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今話題のiDeCo。セカンドライフに向けた効果的な運用方法とは?FP風呂内亜矢さん。

『その節約はキケンです-お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか』や『超ど素人がはじめる資産運用』など、数多くの初心者向けの金融系書籍を発表し、テレビや雑誌など多岐にわたるメディアで活躍中のファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢さん。

年金制度に精通している風呂内さんに、個人型確定拠出年金(iDeCo)についてお聞きしました。iDeCoを使ってセカンドライフに備えるとはどのようなことをいうのでしょうか。

話題のiDeCoとは?NISAとの違いは?

──2017年より利用者が拡大した個人型確定拠出年金(iDeCo)についてお話をお聞きしたいと思います。iDeCoはNISA(少額投資非課税制度)と一緒に投資をしようといわれることがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。

風呂内さん:簡単にご説明しますと、iDeCoにはNISAやつみたてNISAにはない利点がいくつかあります。まず一つ目は、自分が拠出した金額が所得控除されるので、節税につながるという点ですね。また、運用益も非課税になります。NISAの場合、非課税期間は原則5年間、最長10年ですが、iDeCoは最長70歳まで非課税期間が続くという違いがあります。

そして、iDeCoの特徴として特殊なのが、選択できる金融商品のなかには元本確保型と呼ばれる定期預金や保険も含まれていることです、どうしても投資が苦手だという方でも、安心して始めやすいという特徴があります。

また、60歳を迎えてお金を受け取るときにも控除が受けられるというメリットもあり、セカンドライフの準備資金としてとても優れている制度だといわれています。

──では、iDeCoにはデメリットはないのでしょうか?

風呂内さん:NISAがいつでも現金化できるのに対して、iDeCoは原則として60歳まではお金を受け取ることができません。それはデメリットといえるでしょう。また口座開設や維持に手数料がかかる点にも注意が必要です。

とはいえ、iDeCoの掛金は5,000円から設定できますし、豊かなセカンドライフを送るためにも、始める価値は高いと思います。手数料の存在を考えると1万円以上60歳までかけ続けられそうなタイミングでスタートするのもいいですね。

──国民年金や厚生年金などのこれまでの年金に加えて、新たにiDeCoに加入した方が良い理由はなんですか?

風呂内さん:セカンドライフで実際に使われている月々の生活費は、総務省統計局の2016年の調査によると、2人以上の世帯の平均値として、60代前半で約29万円、60代後半で約27万円、70代以上で約24万円と発表されています。年齢とともに下がっていくとはいえ、セカンドライフには結構なお金がかかるということがわかります。

また、60歳で定年退職をすると想定すると、現在発表されている日本人の平均寿命から考えて90歳までの30年分が必要になります。最近では、人生100年などといわれることもありますので、長生きすることを前提として、セカンドライフに備えるお金は少しでも多い方が安心できるということがわかりますよね。

それが、これまでの年金に加えて、iDeCoも利用した方が良いという理由です。

豊かなセカンドライフに備えるためには

──2017年の制度変更により、会社員や主婦(主夫)も加入対象者に加わりましたが、それは主婦や会社員もiDeCoに加入した方が良いということですか?

風呂内さん:制度の変更によって、iDeCoに加入できる人はふえましたが、拠出できる金額は職種や年収によって異なります。始める前に、自分がいくらまで拠出できるのか限度額を調べて、限度額を今の年齢から60歳まで支払った場合の総額を計算してみてください。その総額よりも現在の貯蓄金額が多ければ、今すぐはじめたほうがいいでしょう。

──そこまでの貯蓄金額に満たない人は無理に今すぐ始める必要はないですか?

風呂内さん:途中で支払いができなくなると困りますので、やはり先に貯蓄を作っておくほうが良いでしょう。途中で掛け金を減らすこともできますし、お休みすることも可能ですが、それでも年間手数料はかかってしまいますので手数料割合を減らす意味でも事前にまとまった資金があると心強いです。

──では、iDeCoの加入前に備えるべき預貯金の目安はいくらでしょうか?

