
この記事は、みずほ証券YouTube公式チャンネルとのコラボ企画です。みずほ証券の鈴木さんが外国為替の基礎知識を解説する「みずほ為替塾」から、ポイントを要約してお届けします。(記事一覧はこちら)
今回のテーマ | マネーフローでみるドル/円の長期ビュー |
前回の記事で、日米の経済成長力から見るドル/円の見通しは「ドル高円安方向」である、という動画を解説しました。鈴木さんは続けて、マネーフローの観点からドル/円の長期的な見通しを説明しています。
国際収支とドル/円
鈴木さんは、外国との貿易等によるマネーフローの動向が、長期的なドル/円の見通しにつながると言います。それらは「国際収支統計」で見ることができ、中でも為替相場への影響が大きい「経常収支」について解説しています。
鈴木さんの解説動画はこちら
「国際収支統計」の説明から再生が始まります。
国際収支<経常収支<貿易収支
国際収支の中の経常収支は次の4項目に分類されます。
項目 | 内容 |
貿易 | 物の輸出入の収支 |
サービス | サービス取引の収支(旅行者の使ったお金など) |
第一次所得 | 対外金融債権・債務からの利子、配当金など |
第二次所得 | 無償援助の収支(国際機関への拠出や出資、食料品など消費財の援助) |
この中でもっとも為替相場に影響力を持つのは「貿易」であり、そのマネーフローについて鈴木さんは説明しています。
輸出は円高圧力に、輸入は円安圧力に
日本で作った製品を米国で売ると、日本企業は米ドルで売り上げを得ます。その売り上げを使って日本国内で増産や設備投資を行うとき、米ドルを円に換える必要がありますので為替相場では、米ドルによる円買いが行われることになります。これが、日本製の自動車が米国で売れるほど円高圧力となるマネーフロー(左図)です。
輸入の場合(右図)は逆のことが起こります。例えば、日本の企業が原油を輸入するには、まず円を米ドルに換え、その米ドルで原油を買い付けるので、このとき為替相場では、円によるドル買いが行われます。これが、日本が原油を輸入すればするほど円安圧力となるマネーフローです。
このように鈴木さんは、貿易等によるマネーフローの動向が、長期的なドル/円の見通しにつながることを説明しています。
貿易黒字と貿易赤字
経常収支の上では、輸出による売り上げは「貿易黒字」と表現され、輸入による支払いは「貿易赤字」と表現されます。ニュース等で「貿易赤字が増大」といった言い回しを聞くこともありますが、これは輸入による支払いが増大している、という意味になります。一般的な「赤字」のように収支でマイナスが増大している、という意味ではないことも、知っておきましょう。
鈴木さんの解説動画はこちら
「輸出入による為替フロー」の説明から再生が始まります。
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