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さおだけ屋はなぜ潰れないのか?作者直伝「誰でも数字に強くなる方法」

ベストセラー新書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の作家にして、公認会計士&税理士としても活躍を続ける山田真哉さん。公認会計士というお仕事上、数字にはお強いはず。そこで今回は、“誰でも数字に強くなる方法”を山田さんにお聞きします。

使わなければお金は貯まる 使うなら天引きしておく これが鉄則

――世間には、数字アレルギーを自認する方も多いようです。やはり、数字に弱いとお金が貯まらない?相関関係はあるのでしょうか。

公認会計士試験も結局、8割が筆記試験、論文なのですよ。2割が数字。決算短信にしても数字がびっしり並んでいるのは後半で、前半はほとんど文章ですよね。数字が苦手な人は、文章をしっかり読み込めば良いのではないのか?というのが持論です。

私は数字が得意でも苦手でもないですけれども、文学部(日本史専攻)出身なので、文章はよく読んでいます。そもそも会計って、社会科学と呼ばれるジャンルにカテゴライズされています。自然科学ではないですから、別に数字は必要ない世界なのだととらえていて、そんなに苦手だったら数字なんて見なくても理解できるし、成立すると思っています。

ですから、お金が貯まる、貯まらないも数字に強い、弱いという問題ではなく、文脈を知っているか、知っていないかだと思うのです。要するに、極論としては、使わなければお金は貯まるし、使ってしまう人は、天引きをすればいいのです。これって簡単な日本語ですよね。複雑な数字の世界の話ではありません。

数字が苦手だったら文章を読めばいいのです。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を書いているときに気をつけたのはまさにそれで、数字はほぼ書いていないし、数式はいっさい載せていません。基本的には縦書きで書かれている会計の本って、だいたい数字は載っていませんから。

ちなみに天引きの話って、仏教の経典にも載っているみたいなんですよね。そうすればお金は貯まるって。一千年以上前から言われていることは、だいたい真理だと思いますので、使わないか、天引きするかしかない。

お金が貯まらないのは意識の問題。何か無理がある。

それでもお金が貯まらない人は、何かしら致命的欠陥があるのでしょう。入ってくる額よりたくさん使ってしまうとか。これって数字に強い、弱いの話ではないですよね。意識の問題です。

会計事務所をやっている経験上、お金が常にない人って、やはり明らかに無理がある人なんですよ。例えば、普段は節約しているけれども着物を買ってしまう人がいるのですが、そうなると帯も買うし、高級店で購入してしまう。これって全然だめですよね。お金が貯まるわけがありません。

お金が本当にないけれども、どうしても一戸建てがほしいという人もいました。買ったのはいいけれど、ローン負担で生活が立ち行かなくなってしまう。お金がないならば売ればいいのに、思い入れが強すぎて踏み切れないのです。自分のお客さんを見ていると、もはや数字の問題ではないんですね。明らかにキャパオーバーの夢を追っている。もしくは、それを解決する方法を考えていないケースが多いのです。

例えば、インターナショナルスクールに行かせたいと考えている親御さんがいます。学費はなんだかんだで年間300万円くらい。これではけっこう、苦しい家計になってしまう。だったら引越せばいいんです。東京では300万円ですが、福岡なら100万円で通わせることができる。

この300万円と100万円の差額を12年間で考えたら非常に大きなものになります。この話も数字に強い、弱い云々ではなく、算数レベルの話だと思いますし、それ以前に、引っ越しするくらいまで教育に熱心かどうか?という優先順位の話ですよね。

世の中の至るところに矛盾がある。お金も同様。

いかにして、このような矛盾に気づかせてあげるかというのが、私の税理士としての仕事だと思っていますし、言うなれば、お金に絡む問題って、矛盾から生じているケースがほとんど。“お金が欲しいけれど、これをやりたい”とか、“お金を貯めたいけれど、これは死守したい”とか。こういった矛盾を明らかにして、“これでは破綻しますよ”と示して差し上げる。

これって、もう完全に国語の世界なのですよ。国語の勉強って、だいたい矛盾をとらえるところから始まります。例えば、“西洋はこういう文化だが東洋はこう、さあ、これからどうしましょう?”とか、あるいは“主人公はこう思っている。でも相手は、こう考えている。では、どうしましょう?”といった具合に。矛盾をはらんだ物事の文脈を読めというのが現代文の授業の趣意だったりしますよね。

それはなぜか?結局、世の中がそうだからに他なりません。至るところに矛盾が生じているのです。その矛盾をどうしましょうか?解決するために、あらゆるところでソリューションが実施されています。

お金についても同様のことが言えると思うのです。お金の問題やトラブルって、例えば、優先順位の問題であったり、責任が不明確だったり、旦那さんのせい、奥さんのせいにしたりとか、だいたいがそこに行きつきますよね。

数字に強ければ投資がうまくいくというわけではない

繰り返すようですが、数字に強ければ投資が上手くいくということは決してありません。数字に強ければ、資産が形成できるかといったら、それも違います。だって、数学者がみんな、投資が上手かと言ったら、そんなことはないですよね。

 

山田 真哉(やまだ しんや)
公認会計士・税理士
一般財団法人 芸能文化会計財団 理事長

神戸市生まれ。公認会計士・税理士。大学卒業後、東進ハイスクール、中央青山監査法人(現・PwCあらた有限責任監査法人)を経て、芸能文化会計財団の理事長に就任。
主な著書に、160万部のミリオンセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)、シリーズ100万部『女子大生会計士の事件簿』(角川文庫他)。
現在は『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』(文化放送)・『坂上&指原のつぶれない店』(TBS)等にレギュラー出演し、約60社の顧問、内閣府の委員等を務めている。

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