風呂内さん:たとえば、45歳からはじめると設定すると、掛金の上限額が毎月2万円の人であれば2万円×15年分の掛金=360万円ですね。上限額をあらかじめ貯蓄しておくと、そのお金をスライドするだけですから無理なく続けることができると思います。

そして20代、30代の方なら、45歳までにiDeCo以外の方法で360万円貯めることを目標にするのもいいと思います。iDeCoよりライトに始められるNISAやつみたてNISAを利用するのも良いと思いますよ。

──今、例としてあがった45歳というのは、iDeCoを始める最適な年齢ということでしょうか?

風呂内さん:厳密には20歳以上で条件を満たす人であればいつ始めてもいいのですが、45歳でしたら15年先には受け取れるお金ということになりますよね。実際、40代の半ばというのは子どもが大学に通っている方も多いと思いますので、手元のお金が必要な時期ではあるんですけど、15年後には手元に返ってきて、かつ税制優遇を受けられるのであれば、始めやすい時期ではないかと思います。

──45歳までに目標額が貯まりそうもないという方はどうすればよいでしょうか?

風呂内さん:今、お話したのは理想の金額ですので、必要最低限の金額を知りたい場合は、ライフプランシートを作ってみることをおすすめします。インターネットで検索するとライフプランのシミュレーションができるサイトが見つかります。年齢、働き方、収入、現在の貯蓄額などを入力するだけで、おおよその自分の状況が確認できますので、セカンドライフにいくら必要なのかがわかりますよ。

そのデータをもとにして、自分がいくらまでならiDeCoの掛金を払えるのか検討してみてください。

iDeCoの商品選びに迷っている方にアドバイス


──では、iDeCoを始めたいけれど、金融商品の選び方で迷っているという方にアドバイスをいただけますか?

風呂内さん:個人の考え方も大切ですので、どうしてもリスクがある商品には抵抗があるという方は元本確保型の定期預金や保険でもいいと思います。また、投資信託を一般の証券口座などで運用するよりはiDeCoにメリットが多いため、どちらにしても運用するつもりがあるのであれば、iDeCoを検討してみるのも一案でしょう。

──iDeCoで投資信託を選ぶ際には、事前に株式や債券などの勉強をする必要がありますか?

風呂内さん:あまり難しく考えすぎる必要はありませんが、やはり基本的な知識は備えておいた方が始めやすいでしょう。『お金のキャンパス』のなかにもiDeCoに関する記事がありますし、初心者向けの確定拠出年金の本もたくさん発売されていますから、一読されることをおすすめします。

私も確定拠出年金の本を出していますが、初心者の方にもわかりやすいように難しい用語はなるべく使わずに解説しましたので、参考にしてくださいね。

運用商品の詳細については、iDeCoを扱っている金融機関で資料を請求できますので、まずは取り寄せてみてください。インターネットからも申し込みできますから、気軽に検討できますよ。

新たなライフステージに立ち向かう勇者へのメッセージ

──さて、この記事を読まれている方のなかには、これから結婚や住宅の購入、出産、マイカーの購入などを検討しているライフステージの切り替わりの世代の方も多いと思います。その方たちは、どのような資産形成の手段が向いていると思いますか?

風呂内さん:先ほども軽くお話をしましたが、NISAやつみたてNISAでしたら、ライトに始められますのでおすすめですね。長く地道に続けやすいという点ではつみたてNISAが向いているのではないかと考えられます。

アグレッシブな方が楽しいという人は、自動で積み立てる仕組みを形成しつつ、商品ごとの値動きを見ながら運用するタイプを併用されると、ひとつのリスクヘッジになるのではないかと思います。

ライフステージの切り替わりの時期は忙しくなりますので、投資の判断や売買などの対応ができないことも起こりかねません。ですから、「のんびりできる運用」と「積極運用」という武器を2つ持つと、強い『勇者』になれると思います。人生は何が起こるかわかりませんので、武器が2つになることは決して邪魔になるものではありませんよね。

人生は進んでいくごとにかわっていくもので、次のステージで何が起こるのか判断できません。環境が変わっても対応していくために、運用の手法を複数持つというのは、選択肢を増やすという意味でも、有効な資産形成の手段だと思います。

風呂内 亜矢さん(ふろうち・あや)

ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
26歳独身の時、貯金80万円しかもたずマンションを衝動買いしたことをきっかけに貯蓄、投資、お金の勉強を始める。現在は夫婦で4部屋のマンションを所有し、賃料収入も得ている。2013年独立。身近で親しみやすいお金の解説に定評があり、新聞、テレビ、ラジオなどで、情報発信を行っている。

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