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日経平均株価が2万円台回復!今後の展開予想は?

(写真=KenDrysdale/Shutterstock.com)

1年6ヵ月ぶりに2万円の大台回復

2017年6月2日、日経平均株価は大幅上昇し2万円台の大台を回復しました。日経平均株価が2万円台を上回るのは2015年12月以来、1年6ヵ月ぶりのことです。今後は同年の高値である2万868円をめざす展開になりそうです。

有名な相場の格言に「セルインメイ(株は5月に売れ)」というものがありますが、2017年の日本株は5月に入ると反発。日経平均株価はフランス大統領選挙でマクロン氏が勝利したことやアメリカの2017年度予算成立を受けて5月8日に450円上昇しました。

その後、国内企業の決算発表で2018年3月期の増益が予想され5月11日に1万9,961円と年初来高値を更新し、2万円台まであと一歩というところまで迫りました。

しかし、5月17日にはトランプ大統領によるロシア疑惑(米大統領選にロシアが干渉し、トランプ大統領が共謀したのではないかという疑惑)が浮上したためNYダウは400ドル近く下落し、日本株も一時1万9,400円台に下がっていました。

なぜ2万円台に大幅上昇?

北朝鮮の核・ミサイル問題やトランプ大統領の動向など不安要素があったためしばらくは様子見ムードが続くかと思われましたが、米経済指標の結果が堅調に推移し、依然としてアメリカ経済が力強いことが米国の株高につながり、日本株もその後を追う形になりました。

6月の株主総会を前に自社株買いや成長投資の拡大など企業の資本効率改善に向けた動きが予想されるため、海外投資家の2017年累計は5月に差し引き買い越しに転じています。

日本企業の2017年3月期の好決算と2018年3月期の増益予想や、米金利引き上げの継続で日米の金利差が拡大し、円高リスクが後退していくとともに、海外勢の見直し買いの継続が今後も期待されます。

注目の業種は?

2017年に入ってからの業種別の株価をみていくと、TOPIX全体が+3.3%に対してその他製品が+18.4%、パルプ・紙、ゴム製品、化学、電気機器、サービスの7業種が2ケタ上昇を記録しました。一方で鉱業、輸送用機器、銀行などは下落しています。

とくに化学、電気機器は高機能なスマートフォンの普及が世界的に進んでいることを背景に半導体市況の改善とともに、業績の上振れが期待されています。また、「働き方改革」のさらなる進展により人材派遣企業や情報通信業にも期待が集まっています。

久しぶりに日経平均株価が2万円の大台を回復し盛り上がりが期待される株式市場ですが、この勢いはどこまで続くのでしょうか? 株高に沸く一方で、調整の時期がいつ頃になるのか心配する投資家も少しずつ増えつつあるのかもしれません。

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