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中国のアリババ「独身の日」商戦、取引額1.9兆円!

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(写真=PIXTA)

2016年のオンライン商戦「独身の日」のテーマは商取引とエンターテインメントの融合

2009年に、中国電子商取引(EC)最大手のアリババ・グループ・ホールディング(以下、アリババ)が、11月11日の「独身の日」に大規模なタイムセールイベントを開催して以来、中国では11月11日は一大オンライン商戦の日として熱狂的な盛り上がりをみせています。

2016年の「独身の日」でも、アリババのECサイトでの総取引額(GMV)が15年比32%増の1,207億人民元(約1.9兆円)と拡大が続いたほか、オンライン小売大手のJDドット・コムもGMVが同59%増と高い伸びを示し、ともにスマートフォン等のモバイル端末経由の取引が成長のけん引役となりました。

また、アリババは「独身の日」に先立ち、消費者が提携ブランドの仮想店舗上でショッピングを楽しむことができるVR(仮想現実)ショッピングサービスの「Buy+」や実店舗でのAR(拡張現実)ゲームによって割引特典を獲得できるO2O(Online to Offline)サービスを展開し、商取引とエンターテインメントを組み合わせた新たな消費体験を提供しました。

「独身の日」は、アジア、欧米を中心に世界各国の大手小売ブランドが参加し、米国のブラックフライデー、サイバーマンデーを上回る世界最大級のオンライン商戦へと成長しています。今後も中国における電子商取引の裾野拡大を同商戦がけん引していくことが期待されます。

alibaba

米国では感謝祭(11月の第4木曜日)明けの金曜日をブラックフライデーと呼び、クリスマス商戦がスタートします。この日は百貨店などが大幅な割引を行い、黒山の人だかりができて店も黒字になることからブラックフライデーと呼ばれるようになったそうです。

このような11月に行われる大規模なセールスを日本でも取り入れようとの動きがあり、今年もイオンやトイザらス、GAPやユニクロなどがブラックフライデーに合わせて大型セールを実施すると発表しています。

今後、中国の独身の日や米国のブラックフライデーのように、国中が盛り上がるような大規模なセールスイベントに成長していくことも期待できるのではないでしょうか。

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