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消費増税の再延期と国内金利の見通し

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(写真=PIXTA)

安倍首相は2017年4月に予定されていた消費増税を2年半後の2019年10月に再延期することを正式に表明しました。円債市場では今年に入り消費増税の再延期に関する思惑が浮上していたこともあり、今回の決定による国内長期金利への影響はひとまず限定的にとどまっています。

今後は政府の方針をサポートするための日銀による追加緩和の可能性や、参院選後に予想される第2次補正予算の規模等が円債市場に及ぼす影響に次第に関心が向かうでしょう。国内長期金利は引き続き低水準でもみ合う展開が続くとみられます。

安倍首相、消費増税10%への実施時期を2年半先送りすることを正式に表明

安倍首相は6月1日の通常国会会期末に記者会見を開き、2017年4月に予定していた消費税率8%から10%への引き上げを2年半延期して2019年10月にすることを正式に表明しました。

首相はこの1年余りで世界経済は不透明感を増していると指摘、内需の腰折れを避けるため税率引き上げの延期を判断したと説明しました。そして、6月22日公示、7月10日投開票の日程で参院選を実施し国民の信を問うとしました。

消費増税の再延期が国内長期金利に及ぼす影響は限定的との見方

5月後半は4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を受けて6月FOMCでの利上げ観測が再燃し米長期金利が上昇、国内長期金利にも上昇圧力がかかりました。ただ、5月末には米長期金利の上昇が一巡したため国内長期金利の上昇は限られました。

円債市場では今回の増税延期について、安倍首相が任期中に2度の消費税率引き上げを行うことは困難とする見方もあったため、改めて材料視する動きは乏しいです。国債の格下げを懸念する声もあるものの、財政懸念を背景とした売り圧力よりも日銀による国債大量購入の影響が勝るとみる向きは多く、増税延期が円債市場に及ぼすインパクトは限定的と受け止められています。

しばらく時間を置いた後、増税延期と合わせて議論が進むとみられる第2次補正予算の規模から国債増発の可能性がどこまで高まるかに市場の関心が向かうでしょう。

海外の重要イベントを注視しつつ、日銀による追加緩和等に注目

6月は利上げの有無が注目されるFOMC(6月14日~15日)やイエレンFRB議長の半期議会証言(6月21日~22日)、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票(6月23日)等、海外で重要なイベントを控えています。

FOMC後には日銀の金融政策決定会合(6月15日~16日)も予定されており、安倍政権が財政拡張方針をとるのであれば、日銀に対しても政府の方針をサポートする目的で追加緩和を期待する動きがくすぶり続けるでしょう。物価の低迷も続いており、7月28日~29日の会合で公表される「経済・物価情勢の展望」の景気や物価見通しに対する修正度合いを巡り、追加緩和観測は残るとみられます。

6月FOMCでの利上げの有無等、海外の重要イベントが円債市場に及ぼす影響を注視しつつ、本邦長期金利は引き続き低水準でもみ合う展開を予想します。

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