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米個人消費の裏側にある「返品」という文化?

( 写真-Robert Kneschke/shutterstock.com)

アメリカ人は買い物が大好きですが、その裏側には「遠慮なく返品する」文化が隠されています。日本の感覚ではちょっと非常識なのでは?と思われる返品を堂々と行う消費者も多いのですが、店側もネット小売りや同業他社に顧客を取られるくらいなら、とりあえず店まで客が足を運んでくれることの方が大事、という考え方があるのでしょう。

アメリカ人の買い物好きの裏側にある「遠慮なく返品する」文化

米国経済をけん引するとされる個人消費。確かにアメリカ人は買い物が大好きですが、実はその裏側には「遠慮なく返品する」という文化が隠されています。米国では、「返品できるからこそ買う」「返品を前提に買う」消費者も多く、一方で小売店側も購入後1ヵ月、長いところでは3ヵ月以上まで、たとえ完全に使用後であっても返品を受け付けてくれるところがほとんどです。

これは消費者にとってみれば大変助かるシステムなのですが、「日本の感覚で考えると、ちょっと非常識なのでは?」と思われる返品を堂々と行う消費者も多いようです。以下、これまでに自分が目にした返品の例をいくつか挙げてみます。すべてノンフィクションです。

・大学生の頃、寮のラウンジで「ムービー・ナイト」(学生が夜にお酒を持ち合って、みんなで映画を観る会)があったので顔を出してみると、一般的にお金に困っている学生がとても買えるとは思えない新品の大型テレビと高価なサラウンドのホームシアターシステムが準備されていた。「これ誰の?凄いね!」と聞くと、「さっきクレジットカードで買って、翌日の朝にはすべて返品する」との返事。

・ あるディスカウントストアでの話。天気予報を観たらハリケーン上陸とあったので、念のためペットボトルの水や食料品等を買い出しに行ったら、レジが長蛇の列。これ自体は特に不思議ではないのだが、ハリケーンが去った翌々日に再び同じ店に買い物に行ったら、今度はそれらの水や食料品を大量に返品する人の長蛇の列ができていた。

・ 地域一帯が停電した後には、近所のスーパーに解凍された冷凍食品を返品する人の列ができる。

・ また別のディスカウントストアでの話。完全に枯れてしまった植木を返品する買物客を目撃!

・ 自分はクルマ好きであるため、あるカー用品の店で高価なワックス(缶入り、固形)を購入。家に戻り、さっそく愛車にワックスをかけようとその缶を開けてみると、半分くらいしか入っておらず、明らかにスポンジの跡が見える。誰かがそれを買って、クルマにワックスをかけた後、返品したらしい。

とりあえず店まで客が足を運んでくれることが大事?

こういった返品が相次ぐと、店側もさぞかし迷惑だろうと思いますが、一方でインターネット小売りや同業他社に顧客を取られるくらいなら、とりあえず店まで客が足を運んでくれることの方が大事、という考え方もあるのでしょう。買ったワックスが使用済みであったのには、さすがにあきれましたが、案外、こちらの人(返品した人と、それを買う人)は、そういうことを「気にしない」のかも知れません。これもひとつの文化か?

 

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