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年収の5倍程度ではない?! あなたが無理なく買える物件価格は?(前編)

(画像=Getty Images/Thinkstock)

人々の働き方が多様化するなか、住宅事情についても、これまでのような「夢のマイホーム」だけでなく、あえて賃貸を選択し住まいにしばられない生き方をする人も増えています。住宅購入は人生における一大イベント。ファイナンシャル・プランナーで、マネーとキャリアの専門家集団であるプラチナ・コンシェルジュの國場弥生さんが、住宅購入を検討するにあたり知っておいてほしい情報をお届けします。

みんなは何歳で家を買う?

住宅を購入するきっかけは人それぞれ。しかし、”同世代の友人から家を買ったという話をよく聞くようになったな”と感じるのは30代後半あたりからではないでしょうか。実際、住宅金融支援機構の調査によると、住宅を購入する時期を年代別にみると30代~40代が多く、約7割を占めます(平均年齢は39.8歳)。

30代~40代は、結婚、出産、子どもの就学、転勤・転職、親との同居・近居など、暮らし全体を見直すきっかけとなる出来事が目白押し。その結果、住宅購入という大きな決断に至ることが多くなります。

表 住宅購入のきっかけ

「子どもの就学を機に、環境の良い場所に落ち着きたくなった」
「住みたいと思っていた街で理想的な物件に出合った」
「それなりに貯蓄ができたから、資産として家を持ちたくなった」
「父が亡くなり、高齢の母との同居を検討するなかで住宅購入を決意した」
「家を持つことが二人の夢だったので結婚を機に購入した」
「家を買うことは前々から考えていたので時間の取れる育児休業中に検討、購入した」
「勤務先の社宅制度がなくなるため、新居を探す必要に迫られていたところ希望に合う物件を見つけたので購入した」
「家業を継ぐためにUターンすることになり、その後は定住することが前提のため購入を決意した」
「転勤先から戻り、落ち着いて住みたかったので購入した」
「今よりも広い家に住みたいという希望があって探していたところ、より理想に近いのが購入という選択肢だった」

一方で、一生家は買わないという選択をする人も増えています。大きなローンを背負うことへの不安や災害リスクなどを理由に賃貸住まいを選択するようです。

賃貸と持ち家それぞれのメリット

住宅を買うのがいいか、借りるのがいいかという問題については、経済的な面では金利の水準や返済年数といった住宅ローンの条件、住み替えの有無や何歳まで生きるかなど前提条件によって変わるため、どちらかが絶対的に有利ということはありません。結局のところ自分に合っているかどうかに尽きるのですが、全体としては約8割(国土交通省 平成 28年度「土地問題に関する国民の意識調査」より)の人が家を持ちたいと考えています。

ただし、性別や年齢、居住地域による差はあり、女性より男性、若年層より高齢層、大都市圏よりも地方圏の方が家を持ちたいという意識が強い傾向にあります。

表 持ち家派と賃貸派それぞれの声

持ち家派のメリット 賃貸派のメリット
・家は資産になる
・自由な住み方ができる
・安心感が得られる
・住み替えがしやすい
・大きなローンを抱える不安や災害のリスクが少ない
・維持管理がラク

また、家を買うとしてもマンションもあれば戸建てもあり、新築もあれば中古もあるという具合に選択肢は少なくありません。それぞれにメリットやデメリットがありますから、どのように暮らしたいかという希望と予算に照らしながら選択していくことになります。

表 住まいの選択例

後編では、住宅を購入するにあたり知らなければならない、「実際に自分がいくらまでなら無理なく買えるか」が簡単にわかる方法を紹介します。

>>年収の5倍程度ではない?! あなたが無理なく買える物件価格は?(後編)に続く

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
プラチナ・コンシェルジュ ファイナンシャル・プランナー 國場弥生

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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