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今回のテーマ | 金利平価説を検証 |
前回の記事では、為替相場の決定理論の一つである「金利平価説」について、鈴木さんの解説を見ていきました。今回の記事では、実際の為替相場を振り返りながら、金利平価説を検証する鈴木さんの解説を見ていきましょう。
現実の「通貨と金利」の関係
金利平価説では「高金利通貨ほど将来価値は安くなり、低金利通貨ほど将来価値は高くなる」と考えます。これに対して鈴木さんは、現実的には異なる動きを示すことが多いことを説明しています。
✔︎ 中央銀行が利上げを行うと、一般的にその通貨価値は上昇する |
✔︎ 逆に利下げを行うと、その通貨価値は下落することが多い |
✔︎ 為替相場は金利差とも正の相関を示すことが多い |
つまり、必ずしも金利平価説のとおりには動かず、むしろ理論と逆の動きを示すことも多いと説明しています。
鈴木さんの解説動画はこちら
「ドル/円相場と日米金利差の比較」から再生が始まります。
なぜ為替相場は理論通りに動かないのか
これについて鈴木さんは、実際の為替相場は金利以外にも様々な要因が加わるので、「金利」だけの金利平価説の理論通りに動くとは限らないのではないか、と説明しています。
動画では、次のグラフによって過去のドル/円と金利差の関係を確認しています。

金利平価説に基づくならば、2本の折れ線は相反する動きを描くはずですが、2010年以降のデータでは、必ずしもそうなっていないことが分かります。
2015年から2017年までを除くと、全体的な方向感としては相反ではなく連動していると言えそうです。
決定理論としての金利平価説を実際に評価すると
実際の為替相場はさまざまな要因が関係するため、金利平価説を決定理論として扱うことは難しいと考えているようです。
✔︎ 金利平価説によれば高金利通貨ほど減価する |
✔︎ しかし、現実的には逆の動きも多く観測される |
✔︎ 金利平価説は、為替相場の判断材料のひとつとして扱うのがよい |
鈴木さんは最後に、金利平価説のように高金利通貨ほど減価するという理論もある一方で、金利が高くなれば通貨としての魅力が高まり相対的に買われやすくなるという側面もあることを説明しています。
鈴木さんの解説動画はこちら
「結論:為替相場の決定理論」から再生が始まります。
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