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欧州-経済 成長率は加速、持続力には疑問

景気下振れリスクとして海外経済減速、地政学リスク、原油価格や金融市場の乱高下等を指摘

 欧州委員会は、ユーロ圏経済は原油安、ユーロ安、緩和的な金融政策や財政政策等を追い風に、緩やかな成長が続いていると評価しました。ただし16年は金融政策と財政政策は引き続き景気を支えると期待される一方、原油やユーロ相場の下落一服という追い風の弱まりに加え、新興国をはじめとする海外景気減速の影響が、向かい風になると注意を喚起しています。

 実際、欧州委員会は先行きの景気下振れリスクとして、前回見通しと同様に中国をはじめとする新興国経済の減速の強まり、地政学リスク、原油価格や金融市場の乱高下、加盟国の構造改革の停滞、等を挙げたほか、今回は英国のEU離脱問題を巡る不透明感も加わりました。今回の春季経済見通しで示された欧州経済の緩やかな持ち直し継続シナリオの実現に向けては、EU・ユーロ圏諸国は引き続きこうしたリスクへの対応とともに、財政政策や金融システム安定に向けての一層の協調や、それを可能とする国内政治の安定化等が求められているといえるでしょう。

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