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今世紀最大の産業イベント!? 自動運転車が走り出す!

(写真=posteriori/Shutterstock.com)

2025年にはわたしたち消費者も自動運転車を手にする時代になるかも?

自動運転について、航空機、自動車、商用車等の技術者や研究者で構成される国際組織SAE International (Society of Automotive Engineers:SAE)では、その技術レベルに応じて0~5に設定しています。

レベル0は人がすべての運転を行うレベル、現在の先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System:ADAS)がレベル1やレベル2であり、レベル3~5は高度な自動運転とされ、レベル4は走行区間や天候等の条件付きの自動運転、レベル5はあらゆる条件での自動運転と定義されています。

自動運転レベルの定義概要(SAE J3016)

レベル 概要 安全運転に係る監視、
対応主体
運転者がすべてあるいは一部の運転タスクを実施 レベル0
<運転自動化なし>
運転者がすべての運転タスクを実施 運転者
レベル1
<運転支援>
システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施 運転者
レベル2
<部分運転自動化>
システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施 運転者
自動運転システムがすべての運転タスクを実施 レべル3
<条件付自動化>
システムがすべての運転タスクを実施(限定領域内※)
作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求に対して、適切に応答することが期待される
システム
(作動継続が困難な場合は運転者)
レベル4
<高度運転自動化>
システムがすべての運転タスクを実施(限定領域内※) 作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない システム
レベル5
<完全運転自動化>
システムがすべての運転タスクを実施 作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない システム

※ここでの「領域」は、必ずしも地理的な領域に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件などを含む。
出所:内閣官房 IT総合戦略室資料より作成

現在、日本でわたしたちが耳にする自動運転といえば、運転手が運転に対して何らかの関与をしているレベル2までとなりますが、このレベル2からシステムが主として運転に関わるレベル3への移行というのはなかなか難しいようですが、最近ようやくレベル3の市販車がでてきました。

多くの自動車メーカーは2020年頃にレベル4を実現しようとしており、2025年頃にはわたしたち一般消費者向けにも販売がはじまるかもしれません。

自動運転車社会がやってくる?

2020~2021年には自動運転車のある社会が到来し、2025~2030年頃にはわたしたち一般消費者にも自動運転車が普及しはじめることになるかもしれません。レベル5の実現に向けて、人工知能(AI)技術やヒトとAIが意思疎通を図るヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)等の新たな技術の利用も進んでいくでしょう。

周辺産業に大きな波及効果をもたらす自動運転車

完全な自動運転車に近づいていくなかで、周囲を認識するセンサや判断を行うソフトウエア/AI、つながる化のための通信機能、使用者向けのインターフェース、不正なアクセスに備えたセキュリティなどの重要性がますます高まってくるでしょう。自動車メーカーや自動車部品メーカーはこれまでの枠にとらわれない、業界を超えた幅広い産業・企業との提携や合併を加速させています。

最先端の技術を取り込み自動運転技術が進化

*エネルギーを物理的な運動に変換する機械要素。ドアミラー用モーター等 出所:各種資料より作成

2020年頃のレベル4の実現に向けては、センサや半導体等のエレクトロニクス技術の重要性が一段と増すことになるでしょう。

使用される電子部品の数やLiDAR(※)といった新たな高付加価値センサの需要が増加していくものと想定されます。また、カメラやセンサの情報を処理する高機能半導体の需要も高まっていくでしょう。自動車と関連度の高い電子部品メーカーにも大きな恩恵が生じる可能性があります。

さらに、運転を完全にシステム化したレベル5の自動運転車では、AI技術の向上とともに、システムの稼働状況やAIの認知/予測レベルを表示するヒューマン・マシン・インターフェース(Human Machine Interface:HMI)の重要性が高まってくるでしょう。バックミラー、サイドミラー、フロントガラスなどをディスプレイにしていく動きも生じると考えられます。

また、クルマが通信でつながることで、トラック輸送が効率化されたり、自動車産業に新たなビジネスが創出されることも期待されます。人が運転に関与しないことから自動車保険の仕組みも変わっていくでしょう。現に自動運転対応の特約をつけた保険が販売され始めています。

自動運転車の開発は幅広い産業を巻き込む今世紀最大の産業イベントになることが期待されます。

※LiDAR:周囲の環境認識や自車位置の推定のために、対象物までの距離や形状・性質を計測・分析するセンサ。レベル3以降の自動運転車に搭載される可能性がある

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