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他人事じゃない!? アラフィフでお給料が減る現実・必要なお金(後編)

(写真=Gotty Images/Thinkstock)

前編では、月8~11万円程度あればリタイア後に最低限生活ができることを科学技術ライター・コンサルトの石田克太さんがお話ししています。ここで注意が必要なのが、この金額はあくまでも現在の物価レベルを基にした試算であり、今後政府の目標通りインフレが進むようなら必要な費用は増えていくということ。
近年、「副業」を認める企業も増えてきていますし、株高傾向にある今だからこそはじめる「投資」という選択肢もあります。後編では退職後に備えて、これらの活用法についてお伝えします。

>>他人事じゃない!? アラフィフでお給料が減る現実・必要なお金(前編)はこちら

「副業」はネットでの不要品販売から本格的な技能活用までさまざま

退職後に備えて現役中にできるだけの蓄えは確保したいところですが、役職定年等によって収入が減る可能性があります。定年後の再雇用を選択したとしても、大幅な減収はほぼ確実。そこで近年注目を集めているのが給料とは別に副収入を得る「副業」です。

最も手軽なものは、ネットを活用した不要品販売でしょう。現在は「ヤフオク」等のネットオークションや「メルカリ」等のフリーマーケット系ネットサービスが充実してきており、誰もが手軽に参加することができます。こうした不要品の販売は、退職後のコンパクトな生活に向けての“断捨離”効果もあります。生きがい・趣味の「選択と集中」のためにも、読み終えた書籍や視聴済みのDVD、CD等、あるいは過剰に増えたなスーツや鞄類等を処分して、お金を稼げるのですから一石二鳥といえるでしょう。

趣味を活かした副業ということならば、やはりネットを活用して、「YouTube」等へ動画を投稿して広告収入を得たり、「minne(ミンネ)」に代表されるハンドメイド品の販売サイトで、アート作品、衣料品、食品等を売る方法もあります。

会社の就業規則で認められている場合に限られますが、勤務時間外にアルバイトをすることは、副収入以外にもマンネリになりがちな会社員生活に刺激をもたらすメリットもあります。また、退職後に本格的に料理をはじめたいと考えている人が、ファミレスや総菜チェーンの厨房で学びながら働くのは楽しいことでしょう。

休日や退社後の時間を最大限利用して、自分のキャリアや技能、資格等が活かせる副業を行い、会社勤務との“ダブルワーク”とする、というレベルの副業もあります。軸足は会社での“本業”に置くべきでしょうが、本業・副業を通じて将来に向けた情報収集・人脈構築を意識することで、退職後にその分野で起業したり、フリーランスで働いたりする道を切り開くこともできます。

現役時代の投資は、退職後の本格的な投資のための勉強期間と考える

現役時代の貯蓄や退職金によって、リタイア後の生活費の補充、あるいはよりゆとりある生活のために、投資で利益を得るケースがあります。アベノミクスによる近年の株高傾向やネット証券の浸透等によって、投資は一般の人にかなり身近なものになりました。また、長年社会人として経験を積み、企業や経済の仕組みをそれなりに理解しているリタイア世代は、若い投資家に比べて優位な立場にあるともいえます。

とはいえ、投資はリスクがつきもので、自分の資産を減らさないためには新たな勉強・情報収集や経験に基づく「勘」も必要となります。だから「リタイアしてから本格的に投資をはじめる」のではなく「現役時代から、限定的な投資を通じて経験と勘を養っておく」ことをお薦めします。

それではこの“慣らし運転”期間には、どういう投資をすればいいのでしょうか? いうまでもなく、投資に「絶対」はありません。ここで、筆者自身の成功・失敗体験に基づいた、「私見」を紹介させていただきたいと思います。ポイントは以下の5つ。

①余裕資金の範囲で行う
②対象は日本株の個別銘柄
③大手優良企業5~7銘柄程を買う
④できるだけ多様な業種を網羅する
⑤保有株の騰落を「マクロ経済」「ファンダメンタル」「テクニカル」の観点から絶えずチェックする

①余裕資金の範囲で行う
いうまでもありませんが、投資は銀行預金と違って元本が保証されるものではなく、損をする可能性があります。2008年のリーマンショックのような事態が起こると、投資額が半分以下にまで減少してしまうこともあります。もし損をしてしまっても、損失金額を「本格的に投資をはじめる前の授業料」と割り切れる程度の額にすべきでしょう。

②対象は日本株の個別銘柄
株式、FX、債券、ETF、投資信託、商品先物等、投資の対象はさまざまですが、株は価格の変動要因が比較的少なく、主要なものはその会社の業績です。そのため為替に連動するFX等と比べ、企業サイトや新聞等で得られる情報によって騰落を予測することが“比較的”容易です。また「どういう特性の企業の株価がどういう状況下でどの程度上がるか(あるいは下がるか)」という関係性を学べるという点で、ETFや投資信託よりも良い「学習教材」となります。

③大手優良企業5~7銘柄程を買う
最初は大儲けをねらうのではなく、比較的株価暴落リスクの低い大手優良企業の株を買うことをお薦めします。はじめて株式投資をすると、こうした優良銘柄でも意外に大きく値動きするので驚くと思います。また、あまり多くの銘柄を持つと、②で説明した「どういう状況でどの程度上がるか(下がるか)」をそれぞれの株でチェックするのが難しくなります。もちろん銘柄の選択や買いどき・売りどきを決めるには、十分な情報収集が必要となります。

④できるだけ多様な業種を網羅する
「情報技術」「化学」「食品」「サービス」「機械」「通信」等といった企業業種をできるだけ分散して銘柄を保有することで、経済や社会情勢のさまざまな変化に対する、その業界の株の変動パターンを学ぶことができます。また、輸出関連企業と輸入関連企業の両銘柄を持つことで、為替と株の関係性についても知見を得ることができます。

⑤保有株の騰落を「マクロ経済」「ファンダメンタル」「テクニカル」の観点から絶えずチェックする
株式投資の重要な指標として「マクロ経済(GDP等の動き)」、「ファンダメンタル(企業業績等)」「テクニカル(株価チャート分析)」があげられます。株価はこうした指標通りに動くこともあるし、動かないこともあり、そこが投資の難しいところです。しかし、これらが長年重要な指標として使われているのは事実であり、保有銘柄の株価の動きを3つの観点から逐一チェックすることで、株式投資に対する有益な経験を積み、勘を磨くことができるはずです。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
科学技術ライター・コンサルト 石田克太

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

 

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