを予想しています。結果、ドル円よりもクロス円と呼ばれるドル以外の対円レートの上昇が顕著となりやすいとみています。世界の成長が続けば2017年に最も強い通貨の分類だった「景気浮揚や金融緩和策の変更があった通貨」は増える可能性が高いでしょう。

2018年はドル円の上昇を予想

ドルと円は、ロシア疑惑などトランプ政権に対する懸念は継続する一方で、景況感格差や金融政策の方向性の違いも明らかです。2018年はトランプ大統領の政権運営に対する慣れと期待の低さから、この悪影響よりも実体経済の格差や金融政策の方向性がドル円相場を動かす材料として機能しやすいとみています。ドル円はこれまでのレンジを上方にブレイクし、主戦場は112円~118円程度のレンジ(年間予想レンジは109円~121円)になるのではないかと予想しています。

北朝鮮や欧州の分断、米中間選挙での共和党大敗や、インフレ率の急上昇など、いくつかのリスクはありますが、基本的には世界経済の回復が進むなか、ドル円はファンダメンタルズを反映したドル高円安方向をメインシナリオとしています。

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